俺の強化外骨格は完璧で究極なんだよォッ! 作:漢の子
……連邦調査部シャーレ。
どの自治区にも例外なく介入行動を可能とし、様々な問題を解決するための部活。
もっと言えば、つい先日このキヴォトスへやってきた連邦生徒会長直々に指名した先生が、自由に動けるようにするための部活だ。
その噂は、瞬く間にキヴォトス全土へ先生の指揮の手腕と共に広がった。そして、様々な連絡と通信がシャーレに送られるようになったのだ。
……この日もシャーレには、様々な連絡や書類がよこされていた。……それを処理する影もまた一人――他でもない、ミレニアムサイエンススクールの生徒、赤石リョウだ。
「えっと、この書類は……先生の確認がないと取れねぇやつか。これは…………いや、この書類シャーレ関係ねぇじゃん!?パス!」
リョウは一人で迫りくる書類と戦っていた……理由は簡単、本来このシャーレのオフィスの家主である先生が、アビドス学園からのSOSを受けてアビドスへ行ってしまったからだ。
アビドス……砂に埋れた学園で、全校生徒も片手で足りるほどしか居ない学園。そんな学校からのSOSとなっては、先生も無下にできなかったようだ。
リョウは、その間のシャーレに訪れる書類の整理を受け持っているのだ。
……しかしまぁ、書類が多いこと多いこと、就任したてのあの時刻の数日よりかはマシだが、次々と入ってくる書類に目を通すのもやっとだ。
リョウはいつものように気合と根性で増えに増える書類に食らいついているが、正直かなりキツイ。
しかし、先生から頼まれたのであれば途中で投げ出すなど言語道断。リョウはひたすらにその書類の山を片付けている……先生としては、もっとリョウは休み休みやってくれると思ってのことなのだが、ここまで無理をされるとは思ってもみなかっただろう。
すると、不意にシャーレのオフィスのドアが開いた。すると、入ってくるのはセミナーの早瀬ユウカだ。何処かルンルン気分で入ってくる。
「先生!書類の方手伝いに来ましたよ!」
「悪いな、俺先生じゃねぇんだわ。」
「って、リョウ!?先生はどうしたの!?」
「先生なら今アビドスに出張行ってる……俺はその間の書類整理役。」
リョウは今にも死にそうな声でそんな言葉を漏らす……ユウカは、リョウが目の下に隈を作っているのを見てかるく引いてしまう。
「りょ、リョウ……貴方寝てるの?」
「……仮眠は取った。」
「寝なさいよ!?」
「いや、でも書類が……」
「いやいやいや!頼まれたって言っても別に先生全部の書類片付けといてなんて言わないでしょ!?アンタは頼まれたこといちいち全力でやりすぎなのよ!寝なさい!」
ユウカの言葉の通り……リョウは何事に対しても全力だが、今回がそれが裏目に出たようだ。リョウは尚も書類を片付けようと手を動かす。
「いや……でも……」
「早く寝なさい!」
「……うっす。」
リョウはようやく納得したのか、スタスタとソファへと移動してその上にゴロンと寝転がり……気絶するようにいびきを立てて眠る。
「全く……この男は……」
……何時だって人助けに全力なのはいいことだが、それで自分が体を壊していては言語道断ではないか。相変わらずその辺のネジが吹っ飛んだ男だと、ユウカを溜息をつく。
ユウカはミレニアム二年生、リョウとは入学した年は一緒だし、クラスメイトでもあった。その頃から、リョウの噂はミレニアムで立っていた……とんでもないお人好しがいると言う事で
……しかし、そんなリョウを利用しようと言う人間も少なくない。良いようにリョウを言いくるめて、自分に都合よく使おうとするような人間も、嫌なことにミレニアムには居た。
彼は頼まれれば他の自治区にも行っていたので、もしかすればそこでもリョウを利用する人間はいたのかもしれない。
もちろんそれを良しとせずに、そういった悪い虫を追い払うような人間も居たのだが……その人達が居なければ、リョウはそんな彼を都合よく使おうとする人たちにまんまと利用されているのではないかと思う。
盲目的に目の前に手を伸ばす人を救い続けようとする傲慢さに、自分の身を一切惜しまない盲目さ、それは果たして本当に
……正直、ユウカに取っては、只管に人助けに従事するリョウには、人間味を感じられず赤石リョウという男が不気味でならなかった。
「……全く、モモイやミドリ達にいらない心配かけてないでしょうね?」
ユウカは、ゲーム部でリョウの幼馴染と言う双子の事を思い出し、思わず言葉を漏らす。
彼女達と言うストッパーが来てからは、リョウも自分の時間を過ごしているときを見ることが多くなり、よく人間らしい動作も魅せるようになっている。
ユウカが、リョウという男を不気味と思わなくなったのもその頃だ。
しかし、彼女らがいない時はそれはもう……見かける時は全て人助け中みたいな状態だった。正直、ユウカとしてはあまりに見てられなかった。余りにも
少なくとも、ユウカはリョウを高く買っている。彼の技術力は間違いなく天才だ。
人助けだって間違ったことではないし、ヘイローを無い事を言い訳にせず、ヘイローがなくてもやれることを
それに何より、彼が留年するまではクラスメイトでもあった好もある。
だからこそ、リョウを
「……しょうがないわね。私も手伝うか!」
そう言ってユウカは椅子に座り、書類を眺め始め、その整理を始めるのだった。
因みに、寝不足で気絶しかけるほど無理をしたリョウは、アビドスから帰ってきた先生から結構な勢いで叱られた。
ユウカという第三者からみたリョウ。