この素晴らしいRTAに祝福を!   作:あるえぇ?

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今回登場するアイテムには全部元ネタがあります。
答えは後書きに書いておきます。

にしても本当にウィズスクラップヤードはふざけたい時に便利だなぁw


第六話 このスクラップヤードで買い物を!

 「ここが噂の魔道具店か…。」

 

 とある日の昼下がり。俺達はアクセルでそこそこ有名らしい魔道具店に訪れていた。だが有名になっている理由はどうも品揃えがいいとかではないらしい。

 

 受付嬢のルナさん曰く、その魔道具店には売れるわけがない魔道具しか置いておらず、結果的に店主は年がら年中貧乏だそうな。しかしながらその店主、冒険者の頃は『氷の魔女』の異名で知られていたアークウィザードだそうで、街の人々からは慕われているとのこと。

 

 「カズマくんカズマくん。「カズマです。」どうせ買えるようなものはないのにどうしてこの店に来たのさ?」

 

 「ここの店主は凄腕のアークウィザードなんだろ?ここらで一度会っておけばいざって時に助けを借りることが出来るかもしれないだろ?」

 

 「本音は?」

 

 「年中貧乏になるレベルの魔道具店なんてそうそうないから見てみたい。」

 

 「怖いもの見たさというやつか。とはいえ私も噂は聞いていたものの、どれほどなのかは知らないからな。正直に言うと興味がある。果たしてこの店には私を辱めるような魔道具もあるのだろうか…ハァハァ…」

 

 「興奮すんな!」

 

 「し、してない!」

 

 「2人ともねぇ…まあかくいうあたしも盗賊として未知の場所は気になるけどさ。」

 

 なんやかんやこの3人は良くも悪くも好奇心旺盛なのであった。

 

 「とはいえ流石にこれ以上店の前で話してるのもアレだし、そろそろ店に入るか。」

 

 『だね/だな。』

 

 俺は店の入り口のドアノブに手をかけ、ゆっくりと開いた。

 

 「いらっしゃいませ!ウィズ魔道具店へようこそ!」

 

 中に入ると店主と思わしき女性が威勢よく話しかけて来た。氷の魔女って呼ばれてたくらいだしきつい性格をしていたりするのかと思ったが、意外と穏やかな性格っぽいな。…それにしてもこの店主、なかなかのものを持っているな…!?

 

 「痛い痛い!なんで俺の手をつねるんだよ!?」

 

 「…むー!」

 

 突然クリスが頬を膨らませながら俺の右手をつねってきた。

 

 「あのクリスさん!何が悪かったのかはわかりませんがこれ以上は俺の皮膚が千切れかねないので離していただけませんか!?」

 

 俺がそういうとクリスは頬を膨らませたままではあるがつねるのをやめてくれた。

 

 「あたしだって…大きくしようと頑張ってるのに…。」

 

 何を言っているのかは聞こえなかったが、クリスは頬を膨らませたままブツブツ言っている。ダクネスはというとそんなクリスを慰めるかのようにクリスの背中を優しく叩いていた。

 

 「仲がいいんですね。」

 

 「仲がいい方なのは認めるが、本当になんでいきなりつねられたんだ…。」

 

 「私もちょっとわかりませんね…。」

 

 少し考えればわかる気もするが、比較した男と比較対象の店主はこういうところは鈍感なので結局モヤモヤしたままなのであった。

 

 

 ◇

 

 

 「ところで本日はどのようなご用件で?」

 

 「っとそうだった。実は他の冒険者とかからこの店は商品がアレだから年中貧乏だって聞いて逆に興味が出て来たから来てみたんだ。」

 

 「確かに私は貧乏ですが…これでも精一杯働いているんですよ?それにこの店の商品は素晴らしい魔道具だらけなんですから!」

 

 そう言って店主…もとい氷の魔女ことウィズは店の奥から魔道具やポーションの入った箱を持って来た。

 

 「例えば…このポーションはほんの少しでも飲めば知力や身体能力がどんどん上がる優れものなんです!」

 

 「飲むだけでか?それはすごいな。デメリットとかはあるのか?」

 

 「これを売ってくれた方によると、体の構造が変わるわけではないので、やがてその変化に体が耐えきれなくなって死んでしまう可能性がかなり高いそうです。でも絶対じゃないそうなのできっと大丈夫です!おひとついかがですか?」

 

 「いるか!そんな危険なもん!」

 

 「えぇ!?」

 

 ウィズは驚いているが、どう考えてもメリットとデメリットが釣り合っていない。

 

 「で、でしたらこれはどうでしょうか?」

 

 次にウィズは非常に奇妙なデザインの鎧を取り出した。

 

 「これは?」

 

 「『巨人の鎧』という祝いの品だそうです。これを装備すると戦闘中は魔力以外のステータスが非常に高くなるそうです!」

 

 「効果はすごいが…欠点は?」

 

 「一度装備すると外せなくなります。強いて言うなら鎧の効果が出るのは戦闘が始まってから5時間後で、それまでは魔力以外のステータスが半減するそうですが、それまで耐えればいいだけなので何も問題は…」

 

 「問題しかねぇよ!というかそれ祝いじゃなくて呪いの品の間違いじゃないか!?」

 

 そんな呪いじみた効果を持つ装備で5時間保つわけない。

 

 「これもダメですか…。ならアレならどうでしょう!」

 

 ウィズは再び店の奥に入り、ヨイショヨイショと直径1m程もある大きな鉄の塊を引きづり出して来た。

 

 「それは…鍋か?」

 

 「いや、これは俺のせかゴホンゴホンッ!故郷で昔よく使われていた釜っていう調理器具だ。それにしても随分とデカい…な?」

 

 ここで俺はこの大釜のおかしな点に気づいた。

 

 「なぁウィズ。なんでこの釜には御札が貼ってあるんだ?」

 

 「御札…?そんなものどこに…」

 

 「この紙切れのことだよ。」

 

 そう言って俺は大釜の蓋の側面部を指差す。そこには古ぼけているが間違いなく漢字の『封』と書かれている3枚の紙が貼ってあった。

 

 「ウィズ達は読めないのかもしれないが、この御札には俺の故郷では閉じ込めるとかの意味がある文字が書かれているんだ。」

 

 「…ということは、この釜は何かを閉じ込めているってことなのか?」

 

 「もしそれが真実ならかなりやばいけど…。ちょっとだけ剥がしてみようか。」

 

 そう言ってクリスは慎重に御札をちょっとだけ剥がした。…その時だった。

 

 『ドオオオオオオオオルアアア!!!』

 

 大勢の人間の悲鳴にも怒声にも似た雄叫びと共に恐ろしい凄まじい邪気が大釜から放たれた。

 

 「ほえぇぇぇ!?」

 

 「ク、クリス!早く御札を貼り直せ!」

 

 「う、うん!」

 

 クリスが急いで御札を貼り直すと、まるで何事もなかったかのように雄叫びと邪気の放出が止まった。

 

 「よ、よかった…。」

 

 「ああ…流石の私も肝が冷えたぞ…。」

 

 「い、一応お聞きしますが…」

 

 「こんなもん買うわけないだろ!?これは店の奥で厳重に管理しておけ!」

 

 「は、はいっ!」

 

 

 その後ウィズは他の商品も持って来たが、案の定碌なものではなかった。というわけで帰ろうとしたのだが…

 

 「お願いします!なんでもいいので何か買ってください!今月は本当にまずいんです!」

 

 とウィズに泣きつかれたのでまだ使い道がありそうな『爆発するポーション』をいくつか買って、俺達は店を後にしたのだった。




・ほんの少しでも飲めば知力や身体能力がどんどん上がるポーション
 元ネタは「SCP-207 Cola Bottles」
 オブジェクトクラスはSafe。
 このオブジェクトを摂取した者は休息を必要としなくなることに加え、摂取した者の運動、反
 応、精神機能が一次関数的に上昇していくようになる。ただし肉体は変化しないので、生理機能
 等の活動量の増加に体が耐えきれず死んでしまう。

出典元:https://scp-wiki.wikidot.com/scp-207
作成年:2010年
この話で登場したポーションは"Aeish"作「SCP-207」の設定に基づきます。(CC-BY-SA3.0)

・巨人の鎧
 元ネタは「ポケットモンスター」シリーズより「レジギガス」
 このポケモンは伝説のポケモンに分類されるだけあってステータスが非常に優秀なのだが、特性「スロースタート」によって5ターンの間とくこう以外のステータスが半減してしまうという、伝説のポケモンとしては致命的な欠陥を抱えている。

・封印された大釜
 元ネタは「妖怪ウォッチ」シリーズより「どんどろ」
 この妖怪の体はかつて大きな戦争で散った妖怪達の魂で出来ている。昔その強大な力をもって妖
 魔界を襲撃し、当時の妖怪たちが全身全霊をかけてムゲン地獄の底に封印したという。どんどろ
 の存在は生まれと行いも含め、まさに黒歴史と言っても過言ではなく、その名を語る事すら禁句
 とされている。
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