僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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登校が遅れて申し訳ありません。今回は殆ど話が進みません


エピソード25

 

ヴィランが合宿所から撤退して約15分が経った後に警察と消防が到着し生徒達の救助と消火活動が始まる。数人の消防隊員と警官が逃げ遅れがいないかを捜しに森を捜索する

 

「おーい!誰かいないかー!」

 

「いたら返事をしてくれ!」

 

草むらと枝を掻き分け少し開けた所に出る

 

「うっ・・・!」

 

「これは、一体・・・」

 

隊員達の目の前の地面に夥しい程の血痕と争った跡が広がっている。何があったのかは想像に容易い

 

「ん?」

 

一人の警官が血痕が別の場所に続いているのを見つける、足跡や引き摺った跡がないことから直様それを辿り草むらを掻き分け何かを見つけたのか他の隊員に向かって叫ぶ

 

「居たぞ!応援を呼んでくれ!」

 

警官が木に背を付けもたれ掛かっている生徒の肩に手を掛けようとした瞬間消防隊員がその手を掴み止める

 

「待て!」

 

「おい、こんなことしてる場合じゃ!!」

 

「よく見ろ!素手で触ったら只じゃ済まないぞ!!」

 

消防隊員の言葉で警官が改めて生徒を見ると顔から血の気が引く

 

「防護服と担架を持ってくるんだ!!急げ!間に合わなくなる!」

 

隊員の怒号でその場にいた全員が弾かれるように行動を開始した

 

 

林間合宿から二日後、合宿所から一番近い庵木総合病院に重傷者の一人である緑谷が無言で天井を見つめていた。二日間激痛とそれによる気絶を繰り返し怪我による高熱にうなされていた。幸いリカバリーガールが来院し個性で持ち直したが両腕はギプスでがっちり固定され点滴のチューブも繋がっている。顔を横に向けると棚の上に緑谷の母引子が置いて行った剥いたリンゴの入った皿が置かれているが食べられるわけもなく

 

「恍太くん・・無事かな・・」

 

緑谷は恍太の秘密基地で指名手配犯のマスキュラーとの戦闘で巻き込んでしまった恍太の事を呟いていると病室の扉が開く

 

「あー緑谷!!目ェ覚ましてんじゃん」

 

「え?」

 

そこにいたのは上鳴で挨拶をしながら病室に入るとその後ろからA組の面々がゾロゾロ入ってくる

 

「テレビ見たか!?学校今マスコミでやべーぞ」

 

「春の時の比じゃねぇ」

 

「メロンあるぞ!皆で買ったんだ!」

 

座学組と幸い軽症で済んだメンバーが見舞いに来てくれたようだ

 

「迷惑をかけたな緑谷・・・」

 

常闇が合宿で起こったトラブルを謝罪する

 

「ううん・・・僕の方こそ・・・A組皆で来てくれたの?」

 

一緒に来ていた飯田が状況を説明する

 

「いや、耳郎くん葉隠くんはヴィランのガスによって未だに意識が戻っていない、八百万くんは重傷という程ではないが大事をとって此処に入院している。おおゝりくんも同様だ、だから来ていたのはその4人を除いた・・・」

 

「・・・15人だよ」

 

「爆豪いねぇからな」

 

「ちょっ轟・・・」

 

麗日の言葉と轟の無情の現実のに芦戸が止めようとする

 

「・・・オールマイトがさ・・・言ってたんだ。手が届かない場所には救けに行けない・・・って」

 

緑谷は以前オールマイトの言っていた事を思い出し呟く

 

「だから手の届く範囲は必ず救け出すんだ・・・僕は・・・手の届く場所にいた。必ず救けなきゃいけなかった・・!僕の個性は・・その為に個性なんだ。相澤先生の言った通りになった・・・体・・・動かなかった・・・!」

 

目の前で爆豪が連れていかれる瞬間を思い出したのか。動かなければならなかったのに体が言う事を聞かず何もできなかった不甲斐なさと悔しさに目から涙が溢れる

 

「じゃあ今度は救けよう」

 

「「「へ!?」」」

 

切島の唐突過ぎる提案にその場にいた轟以外全員が素っ頓狂な声を上げた

 

「実は俺と轟さ、昨日も来ててよ。緑谷の病室に行く途中でオールマイトと警察が八百万と話してるとこに遭遇したんだ」

 

合宿でヴィランの強襲に伴い、偶然居合わせたB組の泡瀬洋雪と共に行動していた八百万はA組B組の捜索の途中で脳無に遭遇。ほぼ鉢合わせに近い状態で戦闘・・・正確には撤退戦になった。脳無の猛攻に遭うがどこか急いでいる風に動きが大雑把であり八百万も泡瀬も負傷こそ負うも致命傷は避けられたのだ。それから数分も経たずに脳無が追撃を止め撤退を開始、その隙に八百万が発信機を創り泡瀬の個性、溶接で脳無の体に張り付けたのだ。当の脳無は気にする素振りもせずに去っていった。オールマイトに渡したのはその信号を追う為のデバイス、それを切島と轟は見ていたのだ

 

「・・・つまりその受信デバイスを、八百万くんに創ってもらうということか?」

 

飯田の質問に切島と轟は沈黙で返す、沈黙を肯定と確信した飯田が直ぐに反論する

 

「オールマイトの仰る通りだ!プロに任せるべき案件だぞ!?生徒の出ていい舞台ではないんだぞ馬鹿者!!」

 

「んなもんわかってるよ!!でもさ!何っもできなかったんだ!!ダチが狙わてるって聞いてさァ!!何もできなかった!!しなかった!!」

 

飯田が自身の過去の過ちを思い出し、何としてでも切島を止めようと声を荒げる。切島自身も自分がやろうとしている行いが決して許されることではないと分かっている。だがあの時施設にいた不可抗力があったとはいえ爆豪を助けに行くことをしなかった自身に怒りを覚える想いを吐き出す

 

「ここで動けなきゃ俺ぁ!!ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!!」

 

「切島落ち着けよ・・・拘りはいいけどよ、今回は・・・」

 

「飯田ちゃんが正しいわ」

 

上鳴と蛙吹がなんとか切島を落ち着かせようとする。同じクラスメイトとして何としてでも止めたいのだ

 

「飯田が皆が正しいよ、でもよ!!なァ緑谷!!まだ手は届くんだよ!!」

 

振り返り緑谷に手を差し出す。爆豪はヴィランの手に堕ちはしたが彼がそのままヴィラン側に寝返るなど天地がひっくり返ってもあり得ない、絶対に抵抗する。故にまだ可能性はあるのだ。緑谷は爆豪を助け出すことができる希望と不安が入り混じる表情で切島に目線を送った

 

 

「ええっと・・・つまりヤオモモから発信機のヤツもらって・・・それを辿って・・・自分らで爆豪の救出に行くってこと・・・!?」

 

芦戸が今までの会話を掻い摘んでまとめて切島と轟に確認する。2人とも頷く

 

「ヴィランは俺らを殺害対象と言い爆豪は殺さず攫った。生かされはするだろうが殺されないとも言い切れねぇ、俺と切島は行く」

 

「ふざけるのも大概にしたまえ!!」

 

「待て落ち着け」

 

声を荒げる飯田を障子が制する

 

「切島の『何もできなかった』悔しさも轟の『眼前で奪われた』悔しさもわかる。俺だって悔しい、だがこれは感情で動いていい話じゃない」

 

「オールマイトに任せようよ・・・戦闘許可は解除されてるし」

 

「青山の言う通りだ・・・助けられてばかりだった俺には強く言えんが・・・」

 

「皆爆豪ちゃんが攫われてショックなのよ。でも、冷静になりましょうどれ程正当な感情であろうとまた戦闘を行うというのなら、ルールを破るというのなら、その行為はヴィランと同じなのよ?」

 

蛙吹の正論にその場にいた全員が沈黙するほんの数秒の無音がやたら長く感じた時出入口からノックの音が響いた

 

「お話し中ごめんねー。緑谷くんの診察時間なんだけど」

 

そこにいたのは緑谷の担当医だった。流石にこれ以上話すわけには行かずクラスメイトが病室を後にし始める

 

「い・・・行こか、耳郎とか葉隠の方も気になっし・・・」

 

飯田もそれに続いて出ようとした時切島が緑谷に何か話しているのが聞こえた

 

「八百万には昨日話した、行くなら即行・・・今晩だ。重傷のおめーが動けるかは知らねえ、それでも誘ってんのはおめーが一番悔しいと思うからだ。今晩、病院前で待つ」

 

飯田はその話を聞き。張り詰めた表情のまま病室を出た

 

 

A組による見舞いが終わった後、飯田は他のクラスメイトと別れ1人集中治療室へと続く扉の前に立っていた。健の容態を見に来たのだ、本来であれば面会謝絶だが病院と学校側の計らいで生徒1人だけ入室が許可された。故に代表で委員長である飯田が来たのである、ガラス越しではあるが

 

「・・・」

 

自動ドアが開き一瞬躊躇するが直に中に入る。許可は得たが覚悟はしておくようにと強く言われたからだ、おゝとりがいる病床が見えたがビニールのカーテンに仕切られよく見えず。医師や看護師が出入りした時に捲れる時にしか見えない

 

「これだけ慌ただしく動いているということはそれほどひどいのか・・・?」

 

医療機器を持ってきた看護師がカーテンを大きく捲った時、健の姿がはっきりと見えた

 

「!!!」

 

飯田はその姿に堪らず口を押える、全身には幾多の管とチューブが繋がれ患者衣の下は全身包帯とガーゼで巻かれその殆ど血と体液と膿がにじみ汚れている。看護師は頻繁にそれを取り替えている

 

「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

飯田は壁に手を着き呼吸を整えようとするが余りの凄惨さに動悸が止まらない、そこに足音が近づいてくる

 

「君、大丈夫かい?」

 

飯田が顔を上げるとスマホ片手に黒いシャツを着崩した男がいた

 

「す・・・すいません。みっともない所を」

 

「無理もないさ、彼があんな状態ならね」

 

飯田は椅子に座り男はガラスに近づき健の様子を見る

 

「これは手酷くやられてな」

 

「あの、貴方は・・・おゝとりくんの関係者の方ですよね」

 

「ああ、一応身内かな」

 

男は振り返ることなく応える

 

「・・・なんとなくわかってはいたんですが・・・こんなことになっているなんて」

 

飯田は項垂れ両手で顔を覆う

 

「医師から聞いたが、今夜が山らしい。常人なら数分所か数秒経たずに事切れる程の状態をよく持ち堪えているものだ」

 

男の言葉に素早く顔を上げる

 

「それだけひどいんですか!?」

 

「なんせこの地球上に存在する最も強力な動物と植物のもつ自然毒を合わせて尚且つ数百倍に強力にしたものを打ち込まれたんだとさ」

 

飯田はその言葉に血の気が引いて行くのがわかった

 

「・・・助かるんですか・・・?」

 

「彼の生命力次第だな」

 

男の言葉に飯田は視線を下げる

 

「心配するな。彼は死なない、以前にも似たような事があったからな」

 

「?それってどういう・・・」

 

言葉に意味に疑問符を浮かべた飯田が視線を戻した時、男の姿はもうなかった

 

「あの人は一体・・・・」

 

辺りを見回すが姿どころか気配すらない。改めて健の方を見る、身じろぎすらせず死んだように横たわっているが彼は今も闘っているのだ

 

「すまない、緑谷くんはまた馬鹿をやろうとしてる。俺としてはなんとかしてでも止めたい・・・君がいてくれたらどれだけ心強かったか・・・そろそろ行くよ、絶対に死ぬなよ」

 

そう呟き飯田は集中治療室を後にした、緑谷達を引き留めるために

 

TO BE CONTINUED




次回は本編と並行する形で独自展開を考えています
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