妖刀鍛冶師が転生したらドワーフの村でした。   作:猫麻雀打ち

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一話鍛冶師転生する。

 俺は一体何のために刀を作るのか。

 後世に残すため? 

 刀なんぞ人を切るための物だ。

 残らない方がいい。

 栄誉を得る為? 

 人を殺す道具なんかに栄誉などあるものか。

 あるのは怨念と怨嗟の声だけだ。

 そう分かっていても俺は剣を打つのを止められなかった。

 これは呪いか業か。

 いやそれは言い訳だ。

 俺は栄誉や尊敬が欲しかったのだ

 なんと浅ましい人間なのか。

 その欲のためにどれだけの人間を殺す刀を作ったのか。

 そんな俺の最後は刀で切られて終わるべきだ。

 そう俺は望んでいた。

 そんな俺の最後は娘に看取られて息を引き取った。

 人殺しの俺が.……

 いや逆によかったのかもしれない。

 罪人の俺が満足する死に方なんぞ出きるわけもない。

 

『あなたはまだ満足していないのでしょう?』

 

 どこからかそんな声が聞こえた。

 仏様か閻魔様か、

 閻魔様にしては優しく美しい声だった。

 仏には嘘はつけまい。

 満足はしていない。

 だがこれで良かったなとも思ってはいる。

 

『嘘ですね。あなたはそうは言っていますがまだ刀を作りたいと思っている』

 

 ……

 

『図星でしょう? 職人とはそういうものです。ならあなたにチャンスを与えましょう』

 

 チャンス? 

 なぜ俺に? 

 

『秘密です。そちらの方が面白いでしょう?』

 

 そう笑った声で言い声は聞こえなくなって辺りが明るくなる。

 

 

 明るくなってしばらくして俺は暗い世界にいた。

 なにも見えぬ深淵だ。

 これが地獄なのだろうか? 

 そんな地獄の中から声がする。

 

「人間か? どこから連れてきた」

「拾った!」

「拾ったっておまえ」

 

 声が聞こえる幼子と老人だろうか、

 声の感じからそう推測できる。

 人間を拾ってきたことに驚いていたなまさか妖怪の類いか? 

 まぁ、牛若丸も天狗に育てられたと言うしなぁ

 神の力と言うこともあり俺は驚かなかった。

 

「こいつ育てたい!」

「育てるっておまえこいつは人間だぞ?」

「??? それが何?」

「わしらはドワーフだぞ?」

「うん!」

「はぁ……おまえのそういうところには本当にかなわん」

 

 どわーふ? 

 良く分からない妖怪の名前だろうか。

 人々と関わっていれば分かったのだろうが……

 こういうときわしの人下手がいやになる。

 

「こいつ目に傷がある」

「どれ? 本当じゃの まぁ捨て子なら不思議ではないか。ちょっと待っとれ」

 

 老人の声が遠くなる。

 目の傷、

 だから目が見えなかったのか? 

 目が見えなかったら剣を打つのに不便だろうなぁと思ってしまったのは職業病か。

 そんな事を考えていると足跡が近づいてくる。

 

「ほれこれつかえ」

「ありがと!」

 

 突然目が冷たくなる。

 あまりの冷たさに俺は驚きのあまり目を開けた。

 目が開いた? 

 

「馬鹿か! ポーションを目にかける奴があるか! 口から飲ませろ!」

「そうだった! でも目が開いた。それにこいつ目面白い半分ずつ色が違う」

「そんな馬鹿な 目にポーションをかけて治ったなんぞ……本当じゃ」

 

 怒りながら背が小さな老人が俺を覗き込むので俺は見上げていた。

 見上げている? こんなに小さな老人を……

 俺は手をみて驚いた。

 そこにあったのは傷だらけの手ではなく、

 赤子の手であった。

 どうやら俺は輪廻転生したらしい。

 

 

 くそ親父が死んだ。

 それも病で、

 驚きだった。

 くそ親父が死ぬなら言っていたように誰かに切られてだと思っていた。

 それか妖怪に食われるか。

 どっちにしろ復讐だと。

 そんな恨まれていた男の最後が病。

 笑ったものか呆れたものか……

 

「この男の最後がこれか!?」

 

 私は思いにもよらず怒っていた。

 この男のために? 

 私を刀鍛冶へとさせた男に? 

 私に剣を握らせた男に? 

 そんなわけない。

 こいつの刀のせいで死んだ妖怪や人間に失礼だからだ。

 私はそう自分にいい聞かせた。

 あんな男がいい親だったなどと信じたくなかった。

 私はあんたとは違う末路を迎えてやる。

 おまえが望んだ切られる道を……

 娘に自分の望みを叶えられたら悔しいだろう? 

 親父……いや初代村正。

 勝手だが二代目の座を貰うぜ? 

 おまえは私を利用してきたんだ。

 私もおまえを利用させて貰う。

 俺が有名になるまで

 

「……手紙出すべきか? そもそもあの親父ダチなんていたのか?」

 

 調べて分かったことだが親父には案外ダチは居たらしい。

 侍 人斬り 盗賊 妖怪。

 どれもまともな奴じゃねぇ。

 それも村正らしいか。

 なんせ人斬り刀を一番作った男妖刀の村正だしな。

 そんな奴の後を継ぐのなんてまっぴらだ。

 売るできるだけ売って独立してやらぁ。

 そんな簡単に独立できるものではないと私はその時気付かず四代も続けることになっちまった。

 多分皆恨んでるぜ親父。

 

 

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