やはり俺のアルドノア・ドライブはまちがっている。   作:ユウ・ストラトス

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第2話

「比企谷先輩」

 

特別棟に向かう途中で声をかけられる。いつもなら無視するところなんだが、今しがたこいつの姉にやらかしてきた所だ。

ここは次の訓練でのダメージを増やしかねない行動は避けるべきか。そういや下の名前なんだっけ?

 

「なんだ?界塚いま、いあ?いな~、界塚弟」

「伊奈帆です。いい加減、憶えてください。」

 

おお、こいつも怒るんだな。真顔のままだけど

いつも無愛想というか感情の起伏が極端に低いから、無感情なのかと思っちゃうんだよ。

 

「あぁ、悪い。で何だ?」

「ペニビ、いえユキ姉しりませんか?電話に出なくって」

 

お前、自分の姉をこんなとこで怠惰の女神ペニビア扱いか

無表情で結構お茶目なこと言ってんな。

 

「さっきまで軍事教官室に居たから、そこじゃねぇか」

「そうですか、ありがとうございます。」

 

成績も学年トップで冷静沈着で家事も完璧で家族想い、ハイスペックが過ぎるな。

たしかにこんなのが幼馴染で俺が女だったら、勘違いで告白して振られるまで見えるわ。って、振られるのかよ。

でも冷静沈着というか、顔に出ないからアプローチの効果があるかわかりにくいんだろうな・・・憐れ網文

 

「それで、ユキ姉の依頼の件ですが」

 

そういや、界塚准尉の怠惰をどうにか出来ないかって依頼を前に受けてたな。

色々やったが、今は経過観察って事になってるんだよな。

 

「あぁ、うちの氷の女王様が判断することだけど・・・無理じゃね?男作る気があるのかも疑わしいが、あのまま受け入れてくれる人を探す方が建設的だと思うが」

 

もっとも、私生活があそこまでとなると仕事している人間には厳しいな。家事何にもできないもんな・・・当時はガハマさん程じゃなかったが・・・

 

「いえ、僕もこんな義兄は要りませんから」

 

ん?一体誰のことを言っているんだ?

ってか、界塚准尉に可能性のある相手っているのか!そっちの方が驚きだよ!まだ今年10大のニュース1位確定だよ。

 

「先輩の為でもあると思うんですけど」

 

界塚准尉の恋人候補がどう俺に係わるってんだ?あぁ、問題解消しないとうちの女王様のご機嫌が酷いですもんね。そうなると俺への罵倒の温度がさらに冷たくなるんだろう・・・たしかに俺の為だな、納得

 

「まぁ、考えとくよ。うちの部長の判断次第だが」

 

あの慎ましい胸先三寸ってのは何とも頼り無いが、うちにはアホの核弾頭クラスの胸先三寸があるから・・・今頃、ゆるゆりが部室では始まっているのだろう。俺は存在を認識されないからね。アッカリーン

 

「わかりました。依頼の件は期待して待ってます。」

 

ほんとこいつは、なんか掴み所が無いな。誰かさんと違って、余計な気遣いだとか舐めた憐れみとが無いのと、頭が良いのだろう基本的にこっちの意図にを察するから話し易くはある。

もっとも、こっちの裏の思惑にも気が付いてくるところはやりにくいんだけど・・・まじでハイスペックだな、界塚弟

 

「あぁ、そうしてくれ。」

 

年下と言えど、こいつなら・・・いや、これも勘違いだな。

 

「それじゃ、失礼します。」

 

頭を下げ、軍事教官室の方に歩いていく界塚弟

俺も改めて部室に向かって歩き出す。

まぁ、ちょっと真面目に界塚准尉の対応を考えておくか・・・あの人、下手すると平塚先生みたいになりそうでマジで心配

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で今、俺は部室の前に居るんだが・・・

 

「何この地獄の門・・・・」

 

ドアを開ける前から、明らかに冷たいオーラが漏れ出てるんだけど、氷の女王様は激おこなの?それともプンプン丸まで行ってるの?遅れただけでそこまで怒るの?

あまりの冷気に濃霧まで見えるレベル

なに、ここ稲羽市?もしくはテレビの中なの?俺、メガネ持ってないから濃霧のままだよ。イザナギとかも出せないと思うよ。やはり、さっきペニビアにベルベットルームに連れて行って貰うべきだったか・・・

 

まぁいい、どの道、罵倒不可避なんだからさっさと済まそう。

 

ガラッ

 

「うっす」

「・・・・・」(氷の視線)

「・・・・・」ムーーーッ

 

あれ、ここ南極?ドア一枚でどんだけ体感温度下がるんだよ。血液凍っちゃうよ?

 

「あなたはまともに挨拶も出来ないのね。ごめんなさい、腐った言語しか持ち合わせて無かったわね。」

「おい、腐った言語ってなんだ。そんなの聞いたことねぇよ」

 

頭からクライマックスですね。席に着くまでに開幕右ストレートですか。

それとガハマさん、そんなに睨まなくても・・・顔がフグみたいになってますが

 

「それで遅刻谷君は、こんな時間までいったい何をしていたのかしら」

「おい、由比ヶ浜。俺、さっき鞠戸大尉に呼び出されているって言ったよな」

 

何のためにわざわざ教室の外で待ってまで伝えたんだよ、との思いを込めて言ってみるが

 

「しらない。ヒッキーのバカ」

「えー」

 

えっと雪ノ下はいつもの事だけど、何で今日は由比ヶ浜まで激おこなの?俺なんかした?

 

「そうね、あなた以外に原因があるわけないでしょ、痴漢谷君?」

 

毎度のことながらナチュラルに心読むのやめて頂けません?それと痴漢なんてした覚えがないんですが

 

「あら、さっきまで界塚准尉の頭に触れていたそうじゃない?十分に通報事案ものだわ。」

 

だから、心読むのやめなさい。

 

「何でついさっきの出来事を知ってるんだよ。俺、盗聴器でも付けられてるの?」

「そんなの付けないし!さっきユキちゃんからメールが来たの!」

 

あのガハマさん、そんなに勢いよく立ち上がると乳トン先生もビックリなバインがダブルでバインバ・・・・うんやめておこう。雪ノ下の目が絶対零度を超えそうだ。

 

「ユキちゃん、ヒッキーに「今度の軍事訓練覚えときなさい」って!」

 

あ~ですよねぇ・・・・めっさ、パクパクプルプルしてたもんなぁ・・・・・ほんとあのブラコン、そんなんだから弟に怠惰の女神ペニビアと陰で言われるんだよ。

 

コンコン

そんなとき、ドアがノックされる。

あぁびっくりした。界塚准尉がプランCで屠りに来たのかと思ってビクッってなったわ。

これで界塚准尉じゃなければグッドタイミング!何とか有耶無耶にできる!

 

「どうぞ」

 

雪ノ下に促されドアが開く

 

「失礼します。雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩」

 

ちょっと、俺もいますよ。ナチュラルに存在するをスルーされる俺、まじステルス

 

「あ~韻ちゃん、やっはろー」

「こんにちは、網文さん」

 

網文韻子、確か界塚弟の幼馴染だったな。

夏前に界塚准尉のだらしなさをどうにかして欲しいと依頼してきて以来、試験前になると部室を訪れ学科対策を雪ノ下に聞いている。まぁ、おおかた愛しの界塚弟に構ってもらいたくt・・・

 

「比企谷先輩、ユキさんの前にこの場で殴られたいんですか?マゾなんですか?」

 

だから、なぜに女性陣は心を読むスキルを標準装備してるの?それと、お前もさっきの事案知ってるの?怖いし怖い・・・あとこわい。

それに、ほんと声が戸塚そっくりだから対応に困るんだよ、こいつ

戸塚にそんなこと言われたら百錬自得とか才気煥発以外の開けちゃいけない扉を開けちゃいそう

 

「そこのゾンビは放っておいて構わないわ。それで今日はどうしたのかしら?学科対策ならこの前やったと思うのだけれど」

「あっはい、ちょっと依頼を」

「依頼?」

 

由比ヶ浜はキョトンと首をかしげるが、なんか犬っぽいな。

 

「はい」

 

網文はそう言って椅子に座るが、こいつの依頼って事は・・・

 

「界塚弟に告るから手伝えってか?」

「えっ、そうなの?韻ちゃんついに」

 

「はぁ!?ちょ、なんでそうなるんですか!!」

網文が飛び掛らん勢いで立ち上がる。いや、あなたも結構なモノをお持ちなんだからね。万乳引力すげぇな

 

「・・・・」

 

ちょっと、雪ノ下さん

ほんとに視線で凍死しそうなんですけど

仕方ないじゃないですか。万乳引力の法則を振り切るのは健全な男子には不可能だからね。

 

「違うの?だってお前、界塚弟狙ってるんだろ?」

 

網文はゆっくりと拳を握り、とても爽やかな笑顔で左手で右拳をポキポキ鳴らしながらこちらに近づいてくる。そして拳またゆっくりと振りかぶる。って、オイ

 

「ストップストップ!韻ちゃん、さすがに武道行使はまずいって!」

「由比ヶ浜さん、武道ではなく武力行使よ。それと網文さん、そこの男は基本的に変態だから殴っても喜ぶだけよ。」

 

本日もアホの子は通常運転ですね。それと雪ノ下、俺は断じて変態ではない。

声高に叫びたい所だが言ったところで何十倍にもなって返ってくるのだろう。ここは古典部の折木くんを倣って、省エネで行くのが最終的なダメージは少ないだろう。

 

「ぐぬぬぬぬぬっ」

 

雪ノ下の説得が効いたのか何とか網文も拳を収めてくれた。一応、あとで変態に関しては反論しておこう。

 

「それで依頼は何なのかしら?」

 

居住まいを正して網文は答えた

 

「はい、今日この後、火星のお姫様がこの近くでパレードするのはご存知ですよね。」

「えぇ、正確には親善大使としていらっしゃるみたいね。そのために朝から街中の警備が強化されてるわね。」

「へ~そうなんだ~お姫様かぁ」

 

そうか、だから街中ピリピリしてたのか。

 

「あーだからか、学校着くまでに5回も職質されたのは・・・・」

 

「比企谷君・・・」

「ヒッキー・・・」

「比企谷先輩・・・」

 

やめろ、なんか憐れな蟻を見るような目で俺を見るな。

 

「憐れんでないわ。話の腰を折らないでちょうだい。」

 

「むぅ、悪かったよ」

もういい、今日は心を読まれる日なんだな?ふて腐れてやる。

 

「それ以上、腐りようがないでしょ」ハァ

「で、で、そのお姫様のパレードあるんだ。お姫様見たい!お姫様!」

 

ガハマさん、お姫様って単語に反応し過ぎだからね。

「警備部からの要請で交通整理をしなくちゃならなくて、猫の手も借りたい状況なんですよ」

 

「・・・ネコ」ボソッ

ちょっと雪ノ下もブレずに猫に反応し過ぎだからね。

 

「事情は分かったわ。それで人手を借りたいって言うのが依頼なのね。」

「はい、お願いできますか?」

 

顎に手を当て考えるが、もう俺は嫌な予感しかしねぇ

 

「本来であれば、奉仕部の理念から少しズレてしまうのだけれど」

「えーっ、ゆきのん。お姫様見てみたいよ」

「由比ヶ浜さん、それこそ本末転倒よ。交通整理なのだから見てる暇はないわ」

「う~ん、そっか~」

 

ほんと最近、由比ヶ浜に甘々ですね雪ノ下さん?

 

「やっぱダメですか?」

 

おい、網文

ダメ元なんてものは大概時間の無駄だからやめとけ。余計な時間を喰ってしまったじゃないか。

 

「受けないなら、今日はもう帰っていい?」

「来た早々帰る気だ!」

「いいえ、うちの備品たる比企谷君が網文さんに不快な思いをさせてしまったのよ。そのお詫びはしなくてはならないわ。だから、その依頼今回に限り受けるわ」

 

あぁ、俺備品だったんですね。ついに無機物になったのか~(遠い目)

 

「ありがとうございます。それじゃ配置なんかについて説明しますので生徒会室に、平塚先生もいますんで」

 

って平塚先生がかかわってるんならどの道、受ける事になるんじゃないか。最初っからそう言えよ、網文

 

はぁ、やっぱ受ける事になるのか・・・何となく嫌な予感がするんだよな・・・街中のピリピリした感じの中に気持ち悪い視線を感じたんだよな。

 

「はぁ、働きたくない」

 

こうして俺はあの街であの事件に遭遇する。

 

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