この素晴らしいRTAに祝福を!   作:あるえぇ?

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前回から長い時間経ってしまい大変申し訳ない…。
お詫びに第八話は当初の構想を変更してカズクリをお届けいたします。


第八話 この新拠点で新生活を!

 屋敷の悪霊退治をしたことで正式に屋敷を譲ってもらえた日の翌日。カズマとクリスはアクセルの商店街に買い物に来ていた。

 というのも元々屋敷にはソファや暖炉は備えつけてあったのだが、食器とかの小物は欠けてたりなかったものも多かったのだ。

 

 「にしてもダクネスが今日実家に帰っているのは辛いな。アイツ力持ちだから色々持ってもらおうと思ってたんだが。」

 

 「まあ今日買うものはそんなに重くないはずだし大丈夫じゃないかな?」

 

 「それもそうか。」

 

 なお、実際はカズマとクリスだけで買い物(という名のデート)をさせるためにダクネスが吐いた嘘なのだが、二人はそんなこと知る由もない。

 

 

 ◇

 

 

 目的のものを全て購入し終えて、特にやることもないので屋敷に帰ろうとしたとき、ふと向かいのアクセサリーショップがあたしの目に止まった。

 

 「…ねぇカズマくん。ちょっといいかな。」

 

 「ん?どうしたんだクリス?」

 

 「えっと…帰る前にあのお店にちょっと寄ってみたいんだけど…いいかな?」

 

 「別に構わないが……普段からそんな格好しかしてないのにクリスもオシャレとかするのか?」

 

 「するよ!?あたしだって女の子なんだからそれぐらいするよ!?カズマくんはあたしをなんだと思っているのさ!?」

 

 「パンツスティール師匠。」

 

 「ひどくない!?ねぇひどくない!?取り消してよ!今の言葉!」

 

 クリスはプクーッと頬を膨らませて俺に抗議してきた。でもクリスみたいな美少女は怒り顔も可愛いから全然怖くないんだよなぁ。

 とはいえひどいこと言ったのは間違いないので素直に謝ることにする。いい人を過剰にイジる趣味は俺にはないからな。

 

 「悪い悪い。流石に今のは冗談だって。」

 

 「むぅ…。」

 

 うーん。まだご機嫌斜めらしい。…なら物で釣ってみるか。

 

 「しょうがねぇなぁ…。じゃああの店でなんか気にいったのがあったら一つだけ買ってやるから、それで許してくれ。」

 

 「…その作戦に釣られてあげるのは今回だけだからね。」

 

 どうやらクリスには俺の魂胆はお見通しだったらしい。とはいえひとまずは許してもらえたのでOKである。

 

 

 ◇

 

 

 店に入ると色とりどりの精巧なアクセサリーがところ狭しと並べられていた。

 だがやはりというか、どれもなかなかにいい値段がするものばかりだ。

 

 「『高純度マナタイトのペンダント』一つ100万エリスって…ここもしかしてとんでもない高級店なんじゃねぇの?」

 

 俺が先程の軽率な発言を後悔していると、クリスが何かを手にして話しかけてきた。

 

 「ねぇカズマくん。これ欲しいんだけど。」

 

 そう言ってクリスが見せてきたのは、四葉のクローバーを模した鮮やかな緑のペンダントだった。

 

 「…ちなみにいくらだ?」

 

 「3万エリス。」

 

 3万…意外と安いな。このくらいなら普通に買ってやれるな。

 ただ…

 

 「なぁクリス。なんで同じ物をもう一つ持っているんだ?」

 

 そう。何故かクリスは同じペンダントをもう一つ持っているのである。間違いなく俺は『一つだけ』と言ったはずなんだが。

 

 「えっと…その……せ、せっかく買ってもらうならどうせならカズマくんとお揃いにしたいかな…って。」

 

 「…えっ?」

 

 今こいつなんて言った?俺とお揃いにしたい?なんでいきなりそんなことを……

 ……もしかしてクリス、俺に気があるのか?顔真っ赤にしてるし。

 …いやでもクリスに限ってそれはないだろ。そもそも俺クリスに惚れられるようなこと何一つしてないし。むしろクリスに頼りっぱなしで迷惑かけてるし。

 

 「…ダメかな?」

 

 ヴッ…そんな顔で見つめられると非常に断りづらいんだが…

 

 「……。」

 

 「……。」

 

 「…はぁ。しょうがねぇなぁ。今回だけだからな?」

 

 少し沈黙の時間があったが、結局俺はクリスのお願いを断りきれず、ペンダントを二つ購入したのだった。

 

 

 ◇

 

 

 その日の深夜。あたしは自室のベッドに寝転んでめちゃくちゃ悶えていた。それはもう盛大に。

 

 「うわぁぁぁぁぁぁ……///」

 

 付き合ってすらないのにカズマくんにペンダントをお揃いで買わせてしまったことに対する申し訳なさと、カズマくんとお揃いのペンダントを手に入れたことに対する嬉しさ、そしてカズマくんにおねだりをしたことに対する恥ずかしさが複雑に混ざりあって思考がぐっちゃぐちゃになる。きっと顔はあの時より遥かに真っ赤っかになっているんじゃないだろうか。それを裏付ける様に、冬なのに服を脱ぎたくなるほど身体中が熱く、深夜にも関わらず全く眠くならない。

 

 「あうぅ…。カズマくん…いつの日か絶対あたしを堕とした責任とってもらうからね…!」

 

 その後も身体中の火照りは引かず、興奮しっぱなしで眠れなかったので、最終的には自分はなんて下品な女神だと思いつつも、誰にも…特に隣の部屋のカズマくんには絶対聞かれたりしない様に気をつけつつ数時間ほどの間快楽を貪ることでどうにか気分を落ち着かせて眠ることができたのであった。




☆おまけ☆
・四葉のクローバーのペンダント
幸運の女神である自分と人間の身で自分に匹敵する幸運値を持つカズマにピッタリだと思ってクリスがチョイスした品。実は若干ではあるが幸運が上がる効果もある。

・バレバレの隠し事
カズマが好きなことをクリスは隠しているつもりだが、よく街中とかでカズマを無意識に目で追っていたりカズマと話している時は無意識に上機嫌になっているため、カズマ以外の他の冒険者や街の人々には薄々勘づかれている。
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