僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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竜頭蛇尾にならないよう頑張っていきたいと思います。短いですがご覧いただければ幸いです


エピソード 1

 

今日は月曜日、青年はアパートの扉を閉め鍵を掛ける。これから学校に行くのだ。出入口を掃除していた大家さんに挨拶し通学路を進む、小高い丘の上に彼の通う中学校がある。因みに校名は伊等霧中学校と云う、校庭から教室までクラスメイトと挨拶を交わし雑談を交わしながら朝のHRが始まるまで時間を潰す。チャイムが鳴り男性の担任教師が入ってきてHRが始まる

 

「よしみんなおはよう、出欠を取るぞ」

 

一人ずつ名前を呼び、呼ばれた生徒が応えていく。そして青年の番になる

 

「おゝとり、おゝとり健」

 

「はい」

 

健は教師の呼び出しに応える、それから全員分の名前を呼び確認した後これからの日程を伝える

 

「全員いるな、3年生になった君たちはこれから進学に向けて準備を進める事になる」

 

教師はプリントの束を取り出す

 

「これから配るプリントに進学したい学校の名前を書いてほしい、その後先生と面談をしてもらう、そういえばみんなはヒーロー科志望だったね」

 

教師のヒーロー科というフレーズに反応して皆個性を発現してアピールをする。腕や足が伸びたり体の一部が変質したり、水や空気を出したりなど。色々な個性が揃っている、教師はやんわりと無暗に個性出すのは禁止だぞというが止めしない

 

「なぁ、おゝとり。お前はどうすんだよ!」

 

その時後ろにいる男子に声を掛けられた健は振り返る

 

「ん?僕?」

 

「そうだよ!お前もヒーローになるんだろ!」

 

男子生徒の言葉に皆が反応して注目が集まる、健は少し困った様子で頬を掻く。彼は皆がアピールする中只一人何もしていないなかったのだから

 

「ごめん、僕はヒーロー科に入ることはできないよ」

 

「そんなことないぜ!?お前の身体能力なら十分狙えるじゃんか!」

 

男子生徒の言葉に周りの生徒がうんうんと頷く

 

「最初は考えたよ。でも、僕は無個性だから。プロのヒーロー達は漏れなくみんな個性を持ってる、何も持たない僕じゃ、仮にヒーロー科に行けたとしても“そこ”で終わってしまうよ。それに進める道は一つじゃない」

 

健は自分を忌避しながらやんわりと断る、其処に教師が手を叩き生徒達が正面を向く

 

「兎に角、一時限目は希望する進路先を書いてくれ。おゝとりも取り敢えず希望を出して欲しい、その後先生と話そう」

 

「はい」

 

そのまま授業が始まり生徒達は周りと相談などをしながら志望先を決めていく。健はプリントを見ながら顎に手を当て考える

 

(どうしようか、仮に高校に進学するにしてもバイトOKの所がいいな。そしてできるだけ学費が抑えられる所となると、公立や国立になるよな・・・でももし駄目だったら・・・まあ、定時制の高校に行くって手をあるか)

 

その時、彼の背中が指で突かれる。振り返ると先ほどの生徒が申し訳なさそうな表情であった

 

「さっきはごめん、お前の事情、知ってたのにさ・・・」

 

「そんなの気にしないで、偶々僕がそうだっただけなんだよ。大丈夫、実は定時制高校に行こうと思ってるんだ、それなら働きながら通えるからね」

 

「・・・ありがとうな、なら進路とか俺も相談に乗るぜ!」

 

「でも」

 

「?」

 

「無個性がヒーローになったという前例がないだけで、無個性はヒーローになれないと決まってるわけじゃない。受けてみようと思う」

 

健がそういうと周りの生徒達も集まる。みんなが喜んでくれた

 

「みんな、ありがとう」

 

生徒の皆は口々に気にしないで、同級生だから偶には頼ってくれよ、全員で進学しよう!と言ってくれた

 

 

1時限目が終わりこれから出席番号順に教師との面談になる、呼ばれた生徒以外は自習になる。最初に呼ばれた生徒が戻って来てから次の生徒に伝え入れ替わるように面談室に向かう、それを繰り返し遂に健の番が来る。自習を中断し教室を出た

 

「なぁ、まさかおゝとりがヒーロー科受けるなんて。あいつってそうそう決心変えないのにな」

 

最初に健と話していた男子生徒に別の男子生徒が話しかける

 

「ああ、俺も驚いたよ。正直、あいつの才能、俺が言うのもどうかと思うけどこのまま腐らせるのは勿体ないっておもってたんだよな」

 

「そうそう、少し前だっけ?山道の舗装の工事の事故で崖から落ちたロードローラーを金属ワイヤーを使って片手で岩肌に手突っ込みながら登ってたからな」

 

「他にもあったよ、滑落しかけた超大型のダンプカーを引っ張り上げてた」

 

女子生徒も会話に入ってくる

 

「大から小まで数えればキリがないよな、ここまで来たら個性持ちの俺達が霞んじまうレベルだよ」

 

「そんなあいつが無個性ってだけで道が狭まっちまう、受けるならすげぇハンデになるな」

 

「うん・・・でも、おゝとり君なら大丈夫だよ!」

 

健は面談室の前に着き扉をノックする、中からどうぞという声が聞こえ扉を開け入る。椅子に座り教師との面談に入る

 

「君の進路希望を見させてもらったよ。定時制高校に通うと言っていたけど」

 

「はい、仕事しながら通うつもり・・・だったんですけど、自分だけ受けないじゃ後味悪いですから。駄目元で受けてみます」

 

「そうか・・・先生が言うのもなんだけど。君はいつか立派なヒーローになれるような気がするよ」

 

「まだ気が早いですよ先生、まだ受けるとしか決めてませんし」

 

教師の呟きに健は少し驚くも直ぐに平静になる

 

「なに、君なら大丈夫さ!がんばって雄英に行こう!」

 

「・・・はい!」

 

 

それから時は過ぎ、受験シーズン。3年生達は各々の進む道の為に全国の志望校へと向かって行く。健も例に漏れず2日後の受験に向かう為の出発準備を整え、明日の始発までの時間を使い工房の親方達に挨拶に来ていた

 

「そうか、雄英を受けるか」

 

「はい、明日の朝発ちます」

 

親方が頷き、健は頭を下げる。そこに中年の男性が肩に手を置く

 

「受かっても此処の心配はしなくていい。お前が来てから村にも活気が出て来た、後は俺たちが盛り上げていくさ。お前はやるべき事に集中しな」

 

「はい!」

 

その後雑談をして親方達と別れ帰宅、部屋に置いてあるリュックを開き最終確認を済ませた後、窓を明け夜風が入る。

 

「いよいよ2日後か・・・」

 

窓の前に座り眠るまでの時間を夜空と星を見て過ごした。次の日の早朝、荷物を持ち始発の汽車を待つ。アパートを出るときに大家さんと親方達が見送りに来てくれ。大家さんは汽車の中で食べてと弁当を差し出され感謝しながら受け取る、最後に頭を下げ見送られながら駅へと向かった。汽車が止まりそれに乗り込む、運転手以外誰も乗っておらず適当な席に座り外を見る。流れる景色を見ながら大家さんにもらった弁当を見る

 

「さて、と。頑張っていきますかね」

 

汽車が進んでいく内に少しずつ建物が増えていきやがて終点の一番大きい駅に着く。ホームに降り新幹線に乗るために乗車券を購入し、少し時間を潰した後また乗り込む。新幹線特有の加速と静粛性に身を委ね、購入したスマホを取り出しこれから行く場所の情報収集をする。図体が大きいので6.7インチの画面でも操作が少々まごつく

 

(今から行くところは静岡、此処から大体8時間って所か・・・駅には夕方過ぎ、予約したビジネスホテルに着くのは夜か・・・)

 

そんなことを思考しながら更に情報を集める、一番気になったのが去年の4月に起こったヘドロ事件である。強盗を働いたヘドロのヴィランが偶々近くに来ていたオールマイトと遭遇し捕縛したが何らかの原因で脱出、爆破の個性を持つ同い年の中学生を乗っ取り田等院商店街に被害をもたらしたらしい、その後同じ学校の生徒が飛び出し突撃。急な出来事で隙ができたと同時にオールマイトの必殺技デトロイトスマッシュで四散、その後ヒーローと警察に身柄を拘束された。憑りつかれた少年の情報はあれど突撃した少年の情報はなかった、なにか事情があったのだろうがこれ以上考えても仕方ない。突撃した少年の行動の是非は正直わからない、だがもし自分がその立場だったらと考えながら新幹線の車窓から外を眺めた

 

TO BE CONTINUED




読んでいただきありがとうございました。原作に支障がないようにはしてみました、よければ参考にしたいので御意見御感想があればお願いいたします
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