僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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仕事の方が多忙だったため投稿が遅れました。申し訳ありません、今回は話があまり進みません


エピソード 22

 

林間合宿が始まりA組、B組共に特訓が行われる中。そこから大きく離れた所で健は身を守る為、そして戦う為の術を自身に叩き込んだ師、おゝとりゲンの前に正座をして頭を下げている

 

「あの空間の修行以来だな」

 

托鉢笠を外し威厳のある声で健に語り掛ける

 

「はい、3年程振りでございます」

 

頭を下げながらハキハキと応える健にゲンは僅かに頷く

 

「どうだ、此処での暮らしは」

 

「はい。目まぐるしい毎日ではありますが充実した日々を送らせていただいております、クラスメイトの皆からもよくしてもらっており。正直いいますと自分には勿体なく思います」

 

「そうか、彼らと出会ったのは何かの縁だ。大事にするんだぞ・・・それに鍛錬も怠っていないようだな」

 

健はそこで頭を上げる

 

「学業と仕事で以前程の時間は取れませんが、毎日の鍛錬は必ず」

 

「うむ・・・では、やるか」

 

健はその言葉に反応し無言で師に目線を合わせる

 

「ありがとうございます」

 

頭を一度下げ立ち上がり体操服の上着を脱ぎ上半身ボディスーツ姿になる

 

「あれから3年、どれほど成長したかを見せて見ろ」

 

托鉢笠を横に投げ木の枝に引っ掛けるゲンに肩や脚を回し解し直した後構える健

 

「・・・」

 

目を細め足を地面に擦らせながら間合いを取る健、ゲンは錫杖を片手に持ち構える訳でもなく健を見据える、風が木々を揺らす音のみが聞こえる中健が地面を削り走り出す。土煙を上げながらゲンに接近し跳び蹴りを繰り出す

 

「とあぁっ!!」

 

「ふむ」

 

空気を切り裂く前跳び蹴りをゲンは半身を横に動かして躱す。健は素早く地面に手を突き入れブレーキを掛け着地、脚に力をいれ地面を蹴り上げ飛び掛かりざまにオーバーハンドブローでゲンの頭頂部に拳を振り下ろす

 

「跳び蹴りが躱されてからの次の攻撃の隙を少なくした行動、悪くはない」

 

ゲンは錫杖を動かし健の拳を横へ逸らす

 

「防御しずらい上からの攻撃も悪くない・・・だが」

 

体勢が崩れ前のめりになった健の顎を掴み逆方向へぶん回し後頭部を地面に叩きつける

 

「ごっ!!」

 

「まだ詰めが甘い、お前ならもっと精度を上げられるはずだ」

 

ゲンが手を離し数歩離れる。健は素早く立ち上がり構えなおす

 

「はい!」

 

短い返事の後歩幅を大きく取りゲンに素早く間合いを詰め正拳と蹴り、膝や肘、五体を全て使い打ち込む。ゲンはそれに表情を変える事無く錫杖と手で受け流し、そして紙一重で躱しながら彼の動きを観察する

 

「まだまだ修行が足りんが、以前より腕は上がっているな」

 

「ありがとうございます!!」

 

健は礼を言いながらゲンの顔面に向かって正拳突きを打ち込む。捉えたとおもったが手応えがなかった、ゲンは上半身を後ろに逸らし、紙一枚分程の隙間を空け攻撃を回避していた

 

「正確になったな。だが」

 

杖頭部で健の腹を突く。圧迫感とダメージで動きが鈍る

 

「・・・っ!!」

 

ゲンはがら空きになった胸部を蹴り上げる

 

「ぐあっ・・!」

 

前屈みの状態で足が僅かに宙に浮いた瞬間首の横に後ろ回し蹴りを打ち込み地面に叩きつける。けたたましい音と同時に衝撃が辺りに広がる、土煙が上がる中ゲンが着物を正す

 

「どうした。まだ終わりじゃないだろう」

 

煙が晴れ割れた地面に俯せで倒れている健が現れる。だが直に腕を立て上半身を起こす

 

「は・・・はい!お願いします!」

 

立ち上がり口元を拭った健が前傾体勢で構えゲンに相対した

 

 

それから時が進み時間は午後4時。日が山の向こうに隠れたころ、その日のトレーニングを終えたA組とB組は野外のキャンプ場に集まっている

 

「さぁ昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』って!!」

 

「己で食う飯ぐらい己で作れ!!カレー!!」

 

ピクシーボブとラグドールがそう言う前に調理に使う大量の食材と調理器具が並べられている

 

「イエッサ・・・」

 

「アハハハハ!!全員全身ブッチブチ!!だからって雑な猫まんまは作っちゃ駄目ね!」

 

グッタリと肩を落とし疲労により空元気もなくなんとか絞り出した声にラグドールは笑い飛ばしている

 

「確かに・・・災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環・・・」

 

飯田は食事作りを災害救助の要素の一つであると考え付く、多分勘ぐり過ぎだと思うが

 

「流石雄英無駄がない!!世界一旨いカレーを作ろう皆!!」

 

(飯田便利)

 

飯田はA組に発破を掛けるのを見ていた相澤、自身で考えてクラスを引っ張ってくれるので手間が省けるのだろう。それからして私服に着替えた生徒達が調理を行っている中それを見ていた相澤がスマホ片手に日が沈んでいく山の方を見ている

 

「相澤先生!おゝとりくんはまだでしょうか!?」

 

飯田が未だに戻ってこない健を気にしているようで相澤に確認する

 

「まだだ、時間を守るあいつにしては珍しいな。それとも持続時間を延ばすのに集中しすぎて気づいてないかだが」

 

健の事だから大丈夫だろうとGPSを切っていたのが裏目に出たのかと頭の片隅で考えている相澤

 

「日が落ちて暗くなり始めて来ています、我々が捜しに行くべきでは・・・」

 

飯田の進言にA組の複数が此方に顔を向ける

 

「何言ってんだ飯田。此処は広いし土地勘がないお前達が行動して迷ったら本末転倒だろうが。もしもの時はプッシ―キャッツ達が捜しに行く、いいから飯作ってろカレー焦がすぞ」

 

「はっはい!失礼しました!」

 

飯田が頭を下げA組に作業を続けるよう指示をだす後ろ姿を相澤が見ていると枝が揺れる音が聞こえた、後ろを振り返ると土と埃に塗れた健が草木を掻き分けて姿を現した

 

「すいません、遅れました」

 

「遅いぞ、訓練に集中するのは大いに結構だが時間はきっちり守れ。で、なんで遅れた?」

 

頭を下げて謝罪する健に相澤が溜息混じりで理由を問いただす

 

「飛行時間を延ばすことに集中していまして、だいぶ離れた所まで行ってしまいました」

 

「・・・はぁ、わかった。そういう事にしとくから早く着替えて夕飯づくりに入れ。次からは定期的に連絡しろ、いいな」

 

「はい、失礼しました」

 

健は今一度頭を下げ直にA組の元へと歩き出す。何人かにはフォローしてもらう中爆豪からはかなり怒られた

 

「なにテメェ遅れてきやがったボケが!!!時間はきっちり守れやなんかあったらどうすんだゴラ!そのための日程だろうが!!」

 

「うん、爆豪君の言う通りだよ」

 

言い方は悪いが正しい事を言っているだけなので健は平謝りをしていた

 

 

その日の全日程が終了し就寝時間、補修組以外は全員眠っている。健は布団に入りながらしごきを終えた後の師との会話を思い出す

 

「よし、今回はここまでだ」

 

ゲンが号令を掛けたその目の前で打ちのめされた健が俯せで倒れている

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

肩で息をしながら腕を立て起き上がり片膝を着いた状態で頭を下げる

 

「あ・・・ありがとう・・・ございました・・・」

 

「まだまだ鍛錬が足らん、精進しろ」

 

空を見上げ傾きかけている日を見る

 

「そろそろお前のクラスメイトの訓練も終わる頃だろう、戻る準備をしろ」

 

「はい・・・」

 

健は立ち上がり脱いだ体操着の上着を取り羽織りゲンと向き合う

 

「あの時よりは腕を上げたな。これからも励め」

 

「御指導ありがとうございました」

 

頭を下げ感謝を申し上げる健が頭を上げ口を開く

 

「あの、此処に来た理由はただ自分を鍛えるために来たワケではないのですね」

 

「そうだ」

 

ゲンは短く答え、続ける

 

「極近い未来、お前に・・・いや、お前達に苦難が訪れる。あの男からの伝言だ」

 

健は僅かに目を細める

 

「あの人からですか」

 

「ああ、ヴィラン連合とやらが本格的に動き始めている。あやつが言う事だ、生半可な事ではないだろうな」

 

空を見上げあの男の言葉を思い出し自身の推測を述べるゲン

 

「まあ、USJでの出来事もあります。目を付けられるのも当然でしょう」

 

「そうだ。手痛くやられた者程の執念深さは厄介だ、心しておけ」

 

「わかりました」

 

健の返事に頷いたゲンが網代笠をかぶり森の中へと歩きはじめ、健はそれを見えなくなるまで見送り、その後直に施設に向かって走った

 

(師匠の言う通り、なにか嫌な予感がする・・・注意しないと・・・)

 

心の中で呟き目を閉じる健、そこから離れた岩山の上、そこで佇む複数の人影がこの予想を実現させることに

 

TO BE CONTINUED




次回は出来るだけ早く投稿できるようにがんばります
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