僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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新年あけましておめでとうございます。余裕があったので投稿します、今回は林間合宿スタートまでです


エピソード 20

 

木椰区ショッピングモールでの騒動の後、買い物に来ていたメンバーは警察署に一時保護、その後警官の警護の元其々の自宅へと帰宅することになった。死柄木弔と直接接触してしまった緑谷は念の為事情聴取を受けておりそれが終わった頃には夜になるだろう、先に帰宅した健はスマホを手に取る

 

「・・・」

 

十数秒間動かなかった健は画面をタップして電話を掛ける。コールが数回続いた後誰かが電話に出る

 

『おゝとりか、どうした』

 

電話に出たのは相澤だった

 

「夜分遅く申し訳ありません、今大丈夫でしょうか」

 

『今緊急会議中だが、丁度休憩時間だ。なにかあったか』

 

「はい。因みにオールマイトはいらっしゃいますか」

 

健はモールで会った男性の伝言を思い出し本人がいるか確認する

 

『いや、本人は事情で今出てる。オールマイトがいないとダメか』

 

「いえ、実はオールマイト宛てに伝言を預かっておりまして」

 

その言葉に相澤が表情が変わる

 

『・・・どんな奴だった』

 

「黒いツーピースのスーツに紳士帽を被っていました。背丈は自分と同じぐらいです。表情は見えませんでしたが普通には見えませんでした」

 

『・・・ったく。なぜそれを警察に言わなかった』

 

「今回の騒動の渦中にいるのは緑谷君でしたから、それに向こうは直接的な手出しはしませんでしたので。混乱を拡大させない様にそう判断しました」

 

『・・・はぁ、俺から警察に伝える。それでそいつからの伝言ってのはなんだ』

 

「はい、“ボクが帰ってきた”と」

 

数秒の沈黙の後相澤が口を開く

 

『それだけか?』

 

「伝言はそれだけです」

 

『・・・わかった、後は任せとけ。今夜はもうどこも出歩くな、わかったな」

 

「わかりました、失礼します」

 

健からの電話を切り相澤は会議室に戻る

 

「校長、緊急の情報がまた一つ」

 

騒動から一夜明け月曜日、HRで相澤が今後の事についてA組に説明する

 

「と、まぁそんなことがあってだ。ヴィランの動きを警戒し例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセルして行き先は当日まで明かさない運びとなった」

 

「「「「えーーー!!」」」」

 

事前に配ったしおりを破りながら報告する相澤にA組が声を上げる

 

「もう親に言っちゃってるよ」

 

「故にですわね・・・話が誰にどう伝わっているのか学校が把握できませんもの」

 

「合宿事態をキャンセルしねえの英断過ぎんだろ!!」

 

瀬呂は既に合宿場所を伝えており、八百万は情報漏洩を警戒しての対処に理解を示し、峰田は騒ぎがあったにも関わらず強行する雄英の図太さを叫ぶ

 

「てめェ骨折してでも殺しとけよ」

 

「ちょっと爆豪、緑谷がどんな状況だったか聞いてなかった!?そもそも公共の場で“個性”は原則禁止だし」

 

「知るか取り敢えず骨が折れろ」

 

「かっちゃん・・・」

 

爆豪の無茶ぶりに葉隠が口を挟むがそんなことなどお構いなしで暴言同然なセリフに緑谷は唯々困惑している。相澤はそれをなんとも言えない表情で見ていた

 

「おゝとり少年」

 

昼休み、今日は昼食を食堂で済ませ教室に戻る為廊下を歩いていると後ろから呼び止められる

 

「なんでしょうか、オールマイト」

 

「昼休み中に呼び止めてすまないね。相澤くんから報告は聞いた・・・」

 

振り向くとスーツ姿のオールマイトが立っている。手招きされて横の通路に入る

 

「緑谷少年が死柄木弔と接触したのは直接会っているから承知している、だがその後相澤くんから君に死柄木弔の仲間が接触したと聞いた時は焦ったよ」

 

「申し訳ありません、本来であればその場で報告するべきでしたがあの時点ではヴィランであるという確証が持てませんでした、貴方の純粋なファンが可能性のありましたので」

 

頭を下げる健にオールマイトが直ぐ様制する

 

「いや、謝る必要はないよ。君の判断はあの時点において的確だった・・・所でその男は確かに“ボクが帰ってきた”と言ったんだね」

 

「はい、そのように」

 

「・・・わかったありがとう。呼び止めてすまなかったね」

 

「では、これで」

 

健は頭を再度下げ教室に戻っていく、その後ろ姿を見送りながらオールマイトが険しい表情を浮かべている

 

「まさか・・・奴が本格的に動き出したか・・・」

 

 

その後終業式と共に前期学習が終わり夏休みに入る。一抹に不安を抱えながら遂に予定されていた林間合宿当日。学校のバス停にA組とB組が集合している

 

「え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるってこと!?ええ!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれぇ!?」

 

B組筆頭の物間が嫌味たらたらの満々で煽りに煽る、だが拳藤が延髄に手刀を打ち込み一瞬で黙らせる

 

「ごめんな」

 

そのまま首を掴んでバスに放り込む、粗略な扱いにA組の数人が引いている

 

「物間怖」

 

「体育祭じゃなんやかんやあったけど・・・まァよろしくねA組」

 

「ん」

 

B組の女子陣が代わりに挨拶をしてくれたのを峰田は涎を腕で拭う

 

「よりどりみどりかよ・・・!!!」

 

「おまえダメだぞそろそろ」

 

切島は半分感心がないかのように淡々と警告した。その後バスは出発し高速道路を走行している

 

「一時間後に一回止まる。その後は暫く・・・」

 

相澤が振り返り今後の予定を伝えようとしたが

 

「音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブだチューブ!」

 

「バッカ夏といやキャロルと夏の終わりだぜ!」

 

「終わるのかよ」

 

「席は立つべからず!べからずなんだ皆!!」

 

「しりとりのり!りそな銀行!う!」

 

「ウン十万円!」

 

「ねえポッキーをちょうだいよ」

 

バス移動は集団移動の1つの醍醐味であるからして嫌にでもテンションは上がるものだ、そんなガヤに相澤は言うのを止めて前を向き直る

 

(まぁいいか・・・わいわいできるのも今の内だけだ・・・)

 

それから一時間後、高速を降りたバスは峠道を暫く進み休憩所と撮影場所を併用した駐車スペースに留まる

 

「休憩だー」

 

「おしっこ、おしっこ・・・」

 

座りっぱなしで固まった体を伸ばしている緑谷の横で催している峰田。調子に乗って飲み過ぎたのだろうか

 

「使何ここ、パーキングじゃなくね?」

 

「ねぇあれ?B組は?」

 

「お・・・おしっこ・・・」

 

「何の目的もなくでは意味が薄いからな」

 

「トトトトイレは・・・」

 

道の駅ですらもなく見晴らしのいいこと以外何もなくB組の姿もない事に疑問を抱く一同に横から相澤が話す

 

「よーーーうイレイザー!!」

 

「ご無沙汰してます」

 

そこへ女性が二人現れ、相澤は頭を下げる

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!

 

「「ワイルド・ワイルドプッシ―キャッツ!!」」

 

マンダレイとピクシーボブがいつもの前口上で登場し、その横で洸汰が立っている

 

「おゝとり、俺の隣にいろ」

 

「?はい」

 

相澤は数歩下がりながら健に指示をする、何かあるのだろうと思い自らも緑谷からこっそり距離を取る

 

「今回お世話になるプロヒーロープッシ―キャッツの皆さんだ」

 

「連盟事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!山岳救助を得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年でもう12年にもなる・・・」

 

「心は18!!」

 

緑谷の何時ものヒーローオタクとしての熱が入りプッシ―キャッツの来歴を説明し始めるが数字を言った瞬間ピクシーボブがグローブで緑谷の顔をふん掴む

 

「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね。あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね」

 

マンダレイが爪の先で指差す、森の奥に見える山が目印のようだ。因みにピクシーボブは緑谷を掴みながら心は18と言い聞かせている

 

「遠っ!!」

 

「え・・・?じゃあ何でこんな半端なとこに・・・」

 

「いやいや・・・」

 

麗日がなにか感づいたようだが砂籐はまさかそんな事はしないだろうとばかりに呟く

 

「バス・・・戻ろうか・・・な?早く・・・」

 

瀬呂が戻ろうと急かすがもう遅いようで

 

「今はAM9:30、早ければぁ・・・12前後かしらん」

 

「駄目だ・・・おい・・・」

 

「戻ろう!」

 

切島と芦戸が彼女らが本気だと直感で感じ取り全員に戻るよう叫ぶ

 

「バスに戻れ!!早く!!」

 

「12時半までに辿りつけなかったキティはお昼抜きね」

 

マンダレイが数歩下がりピクシーボブは地面に手を当てる、因みに緑谷は完全に手遅れだ

 

「悪いね諸君、合宿はもう始まってる」

 

相澤が言ったその瞬間地面の土が盛り上がり雪崩とも地滑りの如く土砂がA組を巻き込み崖の下へと押し流していった

 

「私有地につき“個性”の使用は自由だよ!」

 

「今から三時間!自分の足で施設までおいでませ!この魔獣の森を抜けて!!」

 

マンダレイが崖下に落ちていったA組にそう言った直後に相澤と健の方に近づいてくる

 

「すいません、お手数おかけしました」

 

「いいよ気にしなくて、これぐらいお安い御用よ。そして暫くぶりねおゝとりくん」

 

「はい、今回もお世話になります。以前来ていたのでなんとなく予感はしていましたが」

 

「先日のヴィラン騒動で毎度利用させてもらってる合宿先の情報は筒抜けになっている可能性を考慮してな、施設の責任者はあくまで一般の人だもしもの時の被害が計り知れない。となれば宿泊施設も運営しているプッシ―キャッツの方々が適任であると判断されたのさ」

 

土地勘のある健の予想に相澤が応える、宿泊先を急遽変更することでヴィラン側の行動を遅らせ、尚且つプロヒーローが運営しているとなれば向こうも早々手が出せないだろうとの事だ

 

「そういう事、私達が入ればプロヒーローは6人。戦力としてもそれなりになるから、しかし無茶苦茶なスケジュールだねイレイザー」

 

「まぁ通常2年前期から“修得予定のモノ”を前倒しで取らせるつもりで来たのでどうしても無茶はでます」

 

相澤とマンダレイが話している後ろでバイザーを弄ってレーダー情報を見ているピクシーボブ

 

「緊急時における“個性”行使の限定許可証。ヒーロー活動認可資格その“仮免”ヴィランが活性化し始めた1年生にも自衛の術が必要だ」

 

そのバイザーから送られてくる情報を見て目を見開くピクシーボブ、それと同時に森の中から衝撃音が響いた

 

「では引き続き頼みますピクシーボブ」

 

「くぅーーーお任せ!逆立ってきたぁ!」

 

ピクシーボブはA組が思いのほかやるようでテンションが上がっている。健は洸汰に近づき挨拶する

 

「暫くぶりだね洸汰君、またお世話になるよ」

 

「また来たのかよ・・・」

 

「まぁこの事は自分も知らなかったからね、今度ばかりは不可抗力だよ」

 

「・・・ふん、まぁいいさ」

 

「ありがとう」

 

ぶっきら棒にそっぽを向いてバスに向かう洸汰。そこにマンダレイが歩み寄る

 

「あれからちょっとだけど態度が軟化してね、以前より少し会話が増えたの。君のおかげよ」

 

「・・・そうですか。それはよかったです」

 

「いえーい!おゝとりくん!お姉さんに会いたかったでしょー!?」

 

ピクシーボブが健の背中に跳び込み首に片腕を回しもう片方のグローブで頭を軽くグリグリしている

 

「いえ、特には」

 

「も~~恥ずかしがらなくていいんだぞ!お姉さんはわかってるんだから!」

 

「ピクシーボブ、そろそろ移動したいんで一旦降りてもらっていいですか。この後おゝとりには色々手伝ってもらうんで」

 

「ちぇ、はいはい」

 

相澤に言われピクシーボブが唇を尖らせながらも降りる。健は先ほどから思っていた疑問をバスに乗りながら相澤に質問する

 

「相澤先生、なぜ自分だけ巻き込まれないよう誘導したのですか」

 

「ああ、お前は職場体験の時に同じような事をしたからってマンダレイから聞いたからな。落としてもアドバイスを求められて難易度を下げられては合宿にならない、単純な理由と言えばお前は前やったから免除ってことだ。先に施設に向かって荷物降ろしや食事の準備を手伝ってもらう。行くぞ」

 

「わかりました」

 

「それと、入浴となると・・・時間をずらしてもいいが・・・」

 

「いえ、そこまでしていただかなくても大丈夫です。何れ知られることなのですから」

 

それを最後にバスが動き出した

 

 

時間が流れ午後5時20分。宿泊施設、プッシ―キャッツのマタタビ荘

 

「やーーーっと来たにゃん。取り敢えずお昼は1人を除いて抜くまでもなかったねぇ」

 

ピクシーボブの視線の先にボロボロのA組が森から出てくる。1人はなぜか恍惚の表情だ、近づくのは良そう

 

「何が三時間ですか・・・・」

 

「腹減った・・・死ぬ」

 

瀬呂の元気のない抗議の横で切島が空腹で今にも倒れそうだ

 

「悪いね、私達ならって意味アレ」

 

「実力差自慢の為か・・・」

 

低血糖状態の砂籐がプッシ―キャッツのいやらしさに溜息をつく

 

「ねこねこねこ・・・でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより早く攻略されちゃったた。いいよ君ら・・・特にそこの4人」

 

ピクシーボブが爪指す先に緑谷、爆豪、轟、飯田である

 

「躊躇の無さは経験値によるものかしらん?彼もいいけど三年後が楽しみ!ツバつけとこーー!!」

 

(これで注目が移ってくれないかな)

 

そんな事を考えているなど露知らず、ピクシーボブは4人にツバをつけている後ろで相澤がマンダレイに質問する

 

「マンダレイ・・・あの人あんなでしたっけ」

 

「ごめんね、彼女焦ってるのよ。年齢的なアレで」

 

「適齢期と言えば――」

 

「と言えばて!!」

 

緑谷が年齢の話をした瞬間条件反射で口を塞ぐピクシーボブ

 

「ずっと気になってたんですが、その子はどなたかのお子さんですか?」

 

緑谷が洸汰の方に視線を向けながら質問する

 

「ああ違うの、この子は私の従甥よ。ほら洸汰!挨拶しな一週間一緒に過ごすんだから」

 

「あ、えと僕雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね」

 

「・・・ふん」

 

手を差し出す緑谷を一瞥し踵を返して施設に戻る洸汰

 

「あ・・・」

 

「こら従甥!!アイサツをしないのはスゴイシツレイに値するぞ!!」

 

飯田が指摘するも無視して中に入っていった

 

「マセガキ」

 

「お前に似てねぇか?」

 

「あ?似てねぇよつーかてめェ喋ってんじゃねえぞ!!舐めプ野郎!!」

 

「悪い」

 

マセガキと言っている爆豪だが轟どころか他多数も同意見で似た者同士である、口に出さないだけだ、天然の轟を除いて

 

「茶番はいいからさっさと中に入れ、荷物は全員分おゝとりが各部屋に運んでいる。そのまま食堂で夕食、その後入浴で就寝、本格的なスタートは明日からだ。早くしろ」

 

相澤が後ろ指で施設を差しA組は移動を始める

 

「そういえばおゝとりくんはなんで落とされなかったの?」

 

施設に入り食堂に向かう途中で緑谷が健になんとなく聞き出す

 

「実は職場体験の時にこれと同じ腕試しがあったんだよ」

 

「ええっ!?1人であの数と距離を」

 

緑谷が素直に驚く

 

「でも自分の時は崖から落とされなかったし距離も半分以下、数も減らされてたから緑谷君達に比べたら優しいものだったよ。それに基本逃げ隠れだったから」

 

「そうか・・・無理に正面から戦わずに時に身を隠すなどして消耗を抑え脱出・・・期末試験の復習も兼ねてたのか・・・何という盲点・・・!!」

 

「それでも俺はスゴイと思うぞ。いきなりあんな状況で冷静に動けるヤツなんて早々いないしな」

 

飯田が深読みしすぎてる後ろで轟が肯定しさり気なく爆豪を見る

 

「こっち見んなクソが!俺だって一人でやれるわ!!」

 

「そうだな」

 

轟はまたも天然を発動していた

 

TO BE CONTINUED




今年も一話でも多く投稿できるようにがんばりますのでよろしくお願いします
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