僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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病床に伏しており投稿が遅れてしまいました。申し訳ありません


エピソード 16

 

トンネルの山崩れ事故の救助活動を終え、事後処理を済ませて事務所に帰ってきた時には昼前になっていた。今日が職場体験最終日であり夕方には戻る必要がある、マンダレイに許可をもらいシャワーを浴びた後に身支度を整え職場体験の報告書とプッシーキャッツの署名をもらい、玄関の前に立つ

 

「それでは短い期間でしたがお世話になりました」

 

「いいのよ、寧ろ礼を言うのはこっちの方だから」

 

「あの時の機転の良さは称賛に値する、犠牲者も出ずに済んだ。将来有望と学校の方にも伝えておこう」

 

マンダレイと虎は事故での健の行動を評価し虎からのお墨付きも貰う事が出来た、そこにラグドールがぬっと出てくる

 

「目からビームと極低温の息の個性はあちしのサーチでも見えなかったけど。君の個性って隠せるもんなの?」

 

「いえ、あれはちょっと訳ありでして。学校の方にも言っていないんです・・・できれば秘密にしてくれると」

 

健がそういうとピクシーボブが目を光らせてズズイと迫る

 

「へ~そうなんだ~バレるとマズいんだ~~・・・じゃあさ、秘密にする代わりに~」

 

「まあ、僕にできる事ならばなんでも」

 

健から言質を取ったピクシーボブの目がさらに光る

 

「雄英卒業したらうちの事務所に来てよ!いいでしょマンダレイ」

 

後ろを振り向いてマンダレイに確認する

 

「もう・・・それを決めるのはおゝとりくんよ?ごめんね、急に無理な事言って」

 

「いえ、なんでもと言ったのは自分ですから・・・まあ就職先が決まったと考えれば」

 

健は自らが言った事を曲げる訳にもいかないので仕事先が見つかったと考えることにする。視線を動かすとマンダレイの後ろに洸汰がいた

 

「じゃあ洸汰君、短い間だったけど世話になったよ」

 

「・・・」

 

洸汰はふいと首を横にふり無視する

 

「ちょっと洸汰・・・!」

 

「いえ、いいんですよ。では僕はこれで失礼します」

 

健は荷物を持ち私有地の出口に向かって歩き出そうとした時

 

「・・・ヒーローは嫌いだ、でもお前の事はちょっとは認めてやる」

 

洸汰がそっぽを向きながらぶっきらぼうに言う、健は振り返る

 

「よかった、じゃあ次はちゃんと認められるように頑張らないとね」

 

改めてプッシーキャッツに頭を下げて最寄りのバス停に向かって歩き出した

 

 

プッシーキャッツの事務所を発って数時間後、駅から市営バスに乗って雄英高校に着いた健。職場体験の修了と戻って来たことを報告する為に夕日が差し込む廊下を歩き職員室に向かう

 

「失礼します、只今戻りました」

 

ノックした後扉を開けて入室する健に相澤が気づく

 

「ああ、職場体験おつかれさん。お前が最後だ、この時間なら電話して直帰でもよかったんだぞ」

 

「いえ、念の為に直接報告しに来ました」

 

健が相澤にデスクに向かいながらそう告げる

 

「真面目だな、プッシーキャッツの事務所からも連絡は受けた。事故のニュースは見たぞ。初めての職場体験だったにも関わらず適切に行動出来ていた」

 

「マンダレイさん達の的確な指示のおかげです」

 

「兎に角今日はもう帰れ、明日は授業だから休んでおけよ」

 

「はい、では失礼します」

 

相澤に報告書を提出しコスチュームの入ったケースを戻した後雄英を後にする。アパートに帰りつき家事と食事を済ませ明日に備え早めに横に付いた

 

 

次の日、今日から通常の授業。クラスメイト達はそれぞれの職場体験の出来事を報告し合っていた。健が教室に入り席に着くと蛙吹がやってきた

 

「おはようおゝとりちゃん、ニュース見たわ」

 

「おはよう蛙吹さん。謀らずとも注目を集めてしまったね」

 

「それをあなたが言うのはどうかと思うけど・・・トンネル事故に立ち会うなんて運がいいのか悪いのか」

 

以前健が言っていたことを思い出しながら蛙吹が告げる

 

「言い方はあれだけどいい経験になったよ、プッシーキャッツ達から色々技術を学べたからね。蛙吹さんの方は?」

 

「私はトレーニングとパトロールが殆どだったわ、一度密航者を捕まえたけど」

 

「すごいな。プロヒーローみたい」

 

なんやかんやで蛙吹もすごい事をしている

 

「おゝとりちゃん。プロヒーローって気が早すぎると思うの」

 

「まあ、そうだね」

 

そんな感じで雑談をしていると緑谷と飯田、轟がやってくる

 

「おはようおゝとりくん」

 

「緑谷君、おはよう。君達のニュースを見たよ、ヒーロー殺し・・・話には聞いていたけどまさか君達と遭遇するとはね」

 

「結局No.2に救けられた」

 

轟が呟く、No.2とは恐らくエンデヴァーの事だろう

 

「いや、君達が生き残っただけでもすごい事だよ。生きていればいくらでも機会はあるから」

 

「おゝとり」

 

そこに飯田が入ってくる

 

「君の言う通りだった、俺はヒーロー殺しに遭遇した時復讐の事で頭が一杯になった。だが結局手も足も出ずにいい様にされて・・・そして緑谷と轟に助けられた。俺の独りよがりで二人に迷惑をかけて・・・家族にも・・・兄にも余計な心配をかけてしまった」

 

飯田は悔しさと申し訳なさと不甲斐なさが入り混じった表情を浮かべる

 

「でも飯田君はそこで踏みとどまった。それだけでもかなりの成長だよ、間違いは誰にでもある、大事なのはそれを認めて次に生かすことだよ」

 

「・・・そういってもらえると助かる」

 

健の言葉に幾分か救われたか飯田は感謝した

 

 

「はい、というわけで午後のヒーロー基礎学の時間だよ!久しぶりだね少年少女、元気か!?」

 

「ヌルっと入ったな」

 

「久々なのにな」

 

「パターンが尽きたのかしら」

 

生徒達からの辛辣な言葉がオールマイトのメンタルをゴリゴリ削る。小声で否定しつつ今回の授業の趣旨を説明する

 

「職場体験直後って事で今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!!」

 

「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?」

 

飯田が残像が残るほどの速度で挙手し質問する

 

「あそこは災害時の訓練になるからな。私は何て言ったかな?そうレース!!」

 

授業場所は運動場γ。後先を考えずに増改築を行ったような建築基準法違反めいた構造の工業地帯。そこで基本五人四組に分かれての訓練になる、先にオールマイトが運動場に入り適当な場所に待機。そして救難信号を出すと街外に待機している生徒達がスタートし誰が一番になるかというものだ

 

「もちろん!建物の被害は最小限にな!!」

 

オールマイトが爆豪にスススと指を指す

 

「指さすなよ」

 

そして訓練が始まる、最初は緑谷、尾白、飯田、芦戸、瀬呂である。その他の生徒はモニターが設置されたOZASHIKIと書かれたセットの上で待機している。待機組は誰が一位になるかで盛り上がっている。健がモニターもみていると切島が話しかけてくる

 

「なっ、おゝとりは誰が一位になると思うんだ?因みに俺は瀬呂だけど」

 

「ん?うーん・・・」

 

健は顎に手を当て考えていると其処に上鳴と峰田も入ってくる

 

「俺は尾白だとおもうぜ、あいつの尻尾かなり器用だし」

 

「オイラは芦戸!運動神経抜群だし!」

 

2人が其々予想を付ける、数秒熟考した後顎から手を離す

 

「僕は瀬呂君か緑谷君だと思う」

 

「お!俺と同じだな!」

 

「へ~意外だな、てっきり緑谷かと思ったぜ」

 

「緑谷君の個性は超パワーだけどあの事件を切り抜けた、一週間で彼は成長しているはずだよ」

 

スタートの合図が掛かり一斉に走り出す。予想通り瀬呂は個性で工場の上空を上手く移動している

 

「ホラ見ろ!!こんなごちゃついてる所は上行くのが定石!」

 

「となると滞空性能が高い瀬呂が有利か」

 

切島の解説に障子が感心しているとその瀬呂を追い越す影があった

 

「おおおお緑谷!?」

 

「なんだあの動きぃ!!?」

 

個性を発動させた緑谷が屋根やパイプ、タンクの上を飛び跳ねる様に移動している

 

「すげぇ!なんか動きが爆豪に似てるぞ!」

 

「緑谷君は個性の力を応用して機動力を底上げしている様だね。しかも自爆しない様に抑えながら」

 

健が予測している後ろで爆豪が驚愕しながらモニターの緑谷を見つめていた。トップに立っていた緑谷だが着地したパイプが油で滑りやすくなっておりものの見事にずり落ちた。結果瀬呂が一位、緑谷は最下位となった。その後訓練は続きいよいよ健の番となった

 

「おゝとり少年はすまないが1人でやってもらうよ!他の皆はレース形式だったが。君の場合は特別にタイムアタック形式で行こうと思うが、どうだい?」

 

「わかりました。此方としてはそれで構いません

 

オールマイトの提案を承諾し街外の指定されたスタートラインに待機する。それを皆がモニター越しに見つめている

 

「でもよ、よく考えて見ればこの訓練っておゝとりが一番有利じゃね?」

 

切島が上鳴達に話を振る

 

「まぁな。あいつ空飛べるから地形なんて関係ないだろうからな」

 

「いや、そうとも言えない」

 

そこに轟が話に加わる

 

「え?なんでだ?」

 

「おゝとりから直接教えてもらったが飛べる時間は精々1分あるかないからしい、そして速度もそこまで出ないって言っていた。オールマイトもその事を十分知っているはず、なら屋外の様に見つかりやすい所で待っているとは考えにくい」

 

「じゃあ、オールマイトは屋内にいるって事か?」

 

「多分な、タイムアタック形式にしたのは如何に早く辿り着くかではなく如何に早く見つけるかを試す為だろう」

 

轟達が推測を立てているなかブザーがなりスタートする、予め渡されたレーダーに救難信号のマークが表示されてるがあくまでおおよその場所しか表示されていない

 

(オールマイトが屋外にいるとは考えにくい、こっちの能力は把握済みのはず・・・)

 

壁に指を突き入れ削りながら地面に降りてレーダーで示された場所に向かう。パイプや柱が乱立する通路を自身が通れるスペースを見極め素早く通り抜ける。巨大な建屋の中に入ると複雑に入り組んだ階段が上階から下階まであちこちに設置されている

 

(反応は近いな・・・となるとこの建屋の中だな。どこにいるか・・・自分がヴィランなら・・・)

 

健は思考しつつ階段を昇る。途中で小部屋の扉をあけ放ち通り抜け、交差する階段を飛び移りながら自身の目星を付けた部屋に辿り着きドアを開けた。大きめの部屋の奥にオールマイトが立っており手に持っていたストップウォッチを止めた

 

「5分38秒!ここまでのルートと進む難易度を加味しても早い方だね、上出来だ」

 

「自分の勘が当たってよかったです」

 

「次いでだから聞いておきたいんだが、どうしてここだと思ったんだい?」

 

ストップウォッチを健に見せながら自身の居場所が此処だと目星を付けたのかを質問する

 

「いえ、確証はありませんでしたが見晴らしがよい反面外からの監視がし難く、且つ部屋も広く窓も多い、突入されても直ぐに脱出できる上に下は遮蔽物があり逃走もしやすい、自分がヴィランなら此処に立て籠ります」

 

「なるほど、君と同じ意見だよ私もヴィランなら此処に入るからね。何はともあれ合格だ!」

 

「ありがとうございます」

 

オールマイトはサムズアップをしてクリアであることを伝え健は頭を下げた

 

TO BE CONTINUED




次回は期末テストの実技試験まで行ければと思います
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