ガンダムSEED DESTINY 飛び立つ翼   作:izuki

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第九話 ローエングリンゲート攻略作戦

 ミーティングが終了して数時間後、ローエングリンゲート及びガルナハン基地攻略作戦が開始された。

 

『インパルス発進スタンバイ。パイロットはコアスプレンダーへ。中央カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。中央カタパルト、発進位置にリフトアップします。コアスプレンダー全システムオンライン』

 

 メイリンによる発進シークエンスを聞きながらシンはコアスプレンダーのコックピットの中で今回の作戦内容を思い返していた。

 先ず、一射目のローエングリンはミネルバが陽動を仕掛けやり過ごし、ラドル隊のレセップス級が敵モビルスーツ部隊に攻撃を仕掛ける。

 次に、アスランのセイバー、ルナマリア、レイのザク2機とシキという協力者のバクゥの計4機でラドル隊への援護と陽電子リフレクターを持ったモビルアーマーを砲台から引き離す。

 その間にシンがコアスプレンダーでローエングリン砲台のすぐ傍まで続いている坑道を利用して敵の砲台に強襲を仕掛けるという作戦である。

 だがその作戦には一つ問題があった。

 それは坑道内には全く光が入って来ずコアスプレンダーのライトとコニールから貰ったデータだけが頼りになるということ。

 先ほどヴィーノにわざわざライトを付けて貰ったが、役に立つかどうかは分からない。

 ハッチが解放される。

 開放されたハッチの向こうに見える景色を見据えて、シンは最後に息を呑んだ。

 

『ハッチ解放、射出システムのエンゲージを確認。推力正常、進路クリアー、コアスプレンダー発進、どうぞ』

「シン・アスカ。コアスプレンダー、行きます!」

 

 

 シンの発進を確認したミネルバは敵陽電子砲に向け陽動を仕掛ける。

 

「上昇。タンホイザー起動、照準の際には射線軸後方に留意、街を吹き飛ばさないでよ。モビルアーマーを前面に誘い出す」

「了解。ターンホイザー起動、照準、敵モビルスーツ群並びに陽電子砲台」

 

 相手側もミネルバの陽電子砲の発射態勢を確認したのだろう。

 予定通りローエングリンとその他のモビルスーツの盾となるため敵のモビルアーマーが前面に躍り出て来る。

 

「撃てぇーーー!!!」

 

 即座にタンホイザーを放つ。

 しかし、陽電子リフレクターが相手ではオーブ沖の戦いと同様、結果は目に見えている。

 ただし、今回のミネルバの役目はあくまで敵の陽動である。

 こちらの攻撃を防いだ連合軍はミネルバにローエングリンを向けて来る。

 

「敵砲台からの照準を確認!」

「機関最大っ、降下! かわして!!」 

 

 そして、つい先ほどまで居た位置を敵の放ったローエングリンが通り抜けて行く。

 一方ミネルバも間一髪で回避した為に船体を砂地へと叩きつけられる。

 

「―――っ、すぐにCIWS、イゾルテの砲門を上空の敵機へ。モビルスーツ隊の援護をして!」

「了解!」

「第一関門は突破したけど、私たちに出来る事はまだたくさん残ってる。各員、決して気を緩めないで!」

 

 ミネルバの今回の大きな目的は無事達成されたが戦いはまだ終わってはいない。

 敵ローエングリンの再発射がされるまでのここからが本当の勝負となる。

 ミネルバクルーたちは帯を締め直すのだった。

 

 

 ミネルバから発進していた私たちは、ミネルバの陽動が終わったのを確認し、すぐに行動を開始した。

 

『レイ、ルナマリア。俺たちも行くぞ』

『『了解』』

『……シキ、だったか……君も宜しく頼む』

 

 アスランからの通信がミネルバのパイロットとシキへと入る。

 現在各機の通信はオープンとなっている。

 

「……了解。指示はそちらに任せる」

『わかった。ルナマリアとレイは後方から援護。セイバーと、バクゥの機動力がある2機で上空と地上の二方向から敵モビルアーマーへと接近、敵を引き離す』

『『了解』』

「……了解」

 

 アスランからの指示が終えると回線は閉じられる。

 それと同時に行動を開始する。

 各機への指示を出し終えると回線は閉じられる。

 それと同時に各々に行動を開始する。

 レイとルナマリアのザクがそれぞれミサイルとビーム砲を放ち敵機を撃墜する。

 その間、隙を縫う様にアスランのセイバーはモビルアーマー形態へ変形し接近していく。

 私もバクゥのビームサーベルとレールガンで近づいてくる敵機を倒しつつ接近していく。

 モビルアーマーへと接近した私は空中にいるモビルアーマーに向かってレールガンを撃ちこむが、当然の如くリフレクターによって防がれる。

 そこに上空より接近したセイバーがモビルスーツへ変形し蹴り落とす。

 地上へと落ちたモビルアーマーに私はレールガンを連続発射する。

 敵機も早々に体勢を立て直し、リフレクターを展開させこれを防ぐ。

 そうして空中へと戻ろうとするが、今度はセイバーのビームの雨が浴びせられ逃げられない。

 セイバーのビームをリフレクターで防御しているところに私は接近していく。

 私が接近していくのを見たのかセイバーはビーム攻撃を止める。

 そして、接近する私に目掛けてすかさずビームを放ってくるが左右に機体を動かし回避、直撃コースに入ったものはビームサーベルで弾いて全て対処し、そのまま懐に入り込み体当たりして敵機を突き飛ばし、モビルアーマーを砲台から距離を離して行く。

 間違っても倒さないようにしながら。

 

 

 「何かあの二人凄すぎない?アスラン隊長もだけど、あのシキって奴も……あれだけの腕を持ってるなんて、傭兵やってるのも肯けるわ」

『ルナマリア、無駄口を叩くな。作戦中だぞ』

 そんな二人の連携を見ていた後方のルナマリアはそう言い、レイはそんなルナマリアに注意した。

「はいはい。でもさあ……あの二人だけで、あのモビルアーマー落とせそうじゃない?」

『それでは駄目だ』

「え?何でよ?」

『あの盾を失えばおそらく敵はローエングリンを隠してしまう。そうなればこの作戦はそこで終わる。シンが出て来るまでアレを撃墜してはいけない。あの二人は今アレを生かさず殺さずの状態にしておく必要がある。その証拠にさっき、あのバクゥのパイロットはビームサーベルではなく機体で体当たりしていた」

「ていうことは何?あの二人、手加減してるってこと?」

『そういうことだ』

 

 アスランもシキも敵のリフレクターを狙ってビームとレールガンを放ち、わざと敵に防御させている。

 いくらリフレクターが鉄壁とはいえ無限ではない。

 あれだけ使用していればエネルギーが無くなるのは目に見えており、こうしておけばシンが砲台へと出てきた後、敵機を撃墜しやすくなる。

 

「何か私たち、いらない子扱いじゃない?」

『……そうでもなさそうだ。ルナマリア』

「ん?どうしたの?」

『予想以上に敵を引き離すのが早い、今砲台の前はガラ空きになっている。これなら長距離射撃で狙えそうだ』

「そういうこと……わかったわ。シンが出てきたときに、もう作戦は終わってましたってのも面白そうだしね」

 ルナマリアはオルトロスの照準をローエングリンへと向ける。

「いくら私が射撃が苦手だって言っても的があれだけ大きければ外さないわ、よっ」

 モビルアーマーが離れてがら空きとなった敵の陽電子砲に向けてビームが一直線に放たれる。

 それを見た誰もが直撃するとそう確信しただろう。

 一機の機影が陽電子砲の前に飛び出てきてビームを防いだ。

『なんだと…』

「うそ……」

 

 ビームを防いだのはアスランとシキが引き付けていたモノとは別の新たなモビルアーマーだった。

 

 

 交戦を続けながらその一部始終を見ていた私は驚愕の表情で砲台前に出現したモビルアーマーを捉える。

 それも一機ではない。

 

「二機の、モビルアーマー…」

 

 私が知る限りこんなことは起こらなかった。

 本来起こることのないイレギュラーが発生している。

 そしてコニールが聞いた噂が本当だったということが証明されてしまった。

 いや、そんなことはどうでもいい。

 重要なのは、このままでは作戦が失敗してしまうということ。

 これではいくら敵のモビルアーマーを引き離している状態でシンが坑道から出てきたところで意味は無い。

 もう新たに出現したモビルアーマーによって奇襲攻撃は全て防がれてしまう可能性がある。

 それに今からもう二機を引き付けようにも、今相手にしているのをすぐに片付けてセイバーと私でそれぞれ一機ずつ相手をする必要があるが、アスランのセイバーは可能でも私のバクゥでは難しい。

 このままでは全て台無しになってしまう。

 ……そんなことにはさせない。

 

「……ゼロが必要になったな」

 

 私はセイバーとの通信を開く。

 

『…どうした?』

「私は一時この戦場を離れる。私が戻るまでの間、何としてもこの場を食い止めてほしい」

『何っ!?お前、自分が何を言ってるのかわかってるのか!?』

「分かってる。だが、アレを何とかする手段を私は持ってる……時間が惜しい行かせてくれ」

『………わかった。だが、必ず戻って来い』

「…了解」

 

 私はバクゥをレジスタンスの基地の方へと向け、バクゥを走らせる。

 走らせながら今度はミネルバへと回線を開く。

 

「こちら、レジスタンス所属のシキ」

『こちらミネルバブリッジ、メイリン・ホークです。どうかしましたか?』

「至急、艦長へと繋いでほしい」

『……わかりました』

 

 少しの間があり、通信先の人物が入れ替わる。

 

『ミネルバ艦長のタリア・グラディスです。一体どうしたというの?』

「ブリッジから砲台は確認できてるな?」

『……ええ、残念ながら見えているわ。………このままじゃ作戦は終わりだわ』

「なら話は早い。私は少しの戦場を離れる。すぐに戻るが、それまで戦線を維持してほしい」

『何を―――』

「すでに、アスラン・ザラから許可は貰っている」

『……なら、何故ここへ連絡をしてきたの?現場での指揮は彼に一任してあるから、彼の許可があれば連絡を―――』

「そうじゃない……頼みたいことがある」

『………何?言って頂戴。どうせこのままじゃ失敗する作戦だもの』

「インパルスが出てきたら追加武装を送ってくれ機動性の高いものがいい」

『……わかったわ』

「それと……間に合わせるつもりだが、陽電子砲の二射目までに戻れるか分からない。だから―――」

『だから、そのときは何とかして欲しい、と?」

「…ああ、そうだ」

『…無茶を言うわね……わかったわ、こちらで何とか対応してみます』

「よろしく頼む。…通信終了」

 

 ミネルバとの通信を切り、操縦に専念しいち早くゼロの元へ向かう。

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