「また打ってるの?勝手にやったら親父に怒られるよ?」
「おまえと違って俺はちゃんと許可貰ってんの」
俺はそういい炉に火をくべる。
その様子をおかしそうに眺めてくる幼馴染み?と言っていいのかドワーフのライラ。
俺はそんなものを気にせず熱された鉄を打つ。
新たな生を得ても俺は俺だ。
剣を打たずにはいられない。
「また駄目か……」
俺は剣を冷ましてそう感じた。
名人と呼ばれる者たちは剣を打っていると打っている感覚と目で分かるようになるらしいが俺もそこまでは行かないが大体分かるようになっていた。
これも二度目の生のおかげか。
「私はいいと思うけどなぁ」
「駄目だこれじゃあドワーフアームズの名を汚しちまう」
ドワーフアームズ
それは俺を拾ってくれた親方の工房の名前
様々な武器を作る工房で剣だけでなく矢の製造や斧までなんでもござれだ。
剣だけしか作れない俺からしたらドワーフ達の腕が羨ましくなる。
「そうかなぁ?私は親父の剣の領域越えてると思うけどなぁ」
そうライラはいつも励ましてくれるが俺はそう思わない。
親方やドワーフの皆が創るものは長持ちすると評判だ。
それに比べて俺の剣は数十度の切り合いで壊れてしまう。
これはこの世界と俺がいた世界の認識の違いだ。
親方達は生きるために剣を創り、
俺は何かを殺すために剣を創っているからだ。
分かりやすく言うと俺の剣は殺傷力に特化した物だ。
どれだけ素早く殺せるか
それを考えているのが侍だ。
だから刀の耐久力なんて考えていない。
刀が折れれば相手の剣を奪えばいいのだから。
だがこの世界の剣は違う。
この世界の剣は護身用として創られている。
襲ってくる相手を殺すことを第一に考えず生きることを考える。
それがこの世界の考え方だ。
だからこの世界ではどれだけ守っても壊れない盾や剣が求められている。
これが一番の驚きだった。
剣は何かを殺すための道具としか考えていなかった。
剣で守る……
素晴らしい事だ。
何故前世では誰も思い付かなかったのか……
いや思い付いた人間はいたのだろうがそれを実践するには俺達の世界は魔境過ぎた。
いつ殺されるかも分からぬ人斬りや妖怪が跋扈しているなか他人を守るために剣を震うのは難しいならば敵を早く殺せば仲間や自分が守れると思ったのだろう。
まったくいやになる……
なら守るための刀を創ればいいと言われそうだが俺には出来なかった。
俺はいつの間にか殺すための剣しか創れなくなっていた。
これもあいつの呪いかそれとも今まで創ってきた剣に切られた者の怨念がそれをさせないのか分からない……どっちにしても新しい世界に来ても罪は消えないらしい。
難儀なものだ。
「また考え込んでる!そんな事より先に試し斬り!」
そういうと俺と刀を持ち外へと連れていく。
俺は恥の上塗りがいやで必死に抵抗したがやはりドワーフの力は強く抵抗できない。
人間に生んだ事を恨むぞ神よ