僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~ 作:スルタン
強烈な林間合宿が始まって3日目の昼、今日も今日とて個性強化訓練に明け暮れる1年
「おい補習組、動き止まってるぞ」
相澤が顔を向けている先には切島達がいるが動きが悪い
「オッス・・・!!」
「すいませんちょっと・・・眠くて・・・」
「昨日の補習が・・・」
切島達の脳裏に昨晩の補習の光景が浮かぶ。時計の針が1時過ぎてるが
「だから言ったろキツイって」
今回の合宿、通常の就寝時間が夜10時なのだが補習組はそれから座学で数時間、就寝が深夜2時で起床が総じて午前7時、補修組は長くて5時間ほどしか睡眠がとれていないのだ
「そんで麗日!青山!お前らもだ、赤点こそ免れたがギリギリだったぞ。30点がラインなら35点、気を抜くなよ」
「ギリギリ!」
「心外☆」
麗日は相澤の言葉に冷や汗を流し青山は腹を抑え別の意味で冷や汗を流す
「何をするにも原点を常に意識しとけ。向上ってのはそういうもんだ、何の為に汗かいて何の為にこうしてグチグチ言われるか、常に頭に置いておけ」
健は昨日相澤から怒られた為飛行訓練は中止され代わりに肉体訓練を言い渡され、古代中国武術の訓練の一つ站椿功を行っている。大きく脚を開き膝を90度に曲げ、腕を前に出し、更には体のあちこちにウェイトを取りつけられダメ押しに水が満タンに入った椀を腕と太ももの上に載せられている。因みに朝からぶっ続けである
(自分の原点・・・か、言われてみれば考えたことなかった)
汗で地面に染みが出来上がる中今までの事を思い返す、突然の出来事で別の世界に行き、成り行きながらも目的を見つけそれを果たした
(あの時はがむしゃらだったからな・・・おっと)
考えに意識を集中させてしまい僅かに体が動くが直に立て直す
「ねこねこねこ・・・それより皆!今日の晩はねぇ・・・クラス対抗の肝試しを決行するよ!しっかり訓練した後はしっかり楽しい事がある!ザ!アメとムチ!」
「ああ・・・忘れてた!」
「怖いのマジやだぁ・・・」
「闇の狂宴・・・」
「イベントらしい事もやってくれるんだ」
「対抗って所が気に入った」
「というわけで今は全力で励むのだぁ!!!」
「イエッサァ!!!」
ピクシーボブの催しが後に控えていることで活力が戻った生徒達が威勢よく返事をかえす。健は動けないのでノーリアクションだった
~
そして時が過ぎ夕方、本日の訓練が終わり入浴を済ませ今は夕食作りの最中。爆豪が超高速でまな板に置かれた人参を切りボールに放り込んでいく。メニューは肉じゃが
「爆豪くん包丁使うのウマ!意外やわ・・・!!」
「以外って何だコラ包丁に上手いも下手なんざねえだろ!!」
麗日が爆豪の手つきの良さに感心している横で爆豪は怒りながらも手を止めずに作業を続けていく、意外は余計だと思う
「出た!久々の才能マン」
「皆元気すぎ・・・」
上鳴が様子を見ている後ろで訓練と補習で疲弊している切島。声に元気がない、そんな中健は砂籐と一緒に他の材料を用意していた。健はじゃがいもを砂籐は玉ねぎの下ごしらえをしていた。黙々と作業をしている二人、ふと砂籐が口を開く
「あのさ、おゝとり」
「ん?」
じゃがいもの皮をむきながら向かいにいる砂籐に顔を向ける
「今更言うのもなんだけどよ、お前すげぇよな」
「すごいって?」
砂籐の言葉に眉を僅かに動かす
「期末試験の時だよ、プロヒーローと一対一やり合って勝っちまうんだからさ」
「あれは勝ったといっても逃げ勝ちだよ。時間的猶予が与えられてたからできたようなものだよ砂籐君達と同じ時間だったら不合格だった」
「それでもさ。・・・なんかお前だけ遠い所にいるような気がする」
その言葉に僅かに視線を下げた健は止めていた手を動かす
「気のせいさ、仮にそうだとしたら自分から見たら一緒に歩んでいける君達が羨ましい・・・かな」
「?」
健の呟きに砂籐は首を傾げていた
~
「さて!腹も膨れた皿も洗った!お次は・・・」
「肝を試す時間だー!!」
夕食を終えて片づけを終え、ピクシーボブが言いかけたお楽しみの時間に芦戸のテンションが上がる
「その前に大変に心苦しいが、補習連中は・・・これから俺と補習授業だ」
「ウソだろ!!!」
相澤の非情な宣告に芦戸がすんごい表情になる、逃げようとするが無駄な努力で相澤のマフラーに捕まり引き摺られていく
「すまんな日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る」
「うわああああ!!堪忍してくれぇ!!肝試させてくれぇ!!!!」
芦戸達の悲痛な叫びに緑谷はどうする事も出来ず拳を握り耐えていた。ピクシーボブが説明を始める
「はい気を取り直して・・・先ず驚かす側、先攻はB組。A組は2人一組で3分置きに出発、ルートの真ん中に名前を書いたお札があるからそれを持って帰ること!」
「闇の狂宴・・・」
(また言ってる)
「脅かす側は直接接触禁止で、個性を使った驚かしネタを披露してくるよ」
「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!」
「止めてください汚い・・・」
耳郎が至極全うな事を言うがお構いなしに進行していく
「なるほど・・・!競争させる事でアイデアを推敲させその結果!!個性に更なる幅が生まれるというわけか・・・流石雄英!!」
多分プッシーキャッツはそこまで考えてないと思う
~
肝試しがスタートして12分後
「じゃあ5組目・・・ケロケロキティとウララカキティGO!」
定期的に夜の森から響く叫びに麗日がビクついているが蛙吹は動じることなく連れていく。因みに組はクジ引きで健は緑谷と同じで最後の組だ。叫びは耳郎と葉隠だろうか
「意外と本格的だね・・・」
「うん、本来なら小道具とか使う物だけど個性を使ったアトラクションとなれば脅かしの幅も広いだろうね」
そんな事を話しているとマンダレイとピクシーボブがある方向を見ながら声を上げる
「何この、焦げ臭いの・・・?」
「黒煙・・・」
緑谷もその匂いに気付いて周りを見渡すと森の方が青い光が上がっている
「おゝとりくん!あれ!」
「これは・・・嫌な予感がする」
あれは光ではなく炎だ、青い炎が自然現象で起こるのは先ずない。つまり人為的に起こされたものだ、考えられることは一つ
「マンダレイ!テレパスでみんなに伝えっ!?」
ピクシーボブがマンダレイにそう言いかけた時背後からの存在の反応に遅れる。サングラスを掛けた男が布で包まれた太い棒を頭部に打ちつけようとした時、横から伸びた手が受け止める。男の傍にいた爬虫類の肌をした男が僅かに動く
「あら、案外やるじゃない」
「気を取らせての背後からの奇襲は常套手段ですからね」
健が棒を掴み上げる
「ピクシーボブ!!」
「私は大丈夫!」おゝとりくん離れて!!」
マンダレイとピクシーボブが戦闘態勢をとる
「ん・・・!力比べは悪手ね・・・!!」
サングラスの男が棒に手を添えた瞬間、健は体が逆方向に押されている感覚に晒される
「貴方体大きいからどこまで飛んでいくか楽しみね!」
「なんとっ・・・!」
男が口角を上げた瞬間健の巨体が後方に大きく弾き飛ばされた
TO BE CONTINUED
次は何時になるかわかりませんが気長にお待ちいただければと思います