P3 in IS   作:ティターニア

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この作品は不定期更新です。(遅くなるとは言っていない。)

いよいよ、彼の物語が始まります。


1:今後ともヨロシク

「さて、貴様はここで待っていろ。

私が呼んだら入ってこい。」

 

教室の前まで着くと、教師はそう言い残して教室の中へ入ろうとした。

その時、教室から男性の声が聞こえてきた。

 

『お、織斑一夏です!』

 

教室内では自己紹介が行われてるらしい。

おそらく今聞こえてきた声の主がもう1人の男子なのだろう。

織斑一夏という名前のようだ。

中の状況から考えると、彼以外は女子しかいないのでかなり緊張しているだろう。

最初の印象は今後の生活を大きく左右する。

彼はどうでるのか…。

 

『………以上です!』

 

ガタガタっとずっこけるような音が教室から響いてきた。

…彼はなかなかユニークなキャラのようだ。

と、教室に入ろうとしていた教師がため息を吐きながら呟く。

 

「まったく…、姉として恥ずかしいな…。」

 

そう呟き教室へと入っていった。

その表情からは若干の呆れが見えていた。

どうやら彼とあの教師は姉弟の関係にあるらしい。

そうすると、あの教師の名字も織斑なのだろう。

と、ゴッという鈍い音が教室の中から数回聞こえてきた。

何らかの制裁を受けたようだ。

…ご愁傷様です。

中から聞こえてくる割れんばかりの歓声を聞きながら、僕は思考を巡らせる。

ここは自分のいた世界とはおそらく別の世界なのだろう。

ISなんてものは自分の世界には無かった。

頭の中に響いた声は自分の宿命を見つけろと言っていた。

一体自分にどのような宿命が待っているのだろうか。

考える事はいろいろあるが、僕が何より気になっているのは、

 

「みんなはどうしてるんだろう…。」

 

他でもない仲間達の事であった。

共に同じ寮で過ごし、共に学校生活を送り、

そして、共に命を賭して戦い、助け合い、時に衝突しあいながらも、1年という短い時を共に駆け抜けた仲間達。

彼らに会うことはもう出来ないのだろうか…。

僕は窓に映った自分の姿を見る。

青みがかった髪は片目を覆うように伸びており、中性的な容姿、生気のない目はまさしく僕そのものだった。

僕は今確かにここにいる。

再び命を与えられここにいる。

しかし、彼らはここにはいない。

その事実が僕に重くのしかかる。

 

『___よし、では入ってこい。』

 

教室の中から僕を呼ぶ声が聞こえてきたので、僕は扉に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、朝から痛い目にあった…。」

 

千冬姉にはたかれた頭をさすりながら、俺、織斑一夏はため息を吐く。

SHRが始まる前から周りの女子の視線が痛いほど突き刺さり、非常に肩身の狭い思いをしていた。

その後、千冬姉には頭を何発もはたかれるし、千冬姉の挨拶に周りの女子が割れんばかりの歓声を上げ、俺は耳の鼓膜が破れるかとおもった。

…ってゆーか普通の出席簿でどうやったらあそこまで威力を出せるのだろう…。

そんなわけで俺は、精神的にも肉体的にもボロボロになりながら、千冬姉の話を聞いていた。

 

「___ではSHRを終えようと思うが、その前にこのクラスのもう1人のメンバーを紹介する。」

 

千冬姉のその言葉に、俺は右隣りの空席に目を向ける。

さっきから気になっていたのだが、体調が良くなくて入学式には出れなかったのだろうか?

 

「ギリギリここへの入学が決まってな。

入学式には間に合わなかったが、これから一年間貴様らと共に学ぶ者だ。

仲良くするように。

………よし、では入って来い。」

 

千冬姉が教室の外へと呼びかけ、扉が開いていく。

入ってきた人物を見て、俺は唖然としてしまった。

周りの女子も呆気にとられていた。

髪の色は青みがかっており、前髪は片目を覆うぐらい伸びている。

整った顔立ちをしており中性的な容姿だった。

何よりも俺たちを驚かせたのはその人物がズボンを履いていたからである。

そう、"彼"は俺と同じ男性の制服を着ていた。

 

「本来ならば2年にあたるのだが、学園側の意向で1年から学ぶ事になった。

では、自己紹介しろ。」

 

そう言われ、彼は口を開く。

 

「………神名 理(かみな まこと)です。

今後ともヨロシク。」

 

入って来たのは男であった。

 

 

ってか今よろしくのイントネーションがおかしかった気がするんだけど!?

 

と、神名の頭に出席簿が振り下ろされる。

 

「まったく…。男子はまともに挨拶が出来ないのか。」

 

千冬姉は呆れたように言うが、ってか千冬姉その出席簿アタック誰にでも振りまくの!?

対して、出席簿アタックを受けた本人はノーリアクションだし。

いやその出席簿アタックくらってなんで平気でいられるの!?

今結構ヤバそうな音してたぞ!?

と、今まで呆気にとられていた女子達が我に返り始め、改めて神名をまじまじと見つめる。

俺は嫌な予感がしたので、耳を塞いでおくことにした。

 

「………キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜!!!!!」

 

再び割れんばかりの歓声が飛び交う。

 

「男よっ!!男の子!!」

「しかもイケメン!!織斑君とはまた違った無口クールタイプ!」

「ヤバいわ!見つめられるだけで昇天しちゃいそう!!!」

「織斑×神名か神名×織斑か…。妄想がとまりませんな!」

 

女子達の黄色い声援は止まらない。

ってか今の最後の2人ダメだろ。

できるだけ関わらないようにしておこう。

 

「やかましいぞ!静かにせんか!」

 

千冬姉が教卓に出席簿を振り下ろし、ようやく静かになった。

さすが千冬姉である。

 

「まったく馬鹿どもが…。

忘れてるかもしれんが、神名は貴様らより年上だ。

年上にはちゃんと敬意を払うように。」

 

千冬姉のその言葉に神名は口を挟んだ。

 

「…いや、別に敬意は払わなくていい…。

タメ口とかで全然構わない。

これから1年間ヨロシク。」

 

神名のその締め括りでSHRが終わった。

とりあえず、話しかけてみよう。

 

 

…いやだから、よろしくのイントネーション。

 

 

 




主人公の名前はオリジナルにしました。
公式のを使っちゃうと、やはり原作の方とのイメージがずれてしまうのではとおもい変えました。

次回はあのお嬢様が出るとこまで行きます。
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