ガンダムSEED DESTINY 飛び立つ翼 作:izuki
デュランダルとの会談から翌日。
私はホテルのダイニングでのんびりと朝食をとりながらここに来るであろうミネルバのパイロット達を待っていた。
朝食といってもコーヒーだけだが。
「ここ、いいか?」
私がコーヒーを飲んでいると声を掛けられた。
そちらに視線を向けるとハイネがいた。
「……構わない」
「んじゃ、失礼して…議長から聞いたぜ、お前、ザフトに協力してくれるんだってな」
私の対面に座ったハイネはそう言ってくる。
どうやら議長からすでに聞いていたらしい。
「ああ、傭兵としてミネルバに同乗することになる」
「俺も今日からミネルバに配属になる。ハイネ・ヴェステンフルスだよろしくな」
「……シキ・クレナイだ。……よろしく」
私たちが挨拶を交わし終えるとそこにシンとルナマリアが訪れる。
二人の姿を捉えたハイネは席から立つと二人のほうへと行き声を掛ける。
「お前達、昨日のミネルバのひよっ子だろ?もう一人とフェイスの奴はどうした?」
「ん?」
いきなり声を掛けられてシンは困惑と誰だろう?という疑問で頭が埋め尽くされて返事ができていない。
「隊長ならまだお部屋にいると思いますよ。何だか朝からとっても楽しそうでしたから」
ハイネの質問に対し、ルナマリアが棘のついた返事を返す。
彼女が何故、不機嫌なのかというと、原因はアスランにあるのだが……まあいいだろう。
私には関係ない。
「―――それでね その兵士の方が私に言うの……」
「それはいいから、少し離れて歩いてくれ」
そこに、今話題に上がっていたアスランがやって来るのが見える。
ラクス・クラインが腕に抱きついた状態で……。
それを見たルナマリアはさらに不機嫌そうな顔になり、ハイネはさっきのルナマリアの言ったことと今のアスランの状況からなんとなく理解する。
シンも遅れながら理解する。
まあ、こいつらの思っていることは全部誤解なんだが。
「なるほどね。分かった分かった、サンキュウ。おはようございます、ラクス様」
ハイネが声をかけたことでアスランがシンたちに気付いて慌ててラク……いや、ミーアでいいや。ミーアを引き剥がす。
「ぁ…あーら、おはようございます」
「昨日はお疲れ様でした。基地の兵士達もたいそう喜んでおりましたね。これでまた士気も上がることでしょう」
「ハイネさんも楽しんでいただけましたか?」
「はい、それはもう」
ミーアとハイネが言葉を交わすしていると彼らの後ろからスーツを着た男、ミーアのマネージャーと思しき人がやって来た。
「ラクス様。ラクス様には今日の打ち合わせが御座いますので申し訳ありませんがあちらへ」
「えーー!?」
ミーアは男の申し出に不満の声を上げる。
「申し訳ありませんが、どうかお願いします」
「……仕方ありませんわね。ではアスラン、また後ほど」
「ああ…はい…」
男がどうしてもと頼みこむとミーアもやむを得ないといった様子で納得し、最後にアスランに声を掛けるとその場を去って行く。
一応、公私は分けるらしい。
「仲いいんだな、結構」
「え?ぁぁ、いやぁ、そんなことは…」
「いいじゃないの、仲いいってことはいいことよ?」
「はい、まぁ…」
「昨日はゴタゴタしててまともに挨拶も出来なかったな。特務隊、ハイネ・ヴェステンフルスだ。よろしくな、アスラン」
「こちらこそ。アスラン・ザラです」
「知ってるよ、有名人」
「ん?」
アスランはハイネの言葉に疑問を覚えるが、ハイネはアスランに声をかけた後その場にいるシンとルナマリアを見ていう。
「この三人と昨日の金髪の全部で四人か、ミネルバのパイロットは」
「ぇ?はい」
「インパルス、ザクウォーリア、セイバー、そしてあいつがブレイズザクファントム、それにあいつのモビルスーツかぁ、…で、お前フェイスだろ?艦長も」
「はぁ…」
ハイネが何を言いたいのか理解できずに首を傾げるアスランたち。
まあ、だろうな。
「人数は少ないが戦力としては十分だよなぁ。なのに何で俺にそんな艦に行けと言うかね、議長は」
「「え!?」」
「ミネルバに乗られるんですか!?」
さも、当たり前のことのように告げるハイネにアスランたちは戸惑いの声を上げる。
「ま、そういうことだ。休暇明けから配属さ」
現在、ミネルバに配備されているモビルスーツはインパルス、セイバー、ザクウォーリア、ザクファントムの4機。
数としては少ないが、どれもがザフトの強力な機体であり、パイロットたち個々の能力も高く、戦力としては申し分ない。
さらに、現在ミネルバにはタリアとアスラン、二人の特務隊が所属している。
特務隊『フェイス』はザフトのトップエリートの証であり一つの部隊の中に複数の特務隊が属することは表面的には良い事の様に思えるがそうではない。
独自の指揮権限を与えられている特務隊が複数名所属するという事は指揮官がその数だけ部隊にいるという事になり、指揮の統一が困難となる惧れが出てくる。
現在はタリアが艦の指揮を、アスランがモビルスーツ隊の指揮を行っている。
役割を分担することで、隊の統制は保たれているがそれが三人になれば統制の乱れとなるのではと懸念される。
「艦の方には後で着任の挨拶に行くが、なんか面倒くさそうだよな、フェイスが三人っては」
「いえあの…」
「ま、いいさ。現場はとにかく走るだけだ。立場の違う人間には見えてるものも違うってね。とにかくよろしくな。議長期待のミネルバだ。なんとか応えてみせようぜ」
「はい、よろしくお願いします」
伝える事を伝え終えるとアスランたちの下から離れて私の横へ来て肩に手を置いてくる。
「お前も、よろしくな」
「「…っえ!?」」
「……もしかして、君も?」
「…傭兵としてミネルバに搭乗することになった。シキ・クレナイだ……よろしく」
私がミネルバに同乗すると聞いてハイネを除くアスランたちが驚嘆する。
当たり前だ、ザフトの軍人でもないような人物が、というか傭兵が、しかも新造艦であるミネルバに同乗して共に戦うなど普通ありえない
しかも、議長からの頼みで、だ。
こんなこと、これまで事例はなかっただろう。
「な、驚くよな。俺も議長から聞いたときは耳を疑ったよ。なんでも議長が頼んだらしい、そうなんだろ?」
「ああ、その通りだ」
「議長が?何故……」
「さあな、私の知ったことではない。この後、艦の方に向かうためここで失礼する」
伝える事を伝ええて私は席から立ち上がり、ダイニングを出て行くのであった。
支度をしてホテルを出た後、私は艦長のタリアに報告をするためにミネルバに移動していた。
そして、その途中で私は気づいた。
(モビルスーツ格納庫と客室?以外移動したことないから艦長室の場所がわからない……てか、コート暑いな後で服を買いに行こうかな……)
どうしたものかと思いながらミネルバに向けて歩を進めていると、ふと、私の前を歩く一人の少女が目に入った。
ザフト軍服を身に纏う特徴的な赤い髪のツインテールの少女、メイリン・ホーク。
ミネルバ所属のオペレーター。
ルナマリアとは姉妹だが、ザフトの赤服でトップエリートでもある姉に引け目も感じており、姉とは対照的に描かれていたキャラクターだった、と記憶している。
それでいて人気が高く、人気投票でも上位に位置していた。
そんな彼女は私と同じ道を歩いている。
この道を通るということは、どうやら彼女もミネルバに向かうようだ。
……ちょうどいい。
私は距離を詰めて後ろから声を掛ける。
「すまない。ちょといいか?」
「ッ!あ、は、はい…」
……後ろから声をかけた私が悪いと思うが、そこまで驚くことはないと思うのだが。
「お前、ミネルバの搭乗員だな。艦長に用事があるんだが艦長室への行き方がわからない。案内を頼めないか?」
「わ、わかりました……」
「よろしく頼む」
メイリンから了承を得てそのまま二人でミネルバへと向かう。
メイリンはこちらをチラチラ見て気まずそうにしている。
「…いいたいことがあるのなら言え」
「え!えっとお……ク、クレナイさんは、艦長に何の用事があるんですか?」
「……後日、改めて知らされるとは思うが、私は傭兵としてミネルバに搭乗し、共に戦うことになった」
「ええ!?」
私の言ったことにメイリンがこちらに振り向き、驚く。
「あっ、すいません…」
「構わない、当然の反応だ。…それと、呼ぶのならシキと呼んでくれ。そっちのほうで呼ばれるのは違和感がある」
「わ、わかりました……」
再び2人の間に沈黙が流れる。
もうすぐそこにミネルバが見える。
「そ、そうだ、シキさんのモビルスーツの機体名称を教えてくれませんか?私、ミネルバのオペレーターなので……」
ふと、メイリンがそう聞いてくる。
話の内容が欲しかったのかどうなのかは知らないが。
……まあ、良いだろう。
どうせ教えるつもりではあったし。
「……ウイングガンダムゼロ」
「ウイングガンダムゼロ……」
「…長ければウイングゼロとでも呼べ」
その後は特に会話もなくミネルバの艦長室へと案内してもらった。
「ここが艦長室です」
「ありがとう」
「いえ、では」
案内してもらったメイリンに礼を言い艦長室へと入る。
挨拶に来ただけだしさっさと終わらせて服を買いに行こう。
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