僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~ 作:スルタン
雄英高校の入学試験から暫く、健が通う中学校。3年生は各々入試を受けた高校からの結果通知の緊張をクラスメイト達と共有しながら過ごす日々を送る、そんなある日健は何時ものように学校からの仕事を終えアパートに辿り着く。自分の部屋に入ろうとした時、郵便のバイクが止まり配達員から書留の封筒を受け取る。封筒は雄英高等学校の物であった
(ついに来たか)
配達員に礼をいい部屋に入る。荷物を置き机の上で封を解く、一枚の書類と薄い丸い機械が入っていた、道理で厚みがあったわけだ。機械を手に取り机の上に置くとその機械から立体映像が投射された
「技術の進歩は凄いな」
そんな事を呟いていると映像に黒い服装に白いマフラーめいた物を首に巻き無精髭を生やした小汚い男性が映し出される
『映ってるか?んじゃさっさと行くぞ。俺は相澤消太、受験番号8164番、おゝとり健。結果を伝える前に今回の試験結果の詳細を伝える』
(正直筆記も実技も微妙だったからな・・・)
健はそんな事を考えながら映像を見る
『筆記は取り敢えずパスした。試験には弱いタイプか?それは直しとけ。んで実技の方だが・・・』
筆記は合格したことに取り敢えず胸を撫で下ろす。だが問題は実技の方だ
『実技の説明にあった敵ポイントは計8P、悪いがこれじゃ合格をやるわけにはいかない』
「やっぱり無理だったか、でも後悔はないからいいか」
『だがPは敵を倒すことが全てじゃない、これと別にもう一つ。それは救助P、他人の手助けや気遣い・・・まあそんな所だ。してお前の場合十数人の負傷者を移送して尚且つ適格な応急処置、その後試験が終わるまで護衛に徹した』
相澤が健の行動の評価を細かく伝える
『救護活動をしている時は敵にとっては恰好の的だ、だがお前は周囲を警戒しながら行動していたのは分かってる。実は何体かの仮想敵を隠しててな、油断してたなら奇襲、負傷者を放置して敵Pを稼ぐ行為をすれば減点にするつもりだった』
(仮想敵が壁から出現してたから警戒していて正解だったな)
『ということで結果は敵P8、救助P52。合格だ。雄英に来い』
雄英高校の入学が決まったことで健は気が引き締まる
『P計算については勘弁してくれ、あの後お前が助けた連中から温情の嘆願があったからな。もちろんそれは出来ない、だがお前のその精神は審査員達もかなり評価していたぞ、んで試験が終わってからも巨大仮想敵をぶっ飛ばして自滅した奴も気に掛けていた。それに関してもPをやりたいがな』
「あの人達が、感謝しなければ」
『同封していた書類に入学日とその他の日程、制服の手配の仕方やらが明記してある、それに従うように』
書類を手に取り確認する、相澤の言う通りの事が明記されている
『そして最後に、本来なら2クラス合わせて40人が定員だが、お前が入る事で特例としてA組は21人になる。雄英でお前の実力を見せてみろ』
相澤の言葉に健は目を細める
『言い忘れてたがオールマイトも教師やるからな、んじゃ』
それを最後に映像が途切れた。それに合わせたように健のスマホが鳴る、発信者を確認すると緑谷だった。あの時連絡先を交換したのだ、画面をタップし耳元に当てる
「おゝとり君!!通知来た!?」
「うん、さっきね。合格したよ」
「よかった~!!僕も合格したよ!!」
健と緑谷はお互いに合格したことを確認した。その後入学までの日程を確認しあい幾つかの雑談を交えた後電話を切る
「良かった、これで親方や学校のみんなにいい報告ができそうだ」
~
その次の日、先ず学校に報告。合格通知を見せると担任もクラスメイトもみな喜んでくれた。学校が終わった後親方達にも報告する
「そうか、合格したか」
「やったなおゝとり!!この村から雄英の合格者が出るなんて初めてだぜ!」
親方は腕を組み頷き中年の主任が健の背中をバシバシと叩く
「いえ、これも周りの方々が支えてくださったお陰ですよ」
「だが雄英に合格したのはお前の実力だ。誇っていい」
健が謙虚さに親方は自信をつけさせるように言う
「そんでいつここを出るんだ?」
「入学は4月の初旬ですので1週間前ぐらいには向こうに移る予定です」
「そうか、此処も広くなるな」
主任が感慨深く工房内を見回す
「こっちの事は気にするな、お前はこれからの事に集中すればいい」
「・・・わかりました、その時までここにお世話になりますよ」
「わかった。だが高校の事を優先するんだぞ」
「はい」
それから暫く、日が顔を出さない早朝。霧がかかる中健は荷物を背負い部屋を出る、大家さんの部屋に向かおうとした時に丁度大家さんが出てきた。どうやら見送りをする為に待っていたようだった。今までの感謝を伝え部屋の鍵を返し幾つか言葉を交わしているとそこに親方と主任も見送りに来てくれた、改めて感謝を伝え駅へと続く道を歩きはじめる。駅に着き始発の汽車を待ちながら今まで歩いてきた道を振り返る
(此処ともお別れか・・・やっぱり少し寂しいな)
そんな事を考えていると汽車がライトを照らしながらホームに入ってくる。それに乗り込み運転手以外誰のいない中適当に座席に着く。健は朝食に大家さんからもらった弁当を見る、流れる景色を見ながらケンは呟く
「さてと、がんばりますかね」
そしてついに今日が雄英高校の入学日、制服に袖を通し新しく移り住んだ部屋を出る。大家さんの伝手で幸い雄英からそこまで遠くない所に部屋を借りれたのは幸運だった。管理人さんに挨拶をして徒歩で学校に向かって歩きはじめる。校門を潜り案内を見ながら自身の教室、1年A組の教室へと移動する。高校の割に建物が大きいので迷わない様にしないとと考えていると背後から声が掛かる
「あっ!!おゝとり君!」
「緑谷君、暫くぶりだね」
緑谷が小走りで手を振りながら近づいてくる。横に並び一緒に歩き出す
「おゝとり君はどっちのクラスなの?」
「1年A組だよ、緑谷君も?」
「うん、僕も同じ。お互いがんばろう!」
「そうだね」
そんな事を話していると1年A組の教室の前に辿り着く、扉がやたら大きい
「あった・・・けどドアでっか・・・バリアフリーかな」
「4メートルはあるね、自分の軽く倍以上だ」
「まあ、個性の影響で大きい人はいるからそれを見越しての設計なんだよきっと」
緑谷はそういいながらどこか緊張しながら教室の扉を開くと
「机に足をかけるな!先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねーよてめー!どこ中だよ端役が!」
(2トップ!!)
「ボ・・・俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」
「聡明~~!?くそエリートじゃねぇか、ブッ殺し甲斐がありそだなぁ!」
「君ひどいな!?本当にヒーロー志望か!?」
実技の時に居合わせた眼鏡の男子生徒と机に足を乗せている薄い金髪と赤目の三白眼の男子生徒がなにやら言い争いをしている緑谷は固まっている
「どうしたの?」
「いや・・・あの人。僕の幼馴染で・・・」
「へー、随分と過激な人なんだね」
冷や汗を掻いている緑谷を横で健は現時点での感想を述べる、2人がなんやかんや言ってると飯田がこちらに気付くと過激な人との会話を打ち切りこっちに歩いてくる
「俺は私立聡明中学の・・・」
「聞いてたよ!あっと僕、緑谷。よろしく飯田君・・・」
「よろしく、そして君はあの時の・・・」
「うん、僕はおゝとり、これからよろしく」
「こちらこそよろしく頼む」
そして飯田は緑谷の方にむかって実技の試験の構造とかそれに気付けなかったとか見誤っていたとか言ってたが緑谷の方はそんなのわかっていなかったという表情だった
「そしておゝとり君!」
「どうしたの?」
ロボットダンスの様な手振りで手を向けられ僅かに驚く
「君の他者に対する気遣いには敬意を表する、負傷者がいるのに君が来るまで何もしなかった自分が恥ずかしい・・・」
飯田は手を握り締めあの時の場面を思い出す
「状況が状況だったから仕方ないよ。いきなり救護活動なんていきなり言われてもできる事じゃないから」
「ならこれから君から学ばせてもらうよ。改めてよろしく頼む!」
飯田は手を差し出してきて健はその手を握ると扉から女子の声が響く
「あ、そのモサモサ頭は!!」
3人が振り向くとあの仮想敵の破片の上で虹色の液体を口から流していたショートボブの女子生徒がいた
「プレゼント・マイクの言ってた通り受かったんだね!!そりゃそうだ!!パンチすごかったもん!!」
「いやっ!!あの・・・!本っ当あなたの直談判のお陰で・・・僕はその・・・」
腕を蛸のような軟体生物めいた柔軟性で顔の周りで動かす緑谷、多分女子とあまり話したことがないのだろうなと健がそんな事を考えているとチャイムが鳴る
「今日って式とかガイダンスだけかな?先生ってどんな人だろうね。緊張するよね」
女子生徒にかなり接近され緑谷が顔を赤くしていると開いた扉の廊下側から声がした
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
廊下に寝袋を纏った長い黒髪に無精髭を生やした小汚い男が横たわっていた
「ここは・・・ヒーロー科だぞ」
(なんかいるぅ!!!)
ゼリー飲料を寝袋から取り出し一瞬で全部吸い尽くすともぞもぞと芋虫の様な動きで立ち上がり寝袋を脱ぐ。健は通知の時点で知っているので驚いてはいない
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」
(先生!!?)
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
(担任!!??)
相澤は寝袋に手を突っ込み弄ると一着の上着を取り出す
「早速だが、全員
そういうと相澤は寝袋を引き摺って出ていく。緑谷達は数秒呆気に取られながらも直に体操服を取り出し更衣室へ向かった
~
「「「「個性把握・・・テストォ!?」」」」
グラウンドに集合したA組から困惑した声が響く
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
「・・・!?」
ショートボブの女生徒の質問に相澤は一蹴するとそのまま続ける
「雄英は“自由”な校風が売り文句だ、そしてそれは“先生側”もまた然り」
「・・・・?」
A組は相澤の言葉の意味を図りかねているようだ
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、状態起こし、長座体前屈・・・中学の頃からやってるだろ?個性禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている、合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」
相澤は何かの端末をチラつかせながら薄金髪の男子生徒の方を向く
「爆豪、中学ん時ソフトボール投げ何mだった」
「67m」
「じゃあ個性使ってやってみろ、円から出なけりゃ問題ない、何してもいいからはよ。思いっ切りな」
円の中に入った爆豪にボールを投げ渡す。爆豪は腕を解して構える
「んじゃまぁ」
爆豪は大きく振りかぶり
「死ねえ!!!」
爆発と共にボールが吹っ飛ぶ
((((・・・死ね?))))
吹き飛んだボールは地面に落着した瞬間電子音が鳴る
「先ずは自分の「最大限」を知る事、それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ」
相澤が持っていた端末に電子音が鳴りそれを皆に見せる。記録は705.2m
「なんだこれ!!すげー
「705mってマジかよ!?」
「個性を思いっきり使えるんだ!!流石ヒーロー科!!」
誰が言ったかはわからないが何人かが歓声を上げていると相澤の目が座る
「・・・面白そう・・・か・・・ヒーロー科になる為の三年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのか?」
真顔でオーラを噴出する相澤に殆どの生徒がたじろぐ
「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し。『除籍処分』としよう」
「「「「はああああ!!?」」」」
(相澤先生、あの表情は本気だな)
健は相澤が本気で最下位を除籍処分にするつもりである事を直感で理解する
「生徒の如何は
TO BE CONTINUED
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