クラス対抗戦が終わった頃にあげたいと思います。
オラに文才を分けてくれー!
クラス代表者は誰なのか!?(棒)
そして、織斑先生の決断は…。
「という事で、一年一組のクラス代表者は織斑一夏君に決まりましたー!
あっ、一つながりで縁起がいいですね!」
山田先生の発表にクラスが盛り上がる。
…横でポカンとしている一夏を除いて。
昨日のクラス代表者決定戦の熱はまだ冷めておらず、朝から廊下を歩いていても食堂でご飯を食べていてもずっと騒がれっぱなしだった。
教室に入ってみると、一夏も同じ様な感じだったらしく、机でへたれていた。
そして現在、SHRにて自分の名前を呼ばれてポカンとしている一夏は、やがてゆっくりと手を挙げた。
「あの、山田先生…?」
「はい、なんですか織斑君?」
一夏にニッコリと微笑む山田先生。
「なんで俺がクラス代表なんですか?
昨日の結果から見れば、理かセシリアがなるはずなんですけど…。」
一夏が先生に尋ねる。
セシリアと呼んでいるところから、一夏もそう呼ぶよう言われたのだろう。
「それはですね、神名君もオルコットさんも代表を辞退したからですよ。」
「えっ!?どういう事だよ、理!」
やっと理解に至ったのか、グリンと僕の方をみる。
「だって面倒くさそうだったもん。」
「そんな理由で!?」
「いや、別にそれだけが理由じゃないよ。」
「じゃあなんで…?」
「君のためだよ、一夏。」
僕の言葉に一夏は首を傾げる。
「君の場合はさ、理論を詰め込んだりするよりも実戦を一杯積んでいく方が確実に強くなれると思ったんだ。
だから、クラス代表になれば他のクラスの強い子達とも試合が出来るから、ちょうどいいなって思ったんだ。」
要は単純バカだと言ってる事になってるのだが、一夏はそんな事に気付かず、
「そっか、わかったぜ!
強くなるためにもクラス代表頑張るぜ、理!」
と、意気込んでいる。
ふっ、チョロいな。
「クラス代表になったからには皆の期待を裏切らないようにしろよ、織斑?」
と、教室に入ってきた織斑先生が言う。
「おう!…じゃなくてはい!織斑先生。
あれ、理はともかくセシリアはなんで辞退したんだ?」
と、一夏はセシリアに尋ねる。
「…その事ですが、その前に少しお話させて下さい。」
セシリアは立ち上がりそう言った。
その顔は若干緊張が見られるが、覚悟を決めたようだった。
「織斑先生、構いませんか?」
「…ああ、いいだろう。
前に出てくるか?」
「はい、ちゃんと前に出て皆さんと向き合います。」
そう言って、セシリアは教卓まで出てきた。
皆は静かにセシリアを見ている。
前に立ちこちらに向いた時、セシリアの表情にさらに緊張がます。
なかなか第一声を発せないでいるセシリアがチラリと僕を見た。
僕は真っ直ぐセシリアを見据え、頷いてあげた。
セシリアはそれに応えるように頷き、やがて頭を下げて言った。
「…この度は、皆さんに対する数々の侮辱、本当に申し訳ありませんでした。」
顔を上げ。皆の目を見て更に言葉を紡ぐ。
「日本に対する侮辱、そしてなにより皆さんを侮辱した事、どうかお許し下さい。」
セシリアは先生達の方にも体を向ける。
「先生方にも、目上の方でもあるにもかかわらず本当に申し訳ありませんでした。」
再び僕らの方に向き直り謝罪をつづける。
「そして…、このような事を言うのは本当におこがましい事なのですが…、これからは仲良くしていただけませんでしょうか?」
セシリアは肩を震わせ、涙を流し始める。
「ほ、本当に身勝手な事を言ってるのは承知です…。
それでも、わたくしも一緒に…グスッ…1組のメンバーとして、皆さんと一緒に過ごして、いきたいです…。」
セシリアは涙で顔がグチャグチャだったが、真っ直ぐ皆を見る。
「ど、どうかこんなわたくしを受け入れて下さい。
お願いします。」
と言って、再び頭を下げた。
教室にはセシリアの嗚咽だけが響く。
「うん、いいよ〜。」
と、教室の後ろの方から声がとび、セシリアははじかれたように顔を上げる。
僕らも後ろを振り返ってみると、声の主は本音だった。
「セッシー寂しかったんだよね〜。
大丈夫だよ〜、これから一緒にご飯食べようね〜。」
と、彼女らしい事を言う。
「うん、私も許すよー。」
「セシリアさんそんなに泣かないで、私も泣いちゃうから〜。」
「そうよオルコットさん、一緒に楽しくしましょ。」
「私、オルコットさんにISの操縦とか射撃のコツとか聞きたいんだ。
今度教えてよ。」
本音を皮切りに皆が次々に言葉を発する。
中にはもらい泣きをしてる子までいる。
セシリアも感激のあまり涙が止まらなくなっている。
「そうですよオルコットさん!
何か悩みがあったら先生に話して下さい!」
と、山田先生もセシリアに言う。
先生ももらい泣きしてるようだ、というより号泣である。
「反省出来ているのならそれでいい。
その反省をこれからの生活に生かすようにな。」
織斑先生も笑いながら話す。
「グスッ……皆さん…、本当にありがとうございます…。
そして、これからよろしくお願いします…!」
セシリアが泣きながら笑い、皆も笑顔になる。
クラスは明るい雰囲気に包まれた…。
「神名、お前のISを返そう。
私の部屋まで取りに来てくれるか?」
放課後、皆とどう過ごそうか話をしていると、織斑先生が近づいて来て僕に言う。
「はい、分かりました。」
「理行っちまうのか?じゃあどうするか決めたら連絡送るから、アドレス交換しとこうぜ。」
「いいよ。…ってそういえば僕、携帯無かったんだ。」
そこで僕は思い出した。
寮にはある程度の身の周りの用品(私服まで用意されていた。しかも結構オシャレな服。)は届いていたのだが、携帯だけは無かった。
ここ一週間近くは別に連絡をとる人もいなかったので特に気にとめなかったが、知り合いも多くなったこれからは必要になってくるだろう。
「ああ、そうだったな。
神名、お前の携帯も委員会側が負担する事になっている。」
「先生、も、ってことは…。」
「もちろんお前の学費や生活費といったものは全てIS委員会が負担してくれる。
あまり無駄遣いしないようにな?
携帯については自分で気に入った物を選んで来るといい。」
「はい、ありがとうございます。」
「そうだ理、明日祝日だし見にいこうぜ!
ついでにそこら辺ぶらつこうぜ!」
「うん、そうしよっか。」
「じゃあ今日はとりあえず用事が済んだら食堂に来てくれ。
おれ達はそこで待っとくよ。」
「分かった。じゃあまた後で。」
そう言って一夏達と別れて、織斑先生について行く。
移動している間、織斑先生は無言だった。
先生は恐らく僕が纏っていたものがISじゃない事は分かっているのだろう。
説明を求められたらどう答えたらよいのだろうか。
僕はずっとそれを考えていた。
………
……
…
「さあ、入れ。少し散らかっているが。」
と、そう促され部屋に入り絶句する。
少しどころではない、かなり散らかっている。
順平の部屋もこんな感じだったな…と思い出す。
「私の部屋に関しては他言無用で頼む。
今までは一夏が掃除してくれていたのだが…。」
と、織斑先生はため息を吐いている。
一夏、と言っているところから、先生としてではなく織斑千冬として今はいるのだろう。
「では返そう。一晩借りて済まなかったな。」
と、机に置いていた召喚器を手渡してきた。
僕が手を伸ばし召喚器を掴むと、手渡してきた方とは反対の手で手首をガッシリと掴んできた。
反射的に顔を上げると、織斑千冬は厳しい目付きで僕を見据えている。
「これが何なのかは分からない。」
織斑千冬は静かに話す。
「そして、貴様が何者なのかも分からない。」
空気が張りつめているのが分かる。
僕の頬に汗が流れ落ちる。
「………だが、今は何も問わないでおこう。」
と、掴んでいた手を離した。
掴まれていた僕の手がだらりと下がる。
「実際のところ、お前が何か企んでいるようには見えない。
それにオルコットの件もある。
もし話す気になったら、全て話してくれ。」
「…わかりました。
ありがとうございます、千冬さん。」
僕はそう言って、召喚器をホルスターにしまう。
「ではもう行っていいぞ。
それと、明日の外出届けは私が承っておこう。」
「はい、お願いします。…では失礼します。」
そう言って、僕は部屋を後にする。
部屋を出る直前に見た千冬さんの表情はしかし悩ましげであった。
ここで修正のお話です。
3話の時点でクラス対抗戦を二週間後に設定していましたが、一ヶ月後にさせていただきます。
理由としてはこれから色々イベントを入れたいのと、二週間後だと現在残された時間は数日程度となってしまうのでそれでは一夏は鈴ちゃんに勝てないだろうと判断したためです。
設定変更となることをお許し下さい。
さて次回は、皆お待ちかねあのイベントです!