僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~ 作:スルタン
オールマイトが二人に向かって構えをとっているがボスと青年はお互いに顔を合わせる。青年は顔を隠す為に黒い目出し帽を被っているのだが、ジャック犯達も当然顔の割り出しを防ぐために目出し帽を被っている。つまり傍から見れば二人とも犯人にしか見えないのである。青年は直にオールマイトに説明する
「あの、すいませんオールマイト。僕はその・・・犯人の一人ではありません」
「おっと!そうはいかないぞヴィラン!!そうやって逃げようとしても無駄だ。この私のパンチを受けたくなければ直に降参するんだな!」
「逃げようともしませんし、貴方のパンチは受けたくありません。ちょっと落ち着いて考えてください。顔を隠して活動するヒーローだっていますよ。マスクやゴーグルしてる人、いるじゃないですか、偶々同じ見た目の目出し帽をしているからっていきなり犯人と決めつけるのは早急すぎるのではありませんか?」
「え?あれ?これって私が悪いの?」
青年の弁解と少しの指摘にオールマイトは困惑し汗を流す、だが其処は平和の象徴。警察のヘリのサーチライトに照らされてる事に気付き直に風体を直す
「んんっ!!では、君が犯人の仲間ではないという証拠はあるのかな!?」
「証拠となるかわかりませんが。はい、どうぞ」
青年は懐から凍り付いた爆薬を取り出しオールマイトに手渡す
「あの、これ何?」
オールマイトも律儀に受け取る。凍り付いてるからわかりにくいのだろう
「この人たちが仕掛けた爆薬です」
「いきなりそんな物騒すぎる物次いで感覚で渡す!?」
「大丈夫です、凍らせた上で起爆装置も外してあります。犯人の切り札であるこの爆薬を無力化しているのは矛盾しませんか?」
「これって一つだけ?」
「全て処理しています」
そこにオールマイトが耳に嵌めている無線機に通信が入る
「オールマイト、今何をしている」
「エンデヴァー、そちらは」
「テロリスト共は全員捕縛、メインホールにいた人質達も保護した。他のヒーロー達が船底と隔壁、燃料タンクに凍り付いた爆薬を発見したとの報告がある」
エンデヴァーはメインホールを見下ろし、機動隊に保護されている乗客達と拘束されている犯人集団を見る
「・・・わかったよエンデヴァー、此方もそろそろ片がつく」
通信を切ったオールマイトが青年の方へ向き直る
「どうやら君の言っていたことは本当のようだ。信じよう」
「ありがとうございます、オールマイト」
オールマイトは青年が敵ではないと確信し、青年は感謝する。そこに横から怒号が飛んできた
「オイテメェら!!無視してんじゃねえぞ!」
銃身を回しながらボスは叫ぶ、船は奪還され手下は捕まり最早逃げ道はない、こうなったらやることは一つだ
「こうなったら自棄だ・・・一人でも多くぶっ殺してやる・・・!!」
ボスはアームを動かし人質として連れてきた船長に銃身を向ける
「!!」
「まずは貴様だぁ!!」
「待て!」
ボスがガトリング砲に射撃ボタンを両方押し込む。銃身がさらに回転し始める。オールマイトが瞬時に船長の前に立ち庇う姿勢をとる、その瞬間砲口から弾頭が射出される、次々と射出される弾頭がオールマイトに迫る、弾頭の速度からすればオールマイトに当たる時間などコンマ一秒以下だ。だがその弾頭を追い越しオールマイトの前に青年が立ちふさがる、青年の胸にガトリングの弾頭がぶつかる
「ッ!!」
オールマイトの脳裏にバラバラになる青年の姿が見えたが、次の瞬間胸にぶつかった弾頭が潰れたり曲がったり滑るなどして上方や左右、足元に落ちたりなど、吐き出されるガトリング弾を全て弾き返している
「ヒィッ!!??」
ボスは自身の武器が通じない事と尚且つ青年が一歩一歩近づいてくる事に恐怖を覚える。それでも本能でボタンを押し続け尚も撃ち続けるが青年が銃身の至近にまで近づいた時には加熱しきって射撃が止まった
「ちっ・・・!!畜生がぁ!!」
ボスはガトリング砲の発射スイッチから手を放しズカズカと青年に近づき、拳銃を抜き彼の右目の眼前に突き付けると引き金を引いた、拳銃から発射された銃弾が眼球とぶつかる、だがその弾も潰れ二人の間に落ちる。落ちる銃弾を見ていた二人が顔を見合わせるとボスは拳銃を落とし尻もちを着いた
「青年!」
背後からオールマイトが駆け寄る。その間にガトリング砲の銃身を真ん中からねじ切り、拳銃の弾倉を取り外し握りつぶす
「これで片は付きましたね」
「ああ、そうだな。だが怪我はないか?」
「大丈夫です。ですがまだ問題が残っています」
「問題?」
「はい、この人たちはこの船を外洋まで移動させた後潜水艦に乗り換えて逃げるつもりだったようです」
「なんとも用意周到な奴らだ」
「そこで提案なんですが」
オールマイトにジャック犯達と合流予定の潜水艦の情報を教える代わりに自らを見逃してくれという事であった。そして自身がヒーローではなく一般人であることも
「・・・わかったよ。私から公安にも伝えておく、いい感じに言っておくさ」
「ありがとうございます」
「最後に一つ聞きたいんだが、君の個性はなんだい?」
青年はヘリポートの淵に立ち振り返る
「貴方達でいう無個性というやつです」
「え??」
オールマイトが気の抜けた声を出している内に青年は海に飛び込んだ
~
それから数時間後、青年はこっそりとアパートに戻って来た。とっくに深夜なので当然であるが、最初に飛び立った雑木林の近くに川があるのでそこで体を洗ってきた
「さて、少し休むか。5時には牛乳配達の仕事もあるし」
その前にとラジオの電源を付ける。ニュースが丁度流れる、客船が解放され人質も無事、犯人集団も全員捕縛、犠牲者が一人も出なかった奇跡の事件として取り上げられることになった。青年はそれを聞いた後、仮眠を取るために布団に入った
~
早朝4時半、青年は目を開け素早く起床。身支度を整えアパートを出る、すぐ近くにある牛乳配達所から配達する分の牛乳を受け取り歩き出す
「さてと、行くか。今日は土曜だし少しゆっくりできるかな」
彼にとっていつもの一日がはじまった
TO BE CONTINUED
これにて導入部は終了とさせていただきます。かなり拙い文章ではありますがよろしくお願いします。ご意見ご感想などがあればよろしくお願いします