内容をまとめるのがかなり面倒くさかったですね。
自分は暗闇の中でどんどん落ちていくのを感じていた。
落ちていくというのは正しくないのかもしれない。
どちらが上か下かも分からないのだから。
ただ暗闇の中で何処かへ引き寄せられているのはわかった。
やがて光がどこからともなく差し始め、徐々に光が視界を包み込み______
目を開くと僕は真っ白な部屋にいた。
全てが真っ白な四角い空間には僕しか居らず、それ以外には何も無かった。
僕は突然のことに驚き戸惑っていた。
一夏と出掛けた後、部屋でゆっくりと過ごし眠りについたはずなのだが…。
「___ようやく、お会いする事が出来ました。」
突如掛けられた声に慌てて正面に向き直ると、先程まで誰も居なかった筈なのに、そこには1人の女性が椅子に座っていた。
「ご安心して下さい。
現実の貴方は今眠っています。
精神だけここに飛ばしております。」
「…ここはベルベットルームなのかい?」
彼女の言葉を聞き僕はかつてのあの青い部屋とそこにいた住人を思い出す。
「同じかと言われれば少し違います。
しかし私自身は、ベルベットルームの住人と同じ様な存在です。」
そう言って、彼女は軽く会釈をする。
「私の名は“イデア”。
あらゆるものの認識の根本にある真の実在。
ベルベットルームの住人の役割が契約をなされた者達の旅の手助けをする事ならば、私の役割は旅を終えた者、つまり
彼女の言葉を頭の中で考える。
「でも、僕は君に会った事はないよ?」
「…本来、アルカナの旅路において
私はその
私の姿は精神体でしか見ることが出来ず、肉体を持つと私の存在を忘れ、無知なるままアルカナの旅路に身を投じることになります。
このようにアルカナの旅路は本来なら螺旋状に永遠に続いていくものなのです。」
しかし、とイデアは区切る。
「貴方は自ら旅の輪廻から外れ、
その結果、貴方は1つの場所に留まり続けることとなり、再びアルカナの旅路に戻ることは出来なくなりました。
………しかし、この度何らかのイレギュラーが起きました。」
「………。」
「それが、現在貴方の身に起きている現象です。
本来ならば、二度とアルカナの旅路に戻れないはずの貴方が再び肉体を得て、現世に存在している。」
「…ここは僕の元いた世界とはやっぱり違うの?」
「ええ、そうです。もし貴方のいた世界に再存在していたなら、貴方を知る者が呼び寄せたと考えられます。
しかし、先程も言ったようにここは貴方のいた世界とは異なる世界。
貴方を知る者はいない筈なのに、貴方はここに呼び寄せられた。」
「…僕はどうすればいいの?」
「それは貴方がこの世界に来る前に聞いている筈です。」
そう言われ少し思い出す。
「“己が宿命を見出せ”……だっけ?」
「ええ、その通りです。
そして私は貴方の旅の助けをしに参りました。」
「それって、ペルソナ合体とか?」
「いえ、私は貴方と共にこの世界を見定め、原因を調査しそれを解決へと導く役割を務めさせていただきます。
以後、よろしくお願いします。」
そう言って、うやうやしく頭を下げた。
つまり、ナビゲーターのような役割なのか?
そんな事を考えながらイデアを見る。
綺麗な金髪に透き通るような肌、その青い瞳になんとなく彼女の姿がちらつく。
「ちなみに、」
と、イデアが口を開く。
「私の姿は貴方の心に浮かぶ誰かを反映します。
つまり私の姿に思い当たる人物が入れば、それが貴方の一番心に残っている人物です。」
と、イデアはニヤニヤしながら言う。
「貴方の目には私はどのように映っていますか?」
「………どうでもいい。」
からかわれている気がしたので、答えないでおく。
「さて、今回はこれまでとしましょう。」
そう言って立ち上がる。
「私とは眠りにつけばいつでも会うことができます。
何か聞きたいことがあればいつでもいらして下さい。」
「わかった。」
僕がそう言うと、彼女はフッと姿を消し、僕の意識もそこで途絶えた。
オリジナルキャラクターであるイデアですが、
これはプラトンのイデア論からきています。