語られることもない様なパッとしない聖杯戦争を終えたマスターが、FGOの世界にてイベントの敵キャラになるだけのお話   作:一般人の成り上がり

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ずっと昔に考えるだけ考えた設定とかサーヴァントを、今になって上手い具合に弄って放出します。
ネタ供養作品です、せめてオリキャラ全部出すまでは書き続けたいなぁ……。


ぶっつけ本番

     寒い、寒い、寒い。

 

 一面に広がる銀世界。

 

 その場所は人類史を否定する、活動を否定する、繁栄を否定する。

 

 あらゆるモノを許さぬ終わりと始まり。

 

 天文台よ、覚悟せよ。

 

 この世界には、乗り越えるべき絶望はない。

 

 されど、訪れるべき希望もないことを。

 

 

 

 

 

 

「これから君には、呼び寄せた人類悪の断片を討伐してもらう」

 

「無理に決まってんだろ馬鹿」

 

 なーに言ってんだこの元病弱、さっき説明されたばっかなんだが。

 

「人類悪ってのは、俺達じゃ到底呼び出せないレベルの化け物七騎で戦う様なレベルの奴らなんだろ」

 

「そうだ」

 

「今この世界に、戦える奴二人しかいないが?」

 

 俺とお前。

 

「ああ」

 

「だったら無理ってのは理解できるだろうが」

 

「断片だと言っただろう」

 

「七等分しても化け物サーヴァント一人分だ、馬鹿か」

 

「……それにお前今動けねぇんだろ」

 

「ああ、この……トライヘルメスと同期している。私に馴染ませるにはもう少し時間が必要だ」

 

「それにかかる時間は?」

 

「三日程あれば、動ける様にはなるだろう」

 

「その断片とやらが来るのは?」

 

「遅くても二日後になるだろう」

 

「結局俺一人じゃねぇか」

 

 どう頑張っても勝てねえだろう。英雄でもない、たかが人間だぞ俺は。

 

「今の君は、それを可能にするだけの存在には仕上がっている筈だ」

 

「誰も彼もが、好きに身体を弄れる訳じゃねぇんだよ」

 

「だが、君ならばそれと同等のことができる」

 

「……」

 

 買い被り過ぎてねぇかなこの半分サイボーグ、てかもはや人の形をした機械だろ絵面が。

 

「私は歴とした人間だ、機械と接続できる様に自分を改造しただけの」

 

「……はぁ」

 

「イヌガミ……これは偽名だったか。……今はいいが、君は私の想定している中でも一番の最高傑作だ」

 

「やり方次第で、君はどんな英雄だろうが、厄災だろうが噛み砕くことができると、信じている」

 

「やる気のでねぇ激励をどうもありがとう、ランサーのマスター」

 

「む、それは前世での話だろう。今は違う」

 

「つっても、前世とは状況も身体も微妙に違うんだろう」

 

「それもそうだが……そうだな、では私のことはダーウィンと呼んでくれ」

 

「……お前の中身か?」

 

「ああ」

 

「あいよ、()()()()()

 

「……何故分かる?」

 

「どう考えたってキャスター枠だろうが、チャールズ・ダーウィンは」

 

 他に有名な逸話から判断できる適正はねぇし……男が女だったみたいに、隠れた趣味特技がねぇならキャスターだろうさ。

 

「では、君のことはライダーと呼ぼう」

 

「俺の中身はライダーなのな、把握した」

 

「これ以上無い程には強い筈だ、君と混ぜたことで弱点も薄くなる」

 

「……一応言っとくが、俺のはそんな便利じゃねぇからな?」

 

「それを加味しても、君は強くなれる」

 

「過剰な期待をどうも、キャスター」

 

 


 

 

「さっむ。……いや洒落になんねぇ」

 

 一面に広がる銀世界……これが地球の可能性かよ、呆気ねえな。

 

「で、ここに問題のバケモンが来るんだったか」

 

 人類悪……キャスターが言うには、人が倒すべき悪だとからしいが。

 

「それを呼び出して、倒せ……無茶が過ぎる」

 

 己の力の使い方は教えられたし、そりゃ強いよなってなる化け物が中身だってのも理解した。外側が俺でなければな。

 

「Iが来るんだっけ?」

 

 確か、どこかで一つ目が出現したら、どこかに七番目がなんとか……俺には縁がなさ過ぎて理解しかねる、出て来たらぶっ飛ばせるように頑張る、で良いだろうもう。

 

「力も多少練習したけど、やっぱ無茶振りだろ」

 

 世界のどこにいるんだ? 数日前まで一般人だった奴に世界の敵を倒させようとする奴が。タチの悪い小説かよ。

 

「っと、来なさったか」

 

 赤黒いナニカとともに、白い世界に生まれ出るのは……。

 ……。

 ……うっわ気持ち悪、なんだあの柱みてぇな触手もどき。

 

「ァ……アァア……人理ノ……サイ編……ヲォ……!」

 

「……すっげぇ魔力、これが断片か本当に」

 

 欠片みてぇな知性してそうな点は断片だと思えて来るが、感じる魔力量が化け物過ぎる。

 

『事実だ。そいつは本来であれば星を焼き、時間を逆行する程の魔力を有している』

 

「どんだけだよ、規格外過ぎんだろ」

 

『さあな、流石の私も、地球の営み3000年分の魔力など体験したことはない。……今はその三分の一程度だが』

 

「てことは単純計算1000年か? ……そりゃお優しい……ってなる訳がねぇ!」

 

 なーにが三分の一だ馬鹿、人は100年生きりゃ儲け物なんだよ。

 

『……来るぞ』

 

「は? ……チッ!」

 

 飛んでくるのは触手……ではなく魔力砲、容赦ねぇな!

 

『そもそもの肉体からして、我々現代の人間とはスペックが違う。ソレの身体は原初の魔術師……そして、王だ』

 

「んだそりゃ! ウルクの王様かぁ!?」

 

『……違う、名前はソロモン……と言っても、我々に覚えはないのだろうが、私もこうやって知るまで存在を確認できなかった』

 

「へぇ……そりゃ、難儀なこった!」

 

「ア、アァアアアァァア!!!」

 

『どうやら、想定以上の魔力の代わりに膨大な知識を削られている。今の奴は、お得意の宝具もまともに扱えず、膨大な魔力を振り回すだけの獣に過ぎない』

 

「なるほどなぁ!」

 

 1000年分の魔力を、振り回す獣ってだけで十分だろうが! ビームだらけで攻撃する暇もねぇしな!

 

『それは違う、今の君は力を出し切っていない』

 

「はぁ?」

 

『もっと力を込めろ。その身に宿っているのは、前世の感覚で使い切れる膂力じゃない』

 

「そうか……」

 

 お言葉の通り、()()()()()足に力を込める。

 

「……よっ!!」

 

 そのまま飛び出して……早え! ぶつかる!?

 

『……全力で踏み込め、とは言っていないのだが』

 

「全力出さなきゃ加減もわかんねぇよ! ……確かにこれなら、攻撃を当てられそうだが!」

 

 ひゅんひゅんズバーンとさっきから光線を飛ばしちゃいるが……あの触手を使う、ってことにはならねぇのかね、知識が足りんか。

 

『あれらは自立しているようだ。そして例に漏れず知識を削られている』

 

「へぇ?」

 

『要するに、本体と協力する程の知性がない。だが、君が攻撃すれば同期しているあれも流石に動くだろうよ』

 

「てことは?」

 

『やるなら一息で、だ。……相性がいいじゃないか』

 

「嫌味かよ!」

 

『事実だが』

 

 50以上あるでかい触手とあの無駄にガタイの良いソロモンとやらを一発でやれと? 力の全容も知らねぇのに?

 

『これから知ることになる。安心しろ、この世界で君がどれだけ力を使おうと影響はない。既に一面銀世界だ』

 

「嫌なポジティブさだよ本当に!」

 

 ああくそ、やるしかねぇのか。前世だと嫌に悲観的だの思ってたが、こいつただ単に事実を述べていただけかよ! 今更知ったわ!

 

『……作戦通りだ、喰らい尽くせライダー。私は君を信用している』

 

「ああそうかい! 仰せのままにだキャスター!」

 

 オリジナルがどうだったか知らないが、頭に浮かんでくる詠唱をそのまま言葉にする。

 

「『かつて喰らい、我が糧、権能(ちから)となりし、冬よ在れ』」

 

「『凪ぐべからず、凍嵐(かぜ)よ吹け』」

 

「『霜に包まれ、命を散らす冬世界へと来るが良い    狼喰らいし氷霜界(フローズヴィトニル・ニヴルヘイム)!!』」




元々はFateのオリジナル聖杯戦争ってことにして考えてた筈……なんだけど、おそらく書ききれないだろうと思って今風にFGOへと構成し直したんですね、はい。

カルデア組が来るまではとんとん拍子で時間飛ばします、地道に書くとエタるって、私の今までの経験が囁いて来るので……。
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