僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~ 作:スルタン
相澤にグラウンドへ呼び出され、初日から個性把握テストを言い渡されたA組。それも順位最下位は除籍処分、傍から見れば横暴かつ理不尽な宣告に納得する人はいないだろう
「最下位除籍って・・・!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても、理不尽すぎる!」
ショートボブの女生徒の抗議に相澤は淡々と返す
「自然災害・・・大事故・・・身勝手な敵達、いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる・・・そういう
相澤は人差し指を自分の方へクイと動かす
「“Plus Ultra”さ全力で乗り越えてこい。こっからが本番だ」
(相澤先生はあの時実力を見せろと言った。今の自分の力を示さないと納得しないだろうな)
その言葉を皮切りに除籍の掛かったテストが始まった。最初は50m走だ。クラスメイト達は個性を駆使してタイムを出す。中でも飯田は断トツだった、ついに健の番になるが隣には誰もいない
「おゝとり、悪いが出席番号はお前が一番最後だから相方はいない。目立つだろうが集中しろ」
「わかりました」
スタートラインについてスターティングブロックを手早く調整して足を掛け、両手を地面に着ける
「なぁ、あいつどんな個性なんだろうな?」
「わからねぇけどあの体格だから発動系辺りだろ」
赤髪と金髪の男子生徒の声が聞こえたが今は競技に集中するスタートラインの横に立つロボットが合図をする
『位置二ツイテ、ヨーイ』
合図と共に腰を上げ制止する
『START!』
足に力を入れた瞬間スターティングブロックがメギョリとひしゃげ、右足が地面に着いた時には後方に台座毎弾け飛ぶ。そのせいでもたついてしまうもの走りきりゴールラインを超えるとロボットがタイムを報告する
『6秒43』
「しまった、スタブロを壊してしまった」
そこに相澤が近づいてくる
「おゝとり、実力を出せと言ったが物を壊せとは言ってないぞ・・・次からお前だけスタブロなしだ」
「申し訳ありません」
相澤の叱責におゝとりは頭を下げる
「見ろよ。原型留めてねぇ・・・」
「固定用のアンカーも吹き飛んでるし・・・」
赤髪の生徒と萄めいた髪型の生徒がスタブロの惨状を見て戦慄していた。次は握力測定、体育館でやるようだ。最初に右手の握力を図る、指を解した後ハンドルとクリッパーを一緒に握り力を入れた瞬間破裂音が響いた。握力計に目をやると部品が飛び散りハンドルとクリッパーが健の掌の中で一体化していた。それを見ていた相澤に視線を合わせると端末を見ながら告げられる
「測定不能っと・・・左はしなくていい、どちらにせよ同じだ。後加減しろよ、握力計もタダじゃないんだ」
「どうなってんのこれ・・・あいつの手はスクラッププレス機かなんかか・・・」
数人の男子生徒が一体化したクリッパーとハンドルに驚愕していた。第三種目は立ち幅跳び。腕を前後に振りを重心が前へ掛かった時に跳躍、そのまま砂場を飛び越える
『記録、12m』
(まぁ、こんなもんかな・・・)
ロボットの結果報告に心の中で呟いていると相澤にまた怒られる
「お前記録出したいのか破壊活動したいのかどっちなんだ、グラウンドボコボコにしやがって」
「すいません・・・」
次は反復横跳び、これは特に気をつけることはないので動きに無駄が出ない様にする
『記録、95回』
第五種目はソフトボールで順番待ちをしようと近づくと何人か集まっていて何か話している
「緑谷君はこのままだとマズいぞ・・・?」
「ったりめーだ無個性の雑魚だぞ!」
「無個性!?彼が入試時に何を為したか知らんのか!?」
「は?」
飯田が緑谷の事を気に掛けている中爆豪はそれが当然という言い方だった。無個性と言い放った事に飯田が反論する。爆豪は会場が違ったのだから仕方ない面もあるが、だが健は緑谷が無個性とは到底思えなかった
(あの巨大仮想敵を倒したのは間違いなく個性が発動したからだ、なぜ怪我をしたのかまでは分からないけど)
心の中で思考していると緑谷がボールを投げる。その距離は46m
「い・・・今確かに使おうって・・・」
「個性を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ、お前のような奴も入学できてしまう」
「消した・・・!!あのゴーグル・・・そうか!!抹消ヒーローイレイザーヘッド!!!」
「イレイザー?俺・・・知らない・・・」
「名前だけは見たことある!アングラ系ヒーローだよ!!」
周りがイレイザーヘッドの事について話している間緑谷は相澤にマフラーで巻かれたりしてなにか言われていたが直に解放される。緑谷はなにかブツブツと呟きながら円に入る、相澤は点眼薬を打っている。目が乾きやすいのだろうか
「何か指導を受けていたようだが」
「除籍宣告だろ」
緑谷の状態を見て推測する飯田にめっぽう酷い事を言う爆豪、幼馴染と聞いたが結構辛辣ではないかと思う。緑谷は大きく振りかぶり投げた、一回目とは比べ物にならない球速と飛距離。結果は705.3m
「あの痛み程じゃ・・・ない!!先生・・・!まだ動けます!!」
「こいつ・・・!」
右の人差し指が紫色に変色して内出血を起しているがそれに耐えている。皆が口々に何か言ってるが爆豪が手を爆発させながら緑谷に迫るが相澤にマフラーで巻き取られながら止められた。そして相澤はドライアイだった、爆豪が相澤に怒られた後に残りの種目がはじまった。因みに健の記録は450m。因みに因みにショートボブの女生徒の記録は∞だった。次は上体起こし。これといって変わったことはなかった。記録は70回、前屈も特になく記録は110センチ。最後の1500mは8位、個性でバイクを出してきたのは驚いた、機動力が発揮できる個性持ちは皆上位だった
「んじゃ、パパっと結果を発表するぞ。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ、口頭で説明すんのは時間の無駄なんで一括表示する」
相澤が端末を操作し順位を立体映像で出す。健は8位、そこそこの順位である。緑谷の方は21位、最下位だった。表情は暗い
「因みに除籍の件は嘘だ」
「「「「!?」」」」
相澤の言葉に数人を除いて皆がポカンとしていると
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「「はーーーー!!!???」」」」
数人を除いた全員が驚愕している、特に飯田と緑谷とショートボブの女子。緑谷に至っては心霊現象の写真に出てくる幽霊めいた画風になっている
「あんなの嘘に決まってるじゃない・・・ちょっと考えれば分かりますわ・・・」
バイクを出して一位でゴールしたポニーテールの黒髪の女生徒がそう言うが健はそれに心で返す
(いや、ああいう人は可能性がなければ本気で落とす。そうしないということは可能性があると感じたからだ)
「そゆこと、んじゃこれにてテストは終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから目ぇ通しとけよ、んで緑谷。
相澤は緑谷に保健室利用書を渡し校舎へと歩き出す。生徒達も各自更衣室へと戻っていった
~
学校の波乱の初日が終了し下校時間、健は校舎を出て帰路に就く。すると前方に緑谷と飯田が一緒に歩いている、折角なので声を掛けてみる
「緑谷君、飯田君」
「あ、おゝとり君」
「おゝとり君、今日は大変だったな」
緑谷と飯田が応え3人で歩いていると飯田が先の個性把握テストを振り返る
「しかし、相澤先生にはやられたよ。俺は“これが最高峰!”とか思ってしまった!教師が嘘で鼓舞するとは・・・」
(飯田君、恐い人かと思ってたけど真面目なだけなんだ)
「いや、あれは嘘じゃないと思う」
健がそういうと2人がガバっとこちらに顔を向ける
「それはどういう意味だいおゝとり君!」
「恐らく見込みがないと判断されれば躊躇なしで切り捨てる。ああいう人は前にも見た事がある」
「で・・でも、先生は最下位の僕を除籍にしなかったよ」
緑谷は自分が除籍処分にならなかった事を引き合いに出す
「それは見込みがあると判断したからじゃないかな。君が個性で自爆してテストが続けられなかったら除籍処分にしてたと思う、でも緑谷君は活路を開いた。それが功を為したんだと思うよ」
「そっか・・・これからもっと頑張らないと」
その時3人の背中に声が掛かる
「おーい!お三方ー!!駅まで?待ってー!」
ショートボブの女生徒が走ってくる
「君は∞女子」
((∞女子))
「麗日お茶子です!えっと飯田天哉君におゝとり健君に緑谷・・・デクくん!だよね!!」
「デク!!??」
爆豪がよく吠えてたのを麗日は名前と勘違いしているようだ。蔑称であるのだが麗日に好感を持ったと言われた瞬間緑谷は一瞬でデクと自分で言い始め飯田がツッコんだのは言うまでもなかった。その頃オールマイトが一室で何かを手に取り呟く
「安心してる時間はないぞ少年・・・明日からが本番だ」
TO BE CONTINUED
読んでいただきありがとうございます。お盆が終わりましたので投稿までの期間が長くなるかもしれませんがよろしくお願いします。御意見御感想がありましたらよろしくお願いします。