僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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今回は林間合宿前のショッピングモールまでです


エピソード 19

 

期末テストが終わった次の日の朝、上鳴、芦戸、砂籐、切島はこの世の終わりみたいな表情とオーラを漂わせている

 

「皆・・・土産話っひぐ楽しみに・・・ううしてるっ・・・がら!」

 

「まっまだわかんないよ・・・どんでん返しがあるかもしれないよ・・・!」

 

芦戸が涙を堪えながら林間合宿に行くであろう緑谷達に言う

 

「緑谷それ口にしたらなくなるパターンだ・・・」

 

瀬呂は緑谷のフラグビンビンな励ましにツッコミを入れる、言霊とはこういう時には直に効くのである

 

「試験で赤点取ったら林間合宿行けずに補修地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら貴様らの偏差値はサル以下だ!!」

 

「落ち着けよ長え」

 

煽りとも取れる緑谷の励ましが火に油を注ぐが如く上鳴がキレる。瀬呂は怒りのまま捲し立てる上鳴を一蹴

 

「わかんねえのは俺もさ、峰田のおかげでクリアしたけど寝てただけだ」

 

瀬呂と峰田の試験相手はミッドナイト、開始早々に眠らされて峰田の奇策でなんとかクリアしたのだ。因みに峰田本人は聞き耳を立てて自身の活躍に聞き入っている

 

「とにかく採点基準が明かされていない以上は・・・」

 

「同情するならなんかもう色々くれ!!」

 

瀬呂が懸命に宥めるも昔のドラマであるようなセリフを叫ぶ上鳴を健は席に座りながらみている

 

「おゝとり、お前から見て今回の試験どうだった」

 

そんな健に轟が話しかけてくる

 

「正直いうと、判断に迷うかな・・・筆記はまあ兎も角として実技がね」

 

「そうですか?私も途中から映像を見させていただきましたけれども特に問題はなさそうでしたわね」

 

八百万も会話に参加する

 

「本当は隠れながらこっそりとゴールするつもりだったんだけど演習場がそれに不向きでね・・・なら撒いて逃げるとしてもミルコにスピードからは逃げきれない。試験開始までそこまでしか考えきれなくてね、防戦一方だったのは耐えて時間稼ぎしてたんだよ」

 

「まあ、お前の走力を鑑みれば正面切って逃げるのは無理だな」

 

「ではあの時建物から出てきた時にあの方、なにやら怒り心頭のご様子でしたが」

 

「あれは自分のちょっとした罠に掛かってああなったの。現地調達の有り合わせで上手く行くかはわからなかったけど」

 

「罠だと?」

 

「石灰と融雪剤を加熱して作ったやつ」

 

「石灰に融雪剤・・・アンモニアですわね」

 

健の言った二つの材料から八百万は即座に言い当てる

 

「うん、自信なかったけど運が良かった」

 

「ミルコの個性は兎、兎の嗅覚は人の10倍・・・ならアンモニアの刺激臭はキく筈だ」

 

「その結果がアレだったわけだけど」

 

「アレもソレもコレもねぇだろおゝとり~~」

 

そこに峰田が負のオーラを漂わせながら近寄ってくる

 

「なんだよアレ、ラッキースケベか?それともワザとか?画面越しに見せつけやがってよ~~ミルモモとミルパイ堪能しやがってよ~~~!」

 

健の背中によじ登りヘッドロックを掛ける峰田に健と轟は顔を見合わせる

 

「?」

 

「?」

 

「純粋ですわねお二人共・・・」

 

その後蛙吹の舌を蟀谷に受けた峰田は白目を向き自身の席に戻された。その後直に相澤が教室に入ってきた

 

「予鈴が鳴ったら席につけ」

 

相澤が言う頃には全員とっくに座っている。条件反射というかなんというか

 

「おはよう。今回の期末テストだが・・・残念ながら赤点が出た」

 

相澤の報告に林間合宿が不安視されている面々は絶望の表情をしている

 

「したがって・・・林間合宿は全員で行きます」

 

「「「「どんでん返しだああああぁ!!!!」」」」

 

4人の雄叫びが教室に響く

 

「筆記の方はゼロ、実技で切島・上鳴・芦戸・砂籐・あと瀬呂が赤点だ」

 

「行っていいんすか俺らあ!!」

 

「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな・・・」

 

瀬呂は試験前の説明を思い出す、拘束や脱出をすれば試験は終了するとは言っていたが合格になるとは名言されていなかった

 

「今回の試験、我々敵側は1人を除いて生徒に勝ち筋を残しつつどう課題に向き合うかを見る様動いた。でなければ課題云々の前に積む奴ばっかりだったろうからな」

 

「本気で叩き潰すと仰っていたのは・・・」

 

「追い込むためさ。そもそも林間合宿は強化合宿だ、赤点取った奴こそここで力を付けてもらわなきゃならん合理的虚偽ってやつさ」

 

「ゴーリテキキョギィィィ!!!」

 

尾白の質問に相澤はそう応える、ヒーローを養成する為の学校であって教室に缶詰にして座学の補修では本来の目的とは相違が生まれる

 

「またしてやられた・・・!流石雄英だ!」

 

飯田は自分らがまた一杯食わされていたことに愕然とする。因みに体力測定の時にも出し抜かれたのだが

 

「しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」

 

「わあ、水差す飯田くん」

 

麗日の言葉が刺さる、まあよく言えば真面目、悪く言えば空気が読めない、しかしそれが彼の個性である

 

「確かにな、省みるよ。ただ全部嘘ってわけじゃない、赤点は赤点だお前らには別途に補修時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残って補修よりキツイからな、じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」

 

「―――!!!」

 

相澤の死刑宣告に赤点組は表情と体が固まった

 

「まぁ、何はともあれ全員で行けてよかったね」

 

放課後、尾白は全員で合宿に行けることを喜ぶ

 

「一週間の強化合宿か!」

 

「結構な大荷物になるね」

 

「暗視ゴーグル」

 

「水着とか持ってねーや。色々買わねえとな」

 

1人怪しい事を言ってるのは置いといて飯田、緑谷、上鳴は合宿に必要な物を相談し合っている

 

「あ、じゃあさ!明日休みだしテスト明けだし・・・ってことで、A組みんなで買い物行こうよ!」

 

葉隠がちょっとしたイベントめいた提案に上鳴達が賛成する

 

「おお良い!!何気にそういうの初じゃね!?」

 

「おい爆豪お前も来い!

 

「行ってたまるかかったりぃ」

 

切島の誘いを蹴る爆豪、彼の事だから別の用事があるのだろう

 

「轟くんも行かない?」

 

「休日は見舞いだ」

 

緑谷は轟を誘うが前もって決めてあった予定があり来れないようだ

 

「ノリが悪いよ空気読めやKY男共ォ!!おゝとり!お前は強制だぞ!!いい思いしやがった罰だ!」

 

「?まあいいけど」

 

峰田が買い物に付き合わないメンツに駄目だししつつも健を強制的に参加させる、彼なりの仕返しか。そんな事も露知らず健は取り敢えず了承した

 

 

そして翌日

 

「って感じでやってきました!県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!!腕が6本のあなたにも!脹脛激ゴツのあなたにも!きっと見つかるオンリーワン!!」

 

テンション高めの芦戸、多種多様なテナントが並ぶ施設なら何があるかちょっとした楽しみでもある

 

「個性の砂による多様な形態を数でカバーするだけじゃないんだよねティーンからシニアまで幅広い世代にフィットするデザインが集まっているからこの集客力・・・」

 

「幼児が怖がるぞよせ」

 

緑谷の癖である早口小声の分析、知っている人ならまあ問題ないのだが知らない人から見ればなにかヤバい事を考えてるかヤバイなにかをやっているヤバイ精神状態の人にしか見えないのでクラスメイトが補導されないように常闇が止める

 

「お!アレ雄英生じゃん!?1年!?体育祭ウェーーイ!!」

 

「うおお・・・まだ覚えてる人いるんだぁ・・・!」

 

偶然通りかかった人から声を掛けられる、麗日は改めて雄英のイベントの注目度に驚いている

 

「取り敢えずウチ大きめのキャリーバッグ買わなきゃ」

 

「あら、ではあちらで一緒に回りましょうか」

 

耳郎の目的に八百万が付いて行くようだ

 

「俺アウトドア系の靴ねぇから買いてぇんだけど」

 

「あー私も私もーー!」

 

「ピッキング用品と小型ドリルってどこ売ってんだ?」

 

野外用の靴を買いたい上鳴に葉隠も目的は同じのようだ、1人警察沙汰な物を揃えようとしている者がいるが

 

「靴は履きなれた物としおりに書いて・・・ぁいや・・・しかし成程用途に合った物を選ぶべきなのか・・・!?」

 

飯田が上鳴と葉隠の目的に指摘する、が、屋外活動用の靴を元々持っていないのならいくら履き慣れている物でも支障をきたす可能性が大いにある、ならば状況に適した靴を用意するのは一理あると推理した飯田は音速に迫ろうとしている挙手を残像を残して下げた

 

「目的バラけてっし時間決め手自由行動すっか!」

 

切島の提案により指定の時間を決めて各々それぞれ目的に物を探しに別れた

 

「さて、集合するまでどうしようか・・・」

 

皆と別れた後健は特に購入するものもないのでモール内を一通り周り気になったのを幾つか手に入れた後時間まで近くの日よけ付きのベンチに座っていた。夏の日差しを日除けが遮り、店から漏れる冷房の風が丁度流れ込んでいるので結構快適である

 

「・・・」

 

健は何も言葉を発さず自身の目の前を通り過ぎる友人連れや家族連れを眺める。それを僅かに目を細めて見ていると1人の大柄に人影が近づいてきた

 

「隣、いいかな?」

 

「ええ、どうぞ」

 

健は素早くスペースを開け端付近に移動し促す。男性はその開いたスペースに座る、黒いツーピースのスーツに黒い紳士帽を目深に被っており、体格も健に近い。それなりに広いベンチも2人で丁度いいぐらいに埋まっている

 

「いやぁすまないね、この日差しは私には堪えるんだ」

 

「確かに、これぐらいになるとキツイですね」

 

男性は暑いと言いつつもネクタイを緩めたりすることはしていない健と同じく正面を見ている

 

「所で、君は雄英の生徒だったかな。体育祭は見ていたよ、惜しかったね」

 

「いやはや、お恥ずかしい所を見られてしまいましたね」

 

「失敗は誰にでもあるさ、気にすることはない。伸びしろがあると思えばいいんだよ」

 

「そう言ってもらえれば嬉しいです」

 

健はあの時を思い出し僅かに頭を掻く、数秒の沈黙の後男性が口を開く

 

「所で、オールマイトは元気かな?」

 

「・・・ええ、以前と変わりなく」

 

僅かに間をおいて健は答える、さき程から雰囲気が変わってきている事を感じながら

 

「そうか、変わらないな。そういう無理をする所も、平和の象徴であり続けようとする所も・・・そう・・・変わらないな」

 

「・・・」

 

「ありがとう。彼の近況を聞けて良かったよ相も変わらず頑張っているようで」

 

健はチラリと男性の方を見る。腕で顔を隠してはいるがその口は口角が上がり切りとても常人がするようなものではなかった

 

「そろそろお暇するよ、ボクの生徒が君のお友達と接触している頃だろうからね。見つかる前に帰らせてもらうよ、それにこの状態は疲れるのでね」

 

男性は立ち上がり紳士帽を深く被り直す

 

「オールマイトに伝えてくれ“ボクが帰ってきた”とね。そして次あった時は容赦しないよ?」

 

男性は回答を待たずに歩いて行く、人混みに隠れた次の瞬間彼の姿がなかった。そしてその方向から警察が逆方向に向かって走って来ていた

 

「・・・緑谷君達が心配だ。合流しよう」

 

健は立ち上がり集合場所へ警察と同じ方向へ歩き始めた

 

TO BE CONTINUED




これが今年最後の投稿になります。次回から林間合宿に入ります
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