僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

12 / 34
今回は障害物競争です


エピソード 10

 

相澤の告知から二週間後、遂に雄英体育祭の日となった。生徒達はスタジアムの控室で開始時刻になるまで待機している

 

「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」

 

「コスチューム着たかったなー」

 

「公平を期すために着用不可なんだよ」

 

コスチュームが使えないことに不満を口にする芦戸に尾白が諭す。因みに皆飯田をシカトしている。この中で一番緊張しているであろう緑谷は胸に手を当て心を平静にしようとしていると

 

「緑谷」

 

そこに轟が声を掛ける、爆豪も反応する

 

「轟くん・・・何?」

 

「客観的に見ても、実力は俺の方が上だと思う」

 

「へ!?うっ、うん・・・」

 

前置き無しでそう言われ流石の緑谷も驚いている、第三者から見れば氷を自由自在に操れ面制圧に優れる個性の轟と超パワーであるが負傷のリスクが付きまとう緑谷とでは総合的に轟が上回っているのは事実だ

 

「おまえ、オールマイトに目ぇ掛けられてるよな。別にそこを詮索する心算はねぇが・・・お前に勝つぞ」

 

「おお!?クラス最強が宣戦布告!!??」

 

上鳴は轟のいきなりの挑戦発現に驚く、すかさず切島が轟の肩に手を置いて仲裁に入る

 

「急に喧嘩腰でどうした!?直前に止めろって・・・」

 

「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だって良いだろ」

 

切島の言い分も最もではある、轟の発言で少なからず場の空気が張り詰めている。だが轟の言い分も的を射ている、雄英の体育祭は団体競技の種目があるが殆どは個人競技であり今回の観客はプロヒーローがとても多い。自身を売り込むには上に立つ必要がある

 

「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのか・・・は、わかんないけど・・・そりゃ君の方が上だよ。実力なんて大半の人が敵わないと思う・・・客観的に見ても・・・」

 

緑谷も自身と轟の実力差を十分に理解している。分析力に優れているなら尚更である

 

「緑谷もそーゆーネガティブな事言わねぇ方が・・・」

 

「でも・・・!!」

 

切島がフォローしようとしたが緑谷の声が遮る

 

「皆・・・他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ、僕だって・・・後れを取るわけにはいかないんだ・・・僕も本気で、獲りに行く!」

 

緑谷の脳裏には敵情視察で出会った普通科の生徒とB組の不敵な生徒の姿が過る

 

「・・・おお・・・」

 

「・・・っ」

 

轟は緑谷からも布告を受ける、元よりわかっていたのだろうか返事をする。爆豪はその光景を鋭い目つきでみていた

 

「それとおゝとり」

 

「ん?何かな?」

 

轟はテーブル付近で立っていたおゝとりに向き直る

 

「お前にも挑戦する、実力はUSJのでわかっているが。それでも超えるべき壁だと考えている」

 

轟はそれだけ言うと先に控室を出て行った

 

「おゝとり、緑谷もそうだけど轟に目付けられちまったな・・・」

 

「余り気負い過ぎないほうがいいぞ」

 

砂籐と障子がフォローをしてくれる、口田も何度も頷く

 

「ありがとう、でもこういう大会は必然的にライバル関係が出来てしまう物だよ。将来にも響くなら尚更、平常心で臨むよ」

 

 

それから間もなく、スタジアムの各選手入退場口に生徒達が待機する、プレゼント・マイクが司会進行を務める

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはと鎬を削る年に一度の大バトル!!どうせテメーらアレだろ!?こいつ等だろ!!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!」

 

マイクが指差す先の出入り口から緑谷達が入場してくる

 

『ヒーロー科!!1年A組だろおおお!!??」

 

「わあああ・・・人がすんごい・・・」

 

「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか・・・!これもまたヒーローとしての素養を身に着ける一環なんだな」

 

プロのヒーローになれば必然的に人目にもメディアにも露出する事になる、それに慣れるための訓練としての側面があると飯田は分析する

 

「めっちゃ持ち上げられてんな・・・なんか緊張すんな・・・!なぁ爆豪!!」

 

「しねぇよ。唯々アガるわ」

 

切島もこの大観衆を相手に流石にソワソワしているが爆豪は全く動じていない。平静を保てるのも爆豪の才能の一つである

 

「お・・・おゝとりくんは落ち着いてるね・・・すごいよ・・・」

 

心臓がバクついている緑谷が横で歩いているおゝとりに感心する

 

「いや、違うよ緑谷君。実はというとかなり緊張してる、顔に出してないだけ」

 

(あ、なんか声に余裕がない)

 

緑谷が心の中でそう呟いた、実際表に出さない様に無理して頑張ってるだけであった

 

「選手宣誓!!」

 

「おお!今年の1年主審は18禁ヒーロー“ミッドナイト”か!」

 

「校長は?」

 

「校長は例年3年ステージだよ」

 

観客のプロヒーロー達がざわつく

 

「18禁なのに高校にいていいものか」

 

「いい」

 

常闇が疑問を呈するがまあ行くとこまで行っているので野暮というものだ。峰田はいつも通り

 

「静かにしなさい!!選手宣誓!!」

 

地獄耳なのだろうか、鞭を鳴らしながら代表を呼ぶ

 

「1-A爆豪勝己!!」

 

呼ばれた爆豪はポケットに手を突っ込みながら台に進む、文句を言わない当たり変に真面目である

 

「え~~かっちゃんなの!?」

 

「あいつ一応入試一位通過だったからな」

 

緑谷が驚くが瀬呂の言い分からすれば最優秀者が代表として選ばれるのは不思議な事ではない

 

「せんせー」

 

演台に上がった爆豪、嫌な予感しかしない

 

「俺が一位になる」

 

「絶対やると思った!!」

 

切島もなんとなくわかってたのだろう、他の科からブーイングが巻き起こる

 

「調子乗んなよA組オラァ!!」

 

「何故品位を貶めるような事をするんだ!!」

 

「ヘドロヤロー!!」

 

飯田が頭を抱える、ヘイトが更に集まる

 

「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」

 

爆豪はそんな事気にしていないのか首を掻き斬るジェスチャーをして演台から降りる。だが緑谷はそれを真剣に見つめていた

 

「さーてヘイトも十分集まった所で早速第一種目行きましょう!」

 

「雄英って何でも早速だね」

 

麗日がつっこむ中ミッドナイトの後方から大型の立体映像が映し出される

 

「所謂予選よ!毎年此処で多くの者が涙を飲むわ!!さて運命の第一種目!!今年は・・・コレ!!!」

 

立体映像には障害物競争を表示される

 

「障害物競走・・・!」

 

「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4キロ!我が校は自由さが売り文句!コースさえ守れば何したって構わないわ!さぁさぁ位置につきまくりなさい!!」

 

ゲートが開きスタートランプの付いたアーチが現れる。生徒たちはそれぞれ位置について構える、ランプが点灯し始める

 

(どうするか・・・見た所出入口が予想以上に狭いな・・・やってみるか)

 

健が思考しているとランプが青に全点灯してブザーがなった

 

『スターーーーート!!!!』

 

それと同時に全員が走り出すも案の定狭すぎてすし詰め状態になる。その先頭を抜け出して走る者が1人、轟である地面を凍らせて後続を足止めしつつトップに立つ

 

『さ~て実況していくぜ!解説アーユーレディ!?ミイラマン!!』

 

『無理矢理呼んだんだろうが』

 

プレゼントマイクが早速実況を始める、その横では相澤が無理矢理解説役として座らされていた。本人はかなり不服そうだが

 

「甘いわ轟さん!」

 

「そう上手く行かせねぇよ半分野郎!!」

 

八百万が個性で棒を作り棒高跳びの要領で、爆豪が爆発で飛行しながら集団を飛び越える。A組の他のメンバーも機転を活かし凍り付いた地面と集団を乗り越える

 

「クラス連中は当然として思ったより避けられたな・・・」

 

轟もA組がこんな所で止まるわけがないと薄々気づいていたのか振り向きながら走る

 

「轟の裏の裏をかいてやったぜ!ざまあねってんだ!喰らえ!オイラの必殺・・・」

 

峰田が飛び出し個性のもぎもぎを使って轟を足止めしようとした

 

「GRAPE・・・」

 

峰田の横からアームが飛び出し殴り付けられ横方向に転がっていく

 

「峰田くん!?」

 

『ターゲット・・・大量!』

 

「入試の仮想敵!!?」

 

選手達の前に仮想ヴィランが現れる

 

『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め・・・』

 

轟の目の前に見上げるほどの巨体が現れる

 

『第一関門ロボ・インフェルノ!!』

 

「入試ん時の0Pヴィランじゃねえか!!!」

 

「多すぎて通れねぇ!!」

 

超巨大に仮想ヴィランがコース一杯に群がっている。その足元では1Pの仮想ヴィランが待ち構えている

 

「一般入試用の仮想敵ってやつか」

 

「どこからお金出てくるのかしら・・・」

 

轟と八百万は推薦組なので今回が初遭遇のようだ

 

(折角ならもっとすげぇの用意してもらいてぇもんだな)

 

轟は臆することなく周囲に氷を作り出しながら心の中で呟く

 

「クソ親父が見てるんだから」

 

腕を振り上げその巨体を一瞬で凍らせた。その隙に隙間を通り抜ける

 

「あいつが止めたぞ!!あの隙間だ!通れる!」

 

普通科の生徒が轟に続こうとしたが警告する

 

「止めとけ不安定な体勢の時に凍らしたから」

 

仮想ヴィランがぐらついて倒れ込む

 

「倒れるぞ」

 

『1-A轟!!攻略と妨害を一度に!!コイツァシヴィー!!!すげえな!!一抜け・・・おおっと!!!』

 

マイクが驚きの声を上げる、轟が一瞬疑問に思った瞬間人影が自分を文字通り飛び越えていく

 

「轟君、お先」

 

「なっ!?」

 

轟の頭上を健が飛行して追い抜いていく

 

『此処でおゝとりが轟を追い抜いてトップに躍り出たーーーー!!つかアイツ空飛べたの!?』

 

『俺もオールマイトからの報告で知った。ごく短時間ではあるが飛行できると本人も言っている。轟が仮想ヴィランを凍らせた時を見計らって追い上げたんだな』

 

「行かせるかよっ!!」

 

轟が冷気を地面に走らせ健の前方に分厚い氷の壁を作り出す、健は顔の前に腕をクロスさせ突撃で砕き突破する

 

『やべぇ!!轟の氷の壁をいとも簡単に突破しやがった!思わぬダークホースの登場だー!!』

 

健は高度を取りコースの先を確認する。底が見えない奈落の中に飛び石の様な島が点在し其処にロープが張られている

 

(谷を乗り越えたいが・・・そこまで持たないな、手ごろな島に降りて後は跳躍で飛び越えていくか・・・)

 

素早く思考して高度を下げて近くの島へと向かう

 

『さぁ!!第一関門はチョロかったようだぜイレイザーヘッド!!!お次は落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォーーーール!!!』

 

『俺もういらないだろ』

 

マイクが次の関門を叫ぶ、相澤は早くここを去りたいようだ。健に続いて爆豪や瀬呂や常闇も続々と第二関門に突入する

 

「ぬぅ・・・ここまでか」

 

第二関門の中程で健は時間切れとなり荒く着地した。がその時

 

「げ・・・」

 

島が揺れヒビが入り始め崩れ始める

 

『おゝとりが着地した島が崩れ始めたーーー!!これはどういうことだーーー!!??』

 

『・・・偶々あいつが着地した島の強度が弱かったってとこだろ、事前検査では問題なしだっただろうが、偶然着地した所が偶然島の一番弱い所で偶然着地の衝撃で壊れ始めた・・・だろうな』

 

『それ単純に運悪すぎない?、アイツなんか憑かれてる??』

 

相澤が冷静に解説する中健は島から脱出しようとするが崩壊するスピードが速く跳躍しようにも踏ん張る足場もない、動く間もなく足元も崩れ宙に浮かぶ

 

「マズい・・・今は飛べないし跳躍する足場もない・・・相変わらず運が悪いな・・・」

 

健は顔を顰めながらせめて怪我をしない様に岩を避けながら落ちて行った

 

『なんてこったーーー!!!大判狂わせかと思われたA組おゝとり!!ここで落下しリタイアだーー!!!!』

 

TO BE CONTINUED

 




最初はトップでゴールさせようかと一瞬考えたのですか。それではありがちになるのでいっそ展開を大幅に変えてみました。代わりにレクリエーションで活躍させてみたいとも考えてます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。