僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~ 作:スルタン
「あ~・・・やっちまったな~」
健は安全対策で張られていたネットの上で座り込み上を見上げる、一緒に落ちてきた瓦礫も受け止める特別仕様のようで周りに岩が散乱している。上を見ているとドローンが此方に向かってくる
『おゝとり、怪我はないか』
ドローンのモニターに相澤が映る
「ええ、こちらは大丈夫です。すいません調子に乗り過ぎました」
『まあ今回は不運な事故として判断されても仕方ないだろうな・・・兎に角種目はまだ続いてるから終わるまで待機しとけ。その後迎えを来させる』
「はい、わかりました」
ドローンが上昇し健はそのまま待機する、地上ではロープを伝っていく人や個性やサポートアイテムなどを使用して崖を飛び越えていくのが見える、ごま粒程度の大きさでしか見えないが。その時健の後ろにある大きい岩の上に短い黒髪に胸と腹部を開けさせた黒いシャツ、同じく黒いジーンズを履いた男性が脚を組みながら座っていた
「暫くぶりだな、此処での暮らしはどうだ?」
健は振り向きながら応える
「ええ、周りの人達からもよくしてもらってます。感謝していますよ」
「それは君の人柄のお陰さ、私は何もしていないよ。私が用意したのは戸籍と君が暮らしていけるような十分な財産だけだ、まぁ手を付けていないようだが」
「あれはもしもの時用です、自分が暮らしていく分は自分で稼いでいくと決めてますから」
男性は肩を竦める
「君もあいつと同じように真面目だな。あいつは人の話を聞かないのが玉に瑕だったが・・・」
その時上空から号砲が響いた。男性は立ち上がる
「どうやら一位がゴールしたようだな、そろそろ迎えが来るだろうし私は失礼するよ」
「ええ」
「近い内にまた来る。それじゃ」
男性はフィンガースナップをした瞬間最初からそこには何もなかったように消えた、丁度上空から迎えのドローンが下りてきて垂れ下がった縄梯子に手を足を引っかけた
~
健がスタジアムに戻ってみると障害物競争の結果が表示されていた
「おお、緑谷君が一位か。機転の利かせ方はクラスで一番だから可能性はあったけど」
A組のベンチに一人座る健、此処に来る途中プロヒーローや経営科の生徒達からどんまいと声を掛けられたのは言うまでもない。次の種目は騎馬戦、此処までは通常の体育祭によくある競技だ、この騎馬戦はポイント制で他のチームの騎手から襷を奪って持ち点を稼ぐようだ。問題はそのポイントなのだが
「1位の緑谷君が1000万・・・2位の轟君でも205なのに、突出したのが仇になったみたいだ・・・流石に理不尽だと思うけど」
1位の緑谷がなんとかチームを組もうと奮闘しているが1000万という爆弾には誰も近づこうとしない。交渉時間は限られているようだった
「緑谷君、大丈夫かな」
健が心配していると麗日が緑谷に近づいてきた、少しして緑谷が滝のような涙を流していた。それからサポート科の生徒だろう機械を装着した女生徒と常闇も加わってチームが揃ったようだった
「緑谷君の超パワーに麗日さんの無重力、常闇君の黒影・・・機動力と防御力は申し分ない偏西だな・・・あのサポート科の人は・・・かなりやり手だな」
健がそう呟いた瞬間競技がスタートした
~
壮絶な取り合いが行われ一進一退の攻防の末、勝負は決した。1位は轟チーム、競技時間全体にかけて高いパフォーマンスを発揮していた。飯田のエンジンによる機動力、上鳴の帯電での全体攻撃、八百万の創造で上鳴の帯電の防御対策。そして轟の冷気を使った足止め、遠近中隙が無かった。2位は爆豪チーム、爆豪のワンマンプレイが目立ったが切島の説得もあってか暴走しがちな爆豪をよく御していた。3位は心操チーム、最初は鉄哲のチームかと思われたがどんな隠し玉を使ったのか、馬の尾白や青山はどこか混乱していた。そして4位の緑谷チーム、中盤から轟にポイントを奪われてしまったものの最後まで食い下がり、常闇が一瞬の隙を突いて襷を奪い4位になった
「これで最終種目のトーナメントのメンバーが決まったようだ」
騎馬戦が終わりこれから昼休憩にするとプレゼントマイクのアナウンスを聞き、周りの観客達がスタジアムを一旦後にする為移動し始める、健も昼食を取りにベンチから立ち上がり食堂へ向かった
「おゝとり、どんまい」
食堂へ着くなり峰田から声を掛けられる
「仕方ないよ、運がなかったんだ」
「でもよ、あんな事故なければ確実に1位だったよな」
食事を乗せたトレイを持って砂籐も合流する。切島や上鳴や瀬呂も一緒だ
「飛行してトップに立った時にほんのちょっぴりの油断があったんだよ、多分それで罰が当たった感じかな」
「それで神様がおまえをリタイアに突き落とすってならどんだけ厳しいんだよ・・・」
切島達が引いていた、健が食事を受け取り席を確保してくれていた峰田達の所に座る
「んで、これからレクリエーションあるわけだが、そこでなんとかアピールしないといけないよな」
砂籐が食事をしながら話す
「うん、少なくとも僕は人一倍頑張らないと、穴に落ちたの僕だけだし」
「いや、その前の行動がかなりアピールになってるからな?」
「空飛べるだけでもプロヒーローからすれば喉から手が出るほどの逸材だぜ?」
峰田と上鳴の言う通り短時間でも飛べることは十分強みになる
「でも見方を変えれば空を飛べるという優越感から油断して落ちたとしか見られかねないよ」
「それは考え過ぎじゃねえか?」
瀬呂の指摘も最もだ、相澤のフォローもあったからそんな事を考えているヒーローはまずいないだろう
「だからこそさ、次のレクリエーションでそのイメージを回復させるよ」
昼休憩が終わり、マイクのアナウンス通り最終種目を前にレクリエーションが始まる、なぜかA組女子全員チアリーダーの格好をしていたのには健は疑問符を浮かべていた
~
トーナメント前のレクリエーションが始まる。先ずは玉転がし
「おゝとり待て!これじゃ玉転がしになってないぞ!!」
障子が下に向かって叫び口田は顔を青くしながら残像ができるぐらいに頷く、健は大玉を2人纏めて持ち上げゴールに向かって走っている
『A組のおゝとり!玉転がしじゃなくて玉運びになっていやがる!てかいいのかこれ!?』
『玉を転がして運ぶって競技だが持ち上げて運んではならないってルールはないからな』
そして玉入れ、健は籠を見ずに後ろ向きで玉を放り投げ次々と入れていく
『あーあーA組の籠がパンパンになっていくー!!見ずに入れるってイカしてるぜ!」
『最初に一目見て籠との距離を感覚で理解したんだろう。パワーだけじゃなくテクニックにも優れてるからなあいつ』
次は借り物競争、地面に置いてあるカードをめくり内容を確認する。健は数秒当たりを見回したが目当ての物がなかったのでスタジアムの外へと走っていった。1分後、タンクローリーを持ち上げた健が障害物競争で使用した大型のゲートから小走りで入ってきた
『・・・なんて言ったらいいんだイレイザー』
『うちの借り物競争は稀にとんでもない物を指示されるが無理な物は棄権するのが普通なんだが・・・あいつにとっては出来る範囲だったようだな』
『冷静に解説するのやめてくれない?却って引くわ』
その後最終種目であるトーナメントを残すのみになり出場者以外のA組が観戦席に戻った
「ケロ、おゝとりちゃん大注目だったわね」
「取り敢えずこれで幾分かのアピールにはなったと思うよ」
健は蛙吹の隣が空いていたのでそこに座る
「そうね、でも借り物競争の時は流石に引いたわ。私が見てきた限りあんなの持ってきたのおゝとりちゃんが初めてだわ」
「・・・実際に書いてあったからね」
セメントスがステージを生成するのを見ながらおゝとりが応える
「お前なんかまだいいぜ、オイラなんて背脂だぜ!?絶対無理だろ!」
峰田が絶望していた姿は見たがそんな事になっていたとは予想外だった
「ああ~~・・・どんまい」
昼休憩の時に掛けられた言葉をそのまま返すことになった
TO BE CONTINUED
次回は職場体験編に入れればと思います