僕のヒーローアカデミア ~MAN OF STEEL~   作:スルタン

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投稿が遅れました、申し訳ありません。今回は屋内の戦闘訓練です、主人公はちょっとズルします


エピソード 5

 

激動の個性把握テストを終えた翌日、当然ながら雄英は学校なので普通の授業も存在する。午前中は通常の授業、今はプレゼント・マイクによる英語の授業

 

「んじゃ次の英文の内間違っているのは?」

 

てっきりハイテンションなのかと思えばかなり静かである

 

「おらエヴィバディヘンズアップ!!盛り上がれー!!!」

 

((((普通だ))))

 

(クソつまんねぇ)

 

(関係詞の場所が違うから・・・4番!)

 

午前中の授業が終わると当然の如く昼食である、雄英には大食堂がありそこに勤務するクックヒーロー、ランチラッシュの提供する一級の料理を安価で提供してもらうことができる

 

「白米に落ち着くよね最終的に!!」

 

「すいません、麦飯で七分付きでお願いします」

 

「・・・・」

 

健が丁度やってきて白米どころか麦飯を注文してきた。昼食の後は午後の授業、遂にヒーローとしての最初の一歩を踏み出す

 

「わーたーしーがー!!」

 

「来っ・・・!!」

 

オールマイトのおなじみの前口上が響き緑谷が反応する

 

「普通にドアから来た!!!」

 

窓をぶち破って登場するわけでもなく教室の扉を開いて登場するオールマイト。学校の備品を壊すわけにもいかないので当然であるが

 

「オールマイトだ・・・!すげぇや、本当に先生やってるんだな!!」

 

「銀時代のコスチュームだ!画風違い過ぎて鳥肌が・・・!」

 

クラスメイト達は生のオールマイト、なにより今はもう見れない昔のコスチューム姿に感激している。オールマイトは教壇に上がりヒーロー基礎学の授業内容の説明を始める

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をを作る為様々な訓練を行う課目だ!!」

 

単位数が最も多いと付け加えながら溜めをしてBATTLEと書かれたカードを掲げる

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」

 

「戦闘・・・」

 

「訓練・・・!」

 

緑谷はその言葉に驚き、爆豪は血肉湧き踊るような表情を浮かべる

 

「そしてそいつに伴って・・・こちら!!!」

 

オールマイトの声に同期して壁から機械的な作動音と共に教室の壁から柱がせり出す

 

「入学前に送ってもらった“個性届け”と“要望に”沿って誂えた・・・コスチューム!!」

 

おお!!!と皆が期待に胸を膨らませる中緑谷は自身のリュックを抱きしめる

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!恰好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!自覚するのだ!!今日から自分は・・・ヒーローなんだと!!」

 

 

クラスメイト達はコスチュームに着替えグラウンドに集合する。皆其々個性的なコスチュームに健は観察しながら思考する

 

(みんな個性的な装備と恰好をしているな。自分は相も変わらずだけど・・・)

 

「ん?おゝとり君!!君は試験の時と同じ服装なんだな!」

 

「あ、飯田君だったんだ。まぁ、今はまだどんなコンセプトにしようか決め兼ねててね」

 

全身装甲でフルフェイスのマスクをしていて一見すると誰だか分らなかったが。そこに緑谷もやってきた、見た限り制作会社の製作品ではなく手製だろう。耳の所がどう見てもオールマイトのリスペクトだろうか。そんな事を考えていると麗日と話している彼はなにやら驚いている、コスチュームのせいだろうか

 

「ヒーロー科最高」

 

「ええ!?」

 

「良いじゃないか皆!カッコイイぜ!!!」

 

「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」

 

フルフェイスのマスクを被った飯田がオールマイトに質問する

 

「いいや、もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で見れば屋内の方が凶悪ヴィラン出現率が高いんだ」

 

オールマイトが授業内容の真意を説明する。今回の演習のルールは2対2のツーマンセルの屋内戦を行うとの事だった

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

 

「ブッ飛ばしてもいいんスか」

 

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか・・・?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか!?」

 

「このマントヤバくない?」

 

「んんん~~~聖徳太子ィィ!!!!」

 

矢継ぎ早の質問に如何に№1ヒーローといえど10人の話を一度で聞いた聖徳太子にはなれず対応できないようだ。一人全くの無関係な事を言っているが。オールマイトが掌半分程のカンペを取り出しルールの説明を始める

 

「いいかい?状況設定はヴィランがアジトに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収する事、ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事!そしてコンビ及び対戦相手はクジで決めるぞ!」

 

オールマイトはクジの入っているであろう箱をスッと皆の前に差し出す

 

「適当なのですか!?」

 

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いしそういう事じゃないかな・・・」

 

「そうか・・・!先を見据えた計らい・・・失礼いたしました!」

 

「いいよ!!早くやろう!!」

 

飯田の疑問に緑谷がオールマイトに代わって答える。四六時中コンビで活動する事は出来ないしオフの時などで事件に出くわして相方の到着を悠長に待つわけにもいかない、なれば現地にいる他のヒーローとの緊急タッグを組むことは十二分にあり得る話だ。オールマイトの説明が終わりコンビを決める為にクジを引いていく、次々と組が決まり最後に健がクジを取ると星型のマークがついたボールを出てきた

 

「むむ!?おゝとり少年がそれを引いたか!今年のA組は21人だからどうしても定員越えが起こってしまうんだ、今回は特別ルールとして君以外の訓練が終わり次第もう一度全員でクジを引く、そこで君はヒーローチームとして参加し、そのパートナーと相手のヴィランコンビを決めようと思う。それまで待っていてくれ」

 

「そうですか・・・わかりました」

 

「すまないね、では!続いて最初の対戦相手は・・・こいつらだ!!」

 

オールマイトがHEROとVILLANと其々書かれた箱に手を突っ込みボールを取り出す

 

「Aコンビのヒーロー!Dコンビのヴィランだ!!ヴィランチームは先に入ってセッティング!5分後にヒーローチームが潜入でスタートとする!他の皆はモニターで観察するぞ!!」

 

訓練を開始するチームを残し、皆がオールマイトと共に演習を行うビルの地下のモニタールームへと移動した

 

 

場所を移り此処はモニタールーム、空間に幾つもの立体映像型のモニターが表示される。健は何時見ても近未来で便利な物だなと考える

 

「さぁ君達も考えて見るんだぞ!!」

 

オールマイトはクリップボード片手にペンを構える、恐らく審査だろう。訓練がスタートした瞬間爆豪が核兵器が置いてある部屋から飛び出していく。ヒーローチーム側は二人で行動している。定点カメラで両チームの様子を確認できるが爆豪は真っ先に一階へと向かう。階毎の構造も大体同じ造りだろうと考えた時、緑谷と麗日が歩いている通路の角から爆豪が飛び出す

 

「いきなり奇襲!!!」

 

緑谷にヒーロー科最高と言っていた少年が声を上げる。爆豪が右手を振りぬいた瞬間爆発が起こる、緑谷は麗日を庇う様に飛び込み攻撃を回避する

 

「爆豪ズッケェ!!奇襲なんて男らしくねぇ!!」

 

「緑君よく避けれたな!」

 

赤髪の少年とピンク髪の少女が其々二人を評価する

 

「奇襲も戦術!彼らは今、実戦の最中なんだぜ!」

 

爆豪が何かを言って更に攻撃を加えるが緑谷が右腕を大ぶりを掴み一本背負いで地面に叩きつける。そして緑谷が何かを叫び爆豪が立ち上がり吠える、モニタールームでは彼らの声は聞こえないがかなりいら立っているようだ。爆豪が左首部分のプロテクターに指を当て何かを話している

 

「アイツなに話してんだ?定点カメラで音声ないとわかんねぇな」

 

「小型無線でコンビと話してるのさ!!持ち物は+建物の見取り図に・・・」

 

オールマイトが懐からテープを取り出す

 

「そしてこの確保テープ!コレを相手に巻き付けた時点で捕えた証明となる!!」

 

そこでピンク髪の少女がオールマイトに質問する

 

「制限時間は15分間で核の場所はヒーローには知らされないんですよね?」

 

「YES!」

 

「ヒーロー側が圧倒的不利ですよねコレ」

 

「相澤君にも言われたろ?アレだよ、せーの!!」

 

Plus Ultraと皆と一緒に言おうとした時それに丁度派手なコスチュームの少年の声で思いっ切り被さる

 

「あ、ムッシュ爆豪が!」

 

「」

 

皆がモニターを見ると爆豪が個性の爆破の勢いを使い緑谷に襲い掛かる。緑谷は麗日に指示を出したのか彼女が走りだし、その隙に爆豪の蹴りが緑谷に当たるもカウンター代わりに足に捕獲テープを巻こうとするも爆豪が超反応で右の大ぶりで反撃する。緑谷もそれを受けるのは無理と解っていたのだろう、テープに放し前へ転がり躱す

 

「すげえなあいつ!!個性使わずに渡り合ってるぞ!」

 

「入試1位と!」

 

緑谷は爆豪と相対するも今度は逃げた、戦略的撤退とでも云うだろうか。爆豪は両手を爆発させながら何やら叫んでいる

 

「なんかすっげーイラついてるな・・・コワッ」

 

(緑谷君が逃げたのは先ずはヘイトを麗日さんから自身に向けさせる為、幼馴染と言ってたから癖とかも全部わかってるんだろうな・・・あの右の大振りもそうだ)

 

その後麗日が核と飯田を見つけるとなぜか吹いてしまい案の定見つかり膠着状態へ。戦闘を避け隠れていた緑谷は無線で麗日の報告を受けたのか上を向く。その時廊下の先から爆豪が現れる。腕に着けている籠手を彼に向けながらピンに指を掛ける、オールマイトは何かに気付き慌ててマイクを取る

 

「爆豪少年、ストップだ!!殺す気か!!」

 

爆豪は籠手に付いてるピンを引き抜いたと同時に凄まじい爆発がビル全体を襲う、その衝撃は地下のモニタールームにまで及んだ。ビルは半壊に近い状態になり瓦礫はあちこちに転がる

 

「授業だぞコレ!!」

 

「緑谷少年!!」

 

緑谷は間一髪直撃を免れたが当たれば死ぬ状況だったことに過呼吸気味になる、其処に爆豪が追い討ちに迫る。麗日は飯田が爆破の衝撃で隙を見せたとこで接近、飯田も反応して対処するが個性で自信を浮かせ妨害を回避、核に向かって降下して確保しようとしたが飯田が個性でダッシュして核を抱えて逃げる、此方も勝負がつかない。赤髪の少年が爆豪の危険なやり方にオールマイトに進言する

 

「先生、止めた方がいいって!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ!?」

 

「いや・・・」

 

オールマイトには訓練をしている生徒が聞こえるので今までの会話はすべて丸聞こえである、爆豪の今まで行いを纏めると

 

(妙な部分で冷静ではある・・・みみっちいというか何というか、とにかく)

 

再びマイクを取り爆豪に警告する

 

「爆豪少年次それやったら・・・強制終了で君らの負けとする。屋内戦に於いて大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く!ヒーローとしてもヴィランとしても愚策だ、大幅減点だからな!」

 

爆豪はその警告に従ったのか苛立ったのか両方なのか分らないが次に接近戦に移行したようだ緑谷も反撃しようとするが爆破を使い光の目つぶしと同時に回避してがら空きの背中に一撃を与える

 

「目眩ましを兼ねた爆破で軌道変更、そして即座にもう一回・・・考えるタイプには見えねぇが意外に繊細だな」

 

「慣性を殺しつつ有効打を加えるには左右の爆発力を微調整しなきゃなりませんしね」

 

「才能マンだ才能マン・・・ヤダヤダ・・・」

 

其々が爆豪に対する評価を下す。あと別の一人が露出が強い女生徒の胸を見ている、止めた方がいい、その間に爆豪が緑谷の腕を掴み爆破で生み出した遠心力を使い背中から叩きつける

 

(彼らの言う通り一見すると熱くなりやすく、周り見ずな所がある。が、実の所頭は冷静で直に戦略を立てられる判断力と決断力を持っている、オールマイトに警告されて直ぐに攻撃方法を変更したのがその証拠)

 

緑谷は近づいてくる爆豪から背中を見せて逃げるが直に壁に背を着ける。爆豪と問答しているが攻め立てている爆豪はなぜか余裕がなさそうな表情をしている。お互いが叫んだと同時に腕を振りかぶる

 

「先生!!ヤバそうだってコレ!!先生!!」

 

「・・・ッ!!双方・・・中止・・!!」

 

赤髪の少年がオールマイトに向かって叫ぶ、マイクを握り締めていたオールマイトが中止を宣言しようとすると緑谷が何かを叫び麗日が柱に引っ付く、お互いの腕が交差し爆豪の爆破が緑谷を襲い、緑谷のパンチが爆豪を捉える事無く上方へ振りぬく。パンチの衝撃が上階を貫通し麗日と飯田がいる階の床が粉々になる。破片が舞い上がる中麗日が基礎を失った柱を個性で軽くしバットの如く振りぬき舞い上がった破片をボールの如く打ち出す。飯田がその破片から防御態勢をとった隙を突いて麗日が自身を軽くし飯田を飛び越え核を奪取した、勝負が決する

 

「ヒーローチーム・・・WIIIINN!!」

 

オールマイトの宣言と同時に訓練終了、試合結果として緑谷と麗日の勝利ではあるが内容はヒーロー側の敗北といっていいものだった、負傷した緑谷は保健室に運ばれる。講評の時間となったが。推薦入学者の一人である八百万百が一人で全部言ってしまった。要約すれば爆豪と緑谷は私怨による独断と破壊行為、麗日は途中からの気の緩みと最後の攻撃の迂闊さである。因みに今戦の最優秀者は飯田君であった。ヒーロー側の個性に対応した対策をきちんとしていた事、最後の対応に遅れたのは訓練という名目での反則みたいなものである。飯田君はかなり感激していた。爆豪はそれに反抗することなく黙っていた、まるでそれに納得していたように

 

 

最初の訓練で使ってたビルが半分吹き飛んだのもあるが1回毎に場所を変えて2回目の訓練を開始する、ヒーローチームは轟焦凍と障子目蔵、ヴィランチームは尾白猿夫と葉隠透。結果としてはかなり短時間で終わった。障子を外に出し轟が個性でビルを一棟丸々凍らせたその冷気は地下のモニタールームでさえも氷点下にまで冷却するほどである。ヴィランチームは動けず轟が核を確保し終了となった

 

(これだけの質量を一気に凍結させる・・・かなりの範囲を一瞬で行動不能にできる。ヴィランを捕縛するなら圧倒的に優位な個性だな・・・)

 

訓練が終わると同時に今度は炎を出し一瞬で解凍、冷気もすごいが炎熱も凄まじい出力である。その後第3、第4と訓練が続けられいよいよ残り物である健の番となる

 

「さて、待たせたなおゝとり少年!いよいよ君の番だ!!説明した通り全員で一度ヒーローのクジを引き当たりが出た人が君の相方だ。そして残った者が今度はヴィランのクジを引いて当たりが出た二人がヴィラン役をやってもらうぞ!」

 

「ではどうしましょう。先にビルの前で待っておきましょうか」

 

「うむ・・・急造チームアップという想定なら丁度いいシチュエーションだ、わかったよ。なら先に待っていておいてくれ」

 

オールマイトの許可を取り地下のモニタールームから出てビルの前で待つ、合図があるまで見取り図を見ずに待機しているとパートナーであろう人影が出てくる

 

「お待たせいたしました。八百万百です、よろしくお願いしますわ」

 

「おゝとりです。今回はよろしくお願いします」

 

今回の相方は八百万のようだ。健が頭を下げて挨拶する

 

「そんなに畏まらないでくださいませ、同じクラスメイトですもの」

 

「・・・そうか、わかったよ。所で八百万さん、自分らの相手は」

 

「ヴィランチームは耳郎響香さんと常闇踏陰さんですわ」

 

健は八百万からもたらされたヴィラン側に情報を聞いて顎に手を当て思案する

 

「耳郎さんは確か耳のイヤホンジャックを使用しての音波による攻撃、常闇君は影のような分身を出しての攻撃と防御、そして機動力と汎用性が高い個性だったね」

 

「はい、そして耳郎さんの探知も厄介ですわね。こちらの動きが筒抜けになります」

 

この二人の個性をどう対処するか、健は数秒目を閉じると再び目を開ける

 

「・・・八百万さん、貴女の個性は確か、物を作り出せる個性だったっけ」

 

「そうです、生物以外は何でも創造できます。大きいものは時間が掛かりますが・・・」

 

「なら、ちょっと作って貰いたい物があるんだけど」

 

 

健と八百万が打ち合わせをした後、最後の訓練が始まった。耳郎と常闇は最上階でヒーローチームを待ち構える、常闇は闇影で視覚を補いながら核を警護している

 

「八百万は兎も角おゝとりの隠されし力は未知数・・・どう来るか・・・」

 

「どうって、あの最初に試合した子みたいな超パワーじゃないの?」

 

耳郎はイヤホンジャックを壁に刺して索敵している

 

「常闇の個性ならいい勝負できるんじゃない?時間をかけさせればこっちが有利なんだし」

 

「・・・いや、おゝとりはその様な腕力一辺倒な奴じゃない。ああいう人間は頭も切れる」

 

全く油断しない常闇を尻目に耳郎は探知を続けると突如心音が聞こえ始める

 

「!相手が動いた!」

 

「今どこにいる」

 

耳郎が意識を集中させヒーローチームがどこにいるか探す

 

「1階の入り口・・・人数は・・・あれ?」

 

「どうした!」

 

困惑しだした耳郎に常闇が問いただす

 

「心音と振動が・・・どんどん増えてる!!」

 

「なん・・・だと・・・!!」

 

耳郎のイヤホンジャックからこのビルのあちこちから心音と振動が聞こえている

 

「八百万の個性だな、耳郎の得意な探知を逆手に取ってきた!センサーか何かを作ってばら撒いたんだ」

 

常闇が迎撃に出ようとドアに向かうのを耳郎が止める

 

「待って!心音は3階で止まってる、向こうは多分4階から上にウチらがいる可能性を考慮して止まったんだと思う。物を作り出す個性だって無限じゃないから多分弾切れしてる、これなら探知できるよ!」

 

耳郎の報告を聞いて常闇は思いとどまり迎え撃つ体制をとる。その時天井裏から心音が聞こえた

 

「・・・っ!!常闇、上!!」

 

耳郎が常闇に向かって叫んだ時天井が畳1枚分が爆破音と共にバラバラに吹き飛ぶ

 

「ぐっ!!奇襲か!」

 

常闇が瓦礫から顔を庇いながら闇影で穴からヒーロー達が下りてくる所を攻撃しようとしたが、落ちてきたのはヒーローではなく複数の穴の開いた筒状の物体が落ちてきた

 

「これは・・・まさか!?」

 

瞬間眩い光と音が室内に響いた

 

 

時間をちょっぴり遡り健と八百万はビルの入り口に入る前の準備をしている

 

「おゝとりさん、こんな感じでよろしいでしょうか」

 

「ありがとう八百万さん、コレを使えば耳郎さんをある程度かく乱できる」

 

健は心音と振動を発するセンサーを受け取りながら感謝する

 

「それじゃ作戦通りコレを撒きながら3階の非常階段まで走ろう」

 

「ええ、ですがそれからどうなさるのです?3階まで行ったとしてもそれからは耳郎さんの個性で捕捉されますわ。そうすれば常闇さんが迎撃に向かってくる可能性もありますわ」

 

「そこからは自分のちょっとした魔法を使いますよ」

 

「?」

 

健の魔法と云う言葉に疑問符を浮かべた八百万だが、直に思考を切り替え突入する。作戦通り走りながら2人は辺りにセンサーを撒きながら2階に上がり同じ事を繰り返す。3階に上がり全てのセンサーを撒き終わり非常階段の扉を開け踊り場に出る

 

「ではおゝとりさん!貴方の魔法とやらに期待してますわよ!」

 

「それじゃあ八百万さん、僕の背中に捕まって」

 

健はしゃがみながら自身の背中に指を指す、八百万は流石に躊躇する

 

「え!?い、いきなり殿方の背中に捕まるのは・・・」

 

「急がないとかく乱の効果がなくなっちゃう。嫌でしょうけど今だけ我慢してほしい」

 

健の言い分も最もであると判断した八百万は健の首に腕を回し背中に自身の体重を預ける

 

「それじゃ、行くよ」

 

「ええ!・・・あらっ!?」

 

健は八百万に合図をすると体が浮き上がり徐々に高度を上げる。その様子を野外定点カメラからモニターで見ていたオールマイトと数人を除いた全員が驚愕する

 

「「「「えーーーーっ!!??」」」」

 

「おゝとりって空飛べたの!?」

 

「あれがアイツの個性か!!」

 

「空を飛べるってかなりの強個性だぞ!!」

 

それぞれがモニターに映る健に対する感想を述べる、一人血涙を流しているが

 

(え!?何!?おゝとり少年って空飛べたの!?私そんなの聞いてないし書類にだって無個性って書いてあったよ!?)

 

内心冷や汗を掻いているオールマイトがマイクで飛んでいる健に呼びかける

 

『おゝとり少年!素晴らしい作戦だが今回は屋内での戦闘訓練だ!屋外からの攻撃は出来るだけしてほしくないんだが』

 

「オールマイト、今回の訓練の趣旨は分かっています。屋外からの直接の攻撃はしません」

 

『そうか、では屋上の扉から突入するんだな』

 

「いえ、扉は使いません。入口を作ります」

 

『作る?』

 

「ええ、まあ見ててください」

 

オールマイトとの通信を切ると背中に捕まっている八百万が話しかけてくる

 

「皆さん驚いてましたわね。これが貴方の個性ですの?」

 

「いや、これは頑張って飛べるようになっただけだよ」

 

「頑張ってって・・・なんでもありですわね」

 

「そうでもないよ、よし。そろそろだ」

 

最上階に到着し窓からこっそり中を見る、耳郎と常闇が混乱している姿が見える

 

「かく乱は成功みたい、それじゃ八百万さん。お願いします」

 

「ええ」

 

屋上に核が傷がつかない距離で降り立ち移動中に八百万が作っていた折りたたまれている物を健が受け取り手早く床に広げセットする。シートには紐状の物が数本束ねられ、それがシートの形に添って敷かれている。右手に起爆装置を持ち左手には穴の開いた筒状の金属を握る、お互いに少し離れ頷くと起爆、床が畳一枚分の穴が開いた瞬間左手に持っていた筒に付いているピンを抜き穴に放り投げた。強烈な光と音が穴から漏れるが離れていたので問題はなかった

 

「おゝとりさん!行きましょう!」

 

「うん!」

 

健が最初に飛び込み目を抑えて蹲っている常闇となぜか小さくなっている闇影に捕獲テープを巻く、横を向くと八百万が目を回して伸びている耳郎にも捕獲テープを巻いていた。その時オールマイトが訓練終了の合図をした

 

『ヒーローチーム!!WIIIIIIIN!!!』

 

訓練が終了したと同時に捕獲テープをとり常闇を助け起こす

 

「ごめん、かなり手荒な事をしちゃって」

 

「いや、虚を突いた作戦、見事だった」

 

常闇は目を擦りながら健達を称賛する。そこに八百万に肩を支えられた耳郎もやってくる

 

「あ~あ、完全にしてやられちゃったな~探知に頼りすぎたのが仇になっちゃった」

 

「いいえ、耳郎さん。貴女の個性の前では私たちどう動いても察知されてしまいます。この作戦だって相手の個性がわかっていたからこそです、ズルみたいなものですわ」

 

「・・・そう言ってもらえると悪い気はしないね」

 

「僕も常闇君と正面から行ったら君の個性相手だと決定打を与えられないから、こうするしかなかったんだ。これもズルだね」

 

「ふ・・・俺もおゝとりの立場だったら同じ事をしてたさ」

 

お互いに賞賛しあった後、オールマイト達と合流するべく出口に向かって歩き始めた

 

TO BE CONTINUED




読んでいただきありがとうございました。かなり長くなっちゃいましたが如何でしたでしょうか、今回は定石から少し外れた構成にしましたが楽しんでいただければ幸いです。御意見御感想があると参考にできて助かります
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