僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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数話投稿していましたが、再構成の為エピソード1は再編集しました。ストーリーとして無理が生じてしまいましたので書き直すことになりましたのでよろしくお願いします


エピソード 2

 

ビジネスホテルで一夜を明かし早朝、着替えと受験に必要な書類を確認した後ホテルを出て雄英高校に向かって歩きはじめる。個性の訓練や大規模な行事を行うために必然的に広い敷地が必要なので街から離れた所になる。雄英に向かう途中で駅やバス停から受験生が健と同じ方向に向かって歩きはじめる。時間と共にその人数も増えていく

 

(みんな受験生か、それも当然だ。雄英はオールマイトの出身校でありヒーロー養成校の日本の代表格と云われる。入るだけでも箔が付くというものだ)

 

健は目線だけを動かしながら周りを確認する、だが直に気持ちを切り替える。いよいよ正門に着く、やたら大きい校門を潜り受験の事前説明のホールへの案内に従って進む。その途中で緑髪の癖っ毛の少年が余程緊張しているのか残像が見えるくらいに足を震わせている、どうやら金髪の少年とひと悶着あったようだ。その状態で歩き出そうとしたものだから案の定躓いて顔面から地面に前のめりになる。健は助けようと動こうとしたがそこに茶髪のショートボブの少女が彼に触れると落下が止まり浮き上がる。その後少年を立たせ少し言葉を交わした後少女は屋内に向かって行く、少年はというと何とも言えない声を出していた。恐らく女子と話したのが原因だろう

 

 

ほんのちょっぴりの騒ぎの後予定通りに入学試験が始まった。最初は筆記試験、こう見えて健は筆記関係の試験は意外に緊張してしまうのだ

 

(どうしてもこういう時は無駄に気が張ってしまうな・・・僕の悪い癖だ)

 

時間が来るまで解いたが緊張でド忘れしてしまった所もあったので少し不安が残った。だが今それを考えていても仕方がない、次はいよいよ実技である。巨大な視聴覚室に受験生全員が集められ実技試験の内容説明が始まる。演説台に派手なサングラスにこれまた派手な金髪に鶏冠のような逆立った髪型をした男性が現れた

 

「今日は俺のライヴにようこそー!!! エヴァバディセイヘイ!!!」

 

プレゼント・マイクのハイテンションな呼びかけに受験生達は沈黙で返す

 

「こいつぁシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクっとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」

 

YEAHH!!!とシャウトをかましたが勿論一人も返さない。基本こういう時にマイクのノリに付いていける人の方が珍しいだろう

 

「これまたシヴィ!!んじゃ渡されたプリントを見ながら聞いてくれよ!!」

 

実技内容は10分間の『模擬市街地演習』との事、自身の個性を活かす物品の持ち込みは自由。説明後は各自指定の会場に移動となる。演習場には仮想敵が配置されており数は三種類、敵の強さに応じてポイントが違い行動不能にしたらポイントがもらえる。当然他者への妨害などは御法度。此処までがマイクの説明通りなのだが仮想敵の項目にABCの他にもう1つDの項目がある。それに関してはポイント加算は0と表記されている、疑問に思っていると声が響く

 

「質問よろしいでしょうか!?」

 

眼鏡を掛けた男子生徒が天を衝くほどに直線の挙手に皆の注目が集まる

 

「プリントには4種の敵が記載されてあります!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」

 

それから眼鏡の男子生徒は後ろを振り向きあの緑髪の男子生徒を指さし注意する。緑髪の生徒は委縮し周りから微かな笑いが聞こえる、マイクは質問に答える

 

「オーケーオーケー、受験番号7111君ナイスなお便りサンキューな!4種目の敵は0ポイント!そいつは言わばお邪魔虫!スーパー〇〇〇ブラザーズやったことあるか!?」

 

伏字の理由は察してください

 

「あれはド○○ンみたいなもんさ!各会場に1体!所狭しと大暴れしている『ギミック』よ!他に聞くことはあるかい!?」

 

成程・・・避けて通るステージギミックか

 

まんまゲームみてえな話だぜこりゃ

 

「有難う御座います、失礼いたしました!」

 

マイクの質問の回答に周りの受験生が呟く。眼鏡の男子は見事な90度直角の礼をして着席する

 

「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校“校訓”をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!!“Plus Ultra”!!それでは皆、良い受難を!!」

 

プレゼント・マイクの試験説明が終わり受験生達が次々と実技用の服装へ着替える為用意された更衣室へ向かう。横にずらりと並んだ個室のおかげで殆ど待つ必要がなさそうだった。僅かな順番待ちをしている間他の受験生達の出で立ちを見ると腕や脚、胸部や背中にサポートアイテムを装着している人たちが殆どだ。ああいうのは男心を擽られるのは健も例に漏れず、そんな事を考えながら更衣室に入り上着を脱ぎ黒のボディスーツの上に白の半袖シャツを着て紺色でゆとりを持たせたデニムのカーゴパンツ、靴は重作業で使う長編上靴を履き靴紐を結ぶ。準備が終わり直に移動用のバスに乗り込む。そこで丁度緑髪の学生と丁度乗り合わせた、周りの受験生は先ほどの説明会での出来事でヒソヒソ小さな声で話している。緑髪の学生は周りからの声と緊張でガチガチに固まってしまっている。後ろに座っていた健はそんな彼に声を掛ける

 

「こんにちは、どうやら同じ試験会場みたいだね」

 

健に声を掛けられた緑髪の学生は肩をビクンと跳ね上げる

 

「ひゃいっ!!こ、ここ!!こんにちは!」

 

「ごめん、いきなり話しかけてびっくりさせちゃったね。僕はおゝとり」

 

「いい、いや・・こっちこそごめん。僕は緑谷」

 

緑谷は振り返りお互いに自己紹介をする。健が声を掛けてくれたので僅かに緊張が解けたみたいだ

 

「緊張してる?」

 

「・・・うん、本来ならここにいること自体あり得ないっていうか・・・もしかして、おゝとり君も?」

 

「正直いうとかなり緊張してる。昔からこういう試験関係のやつは苦手でね、特に筆記が・・・もしかしたら実技ではよくても筆記で落ちてるかも・・・」

 

「ええ・・・」

 

緑谷の質問に健は正直に答える。緑谷が何とも言えない表情をしているとバスが止まる、2人が前を見ると試験会場の正門前に着いていた。他の受験生が折り始める

 

「ううう・・ついに実技・・・緊張してきた・・・」

 

「兎に角後は頑張ってやりきるしかないよ」

 

2人は立ち上がり最後にバスを降りた

 

 

緑谷と健は試験が始まる前にお互い一旦別れる。健は少し離れた所にいると緑谷が先ほどの眼鏡の学生にまた注意を受けていた。

 

あいつ校門前でコケそうになってたやつだよな

 

注意されて委縮しちゃったやつ

 

少なくとも1人ライバル減ったんじゃね?

 

周りの受験生からまたもやヒソヒソと嘲笑されている。周りは兎も角眼鏡の学生は悪気はなくかなり真面目なんだろうと考えていると

 

『ハイスタートー!』

 

皆がプレゼント・マイクの声がした方を向く。監視塔めいたタワーから縁に片脚を掛けアナウンスするマイクが見えた

 

『どうしたぁ!?実戦なんてカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?」

 

それを聞いた瞬間緑谷以外の集団は走り出す

 

「緑谷君!さあ行こう!」

 

健は緑谷の方を振り向きながら集団に付いて行く。緑谷はその声に呼応して走り出した

 

(集団で走ってても恐らく取り合いになるだろう、学校側も一か所にまとめて配置はしないだろうし)

 

健の前方には受験生達が既に仮想敵との戦闘を始めている、そこで集団から外れ横道に入ってみる。小道を進んでいると突然建物の壁をぶち抜いて緑色に塗装されカメラアイを赤く光らせながらこちらに頭部を向ける項目に載せてあった1Pの仮想敵だ

 

「目標補足!!ブッ殺ス!!」

 

人に対してあまり言ってはいけないセリフだが健はそれに動揺することなく拳を握らず無駄な所に力を入れずに両手を胸の前に構える。仮想敵がタイヤを滑らせ両腕を振り上げる、見た目以上な大ぶりな攻撃を健は敢えて間合いを詰める。屈みこみながら接近しその背後に仮想敵の両腕が地面を穿つ、隙だらけになった頭部を掴み素手で装甲を缶詰の蓋を剥がすようにボルト毎引き剥がす。剥き出しになった機械部分が露になり丁度真ん中に四角いコンピューターチップの様な物があったので直ぐに取り外すと仮想敵は機能を停止する

 

「行動不能にすればOKだったな。ならこれで1P」

 

チップを動かなくなった仮想敵のボディの上に置きながら呟く、その瞬間前後から上方と先ほどと同じく壁を破りながら複数の仮想敵が現れる。今度は2Pや3Pの敵が含まれている

 

「どうやら隠してあった仮想敵のセンサーが反応したようだ、1Pの仮想敵を倒して安心してるところを奇襲するように配置してあったんだろう」

 

蠍に蛇の首が付いたような仮想敵が前後から2体、多脚特有の脚運びで地面の瓦礫を物ともせず近づいてくる

 

「「CRASH!!!」」

 

蠍型の仮想敵が同時に終体を動かし健を叩き潰そうと尾節を振り下ろす、健は足元の瓦礫の破片に鉄筋があるのに気づき屈みこむ、頭上で叩き潰そうとしていた尾節がかち合い金属音が響く。蠍型の仮想敵が衝撃で体勢を崩したところを瓦礫からもぎ取った鉄筋を尾節に突き上げる、尾節の中ほどを貫き健が瞬時に鉄筋をコの字型に曲げ地面に突き立て足で踏みつける。地面にめり込み動きを封じられた仮想敵は暴れるも胴体部分の3つのカメラアイに貫手を打ち込まれ機能を停止する。そこにもう残ったもう1体の仮想敵がこちらに向かってくる。健はもう1本の鉄筋をまたコの字に曲げ首に向かって投げる。首に鉄筋が辺り後ろの壁にめり込み磔めいた状態になった仮想敵の胴体に正拳を打ち込み腕をめり込ませ部品を掴み引きちぎると残った1体も機能を停止する

 

「これで5P」

 

「発射!!!」

 

そこに少し距離が離れた所から蜘蛛型の仮想敵が背中に背負った六角形のユニットをこちらに向けてくる。健が警戒した瞬間ミサイルが飛んできた

 

「飛び道具の個性を持ったヴィランもいるからそれも想定しての事か!」

 

健は直正面に横倒れしている崩れた柱を蹴る。超人的な脚力で蹴られた柱は大小の破片に砕けミサイルに当たり爆散、残った破片の幾つかが仮想敵のボディに甲高い音を響かせる。煙を突破して仮想敵に飛び乗り箱状の頭部を掴みもぎ取った

 

「やっと8P・・・他は・・・」

 

仮想敵に頭部を動かなくなったボディの上に置いて横道を抜け大通りに出る。奥の方では未だに戦闘が行われているがその途中で負傷している受験生が幾人か倒れていたり壁にもたれかかっている。命に別状はないようだが痛みで動けないでいる

 

(体感的に残り8分を切っているだろう・・・今からあの集団に突っ込めば何とかなるだろうけど・・・)

 

健は先頭集団の方と怪我人の方を交互に見る

 

(無理もないか、みんな合格することに必死なんだ。そこまで意識するのは至難の業だ・・・8Pしか取れなかったが、放っておく理由にはならないな。縁がなかったということで諦めよう)

 

数秒で思考を済ませ直に近くの倒れている怪我人に駆け寄る

 

「大丈夫かい?」

 

「うう、足が・・・」

 

男子生徒の右足を見ると仮想敵に攻撃されたのだろう青痣が広がっている

 

「内出血を起してる。無理に動かないで」

 

腕を自身の肩に回し慎重に立ち上がらせ隅に連れて行き仰向けに寝かせる。負傷した足の下に瓦礫を置いて胸より高い位置まで上げズボンのポケットから冷却シートとテーピングを取り出し膝と足の関節をテーピングで保護しシートを張る

 

「応急処置は終った。試験が終了したら医務室に行ってちゃんと治療してもらうといい」

 

「す、すまねぇ・・・」

 

「いいさ、さて、他の人の手当をしないと」

 

健は次に瓦礫にもたれ掛かっている女子生徒の所に駆け寄る。頭を抑えている

 

「どこか痛む所はある?」

 

「頭が・・・痛くて、目が・・・霞む・・・」

 

健はそれを脳震盪と判断し動かすことはせず背中と頭を抱えながらゆっくり寝かせる。回復体位をとらせ額に冷却シートを貼り安静にさせる

 

「痛みが和らいでも動かないで、実技が終わったら医務室に連れて行ってもらおう」

 

「あう・・ありが・・」

 

「それは後、今は喋らないで」

 

健はその後も救護活動を続けた、動かすことができる人は背負ったり抱え込んだりして安全な場所まで移動し切創を負っている人には消毒と止血を施し脱臼をした人には動かさないようにテーピングで固定し冷却シートで処置を施す。数分後、全員の処置が完了し健は辺りを見渡す。他に負傷者はいないようだ、その時背後から最初に助けた男子生徒に声を掛けられる

 

「なあ・・・君は行かなくていいのか?」

 

「いいよ、この状況じゃもう仮想敵も残っていないだろうし」

 

「今から先頭集団に向かえばまだ間に合うはずだ!俺達の事は・・・イテテ・・・!!」

 

男子生徒は大きな声で喋ったので怪我に響いたようだ

 

「怪我人を置いて行くわけにはいかないよ。此処一帯の仮想敵は一掃されたみたいだけどもしかしたら潜んでる可能性もある。怪我人を襲わないという保証もないから、試験が終わるまで君達を警護するよ」

 

「でもそれじゃ君の試験が・・・」

 

「ポイントは8P、トップは恐らく2桁後半に行ってる。どちらにせよ足りない、縁がなかったということさ、それにヒーロー科だけが全てじゃないよ。普通科でもヒーロー科に編入できるチャンスがあるからね」

 

その時遠くから地響きと共に巨大な機械が建物を破壊して出現する

 

「あれは確か0Pの仮想敵・・・」

 

男子生徒が呟く

 

「集団がこっちに向かって来てる、流石にあの大きさの相手は無理のようだ」

 

健がそれを見ていると巨大仮想敵に向かって人が一人飛び上がって行く、彼はその背中に見覚えがあった

 

「あれは緑谷君!」

 

「あの注意されて委縮していた人か!!」

 

緑色のプラズマを纏った緑谷が右腕を振りかぶり巨大仮想敵を殴りつける。そのボディが砕け潰れペシャンコになり崩れる、だが様子が変だ

 

「なあ、なんか変じゃないか?よく見えないけど片腕と片脚がふらついてるような・・・個性の反動か?」

 

「・・・どうだろうか」

 

健が思考していると緑谷が落下していく、健は助けに行こうとするが負傷者を警護しなくてはならない状況に板挟みになり行動が遅れる、その時校門で見たショートボブの女子学生が浮いた仮想敵の破片に乗りながら落ちる緑谷に触れるというかもはやビンタをかまして地面に激突寸前に浮かせる。次に両手を合わせると個性が解除されたのか周りに浮いていた破片毎地面に落着。緑谷は体を引きずり動こうとした時、プレゼント・マイクの声が響いた

 

『終了ーーー!!!!』

 

無情にも試験が終わった、健は救護した学生達に一言伝え緑谷の元へ走り出す。彼の元に辿り着くと右腕と右足はあらぬ方向に曲がっている、その横でショートボブの女子学生が虹色に液体を口から流している。酔って吐いたのだろう。健は緑谷の傍に駆け寄る

 

「緑谷君!大丈夫かい」

 

俯せに倒れている緑谷を腕と足を庇いながら仰向けにする。その顔は涙と鼻水で濡れその表情は悔しさに溢れていた

 

「・・・ごめ゛ん・・・!おゝどりぐん゛!!なにも゛、できながっだ・・・!!」

 

残った左腕で涙を拭う緑谷に健は慎重に腕と足を正しい位置に戻しながら応える

 

「それは僕も同じさ、こっちはたったの8P。合格ラインにはきっと届かないよ」

 

健は一回息を吐く。なにやら周りがヒソヒソ話しているが構わず続ける

 

「でも君は彼女を救った。その身を挺してね、ヒーローは敵を倒すのも大事だけど傷ついた人を救う事も大切だと思うよ。僕からみれば、君は立派なヒーローさ」

 

「!!!」

 

健の言葉に緑谷は痛みに耐えながら聞いていた。処置を続けていると其処に緑谷を注意していた眼鏡の学生がいた

 

「僕になにかできることはないか」

 

「ありがとう、せめて固定したいから添え木になりそうなものをあると助かるよ」

 

 

その後雄英の屋台骨であるリカバリーガールの個性で緑谷を含む負傷者は回復、その後試験の全日程が終了し受験生達は皆帰っていく。健も帰ろうと正門に向かって歩いていると背後から声が掛かり振り返る

 

「おゝとり君!」

 

「緑谷君、怪我は大丈夫かい?」

 

「リカバリーガールが治してくれたから大丈夫、今日はありがとう。色々気にかけてくれて」

 

「きにしないで、僕から始めた事だから。折角だし途中まで付き合うよ」

 

「うん!」

 

緑谷と健は並んで雄英を後にした

 

TO BE CONTINUED




今回は此処までです。再構成しなおしたので文章や構成に問題がなければ幸いです。御意見御感想があればよろしくお願いします
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