それでも私は相棒の為に 作:積みポケが好き
フェアリータイプってなんだよ()
マリナードタウン港
港の側に立つトップの後ろ姿を見ながら来客を待つ。ホンマに来るモンなんかねぇ。
今更ながらに髪の毛、服の乱れがないかチェックしながらこれまた何度も確認していることをトップに聞く。
「トップ、ホンマにイッシュから元とはいえチャンピオンが来るんモンなんですか?」
「えぇ、あちらより連絡は頂いています。幾らか条件を提示しましたがすべて呑んで頂けましたので、お相手もそれほど本気なのでしょう。…それよりチリ、落ち着いて貰わないと業務に差し支えますよ」
落ち着き払っている様子のトップやけど、ホントはトップも緊張していることを知っている。まぁ表にではでんし、緊張してるといっても許容範囲なんやろうけど。髪を結びなおしてから手袋を嵌め直す。
「いや〜やっぱり他地方の元チャンピオンと会うことなんて、滅多にない機会なモンですから、チリちゃん緊張しちゃって…他地方のジムリーダーやったらなんとか交流会で顔合わせできてるんやけど…」
他地方のジムリーダーならまだ交流はある。特に同じタイプのジムリーダーは付き合いというのもあるけど、話が合うことも多いし学びも多い。ただチャンピオンとなるとまず会える機会が少ない。…ダイゴさんは割と会うんやけどなぁ…大穴に突貫しようとしたときは肝が冷えたでホンマ…。
「アオキは失礼があるかもしれませんし、ハッサクは教師の仕事があります。ポピーは実力があるとはいえまだ子供…頼みの綱はチリしかいません。頼みますよ」
「うーん…消去法。その期待に答えられるよう頑張りますわ」
「えぇ、お願いします」
「お…アレとちゃいます?」
マリナードタウン港に近づく船の上、ゆらゆらと明らかに尋常ではない覇気と姿の女性が見える。おぉ…なんや、ごっつ威圧感あるなぁ…。チャンピオンの風格っちゅーモンか?キレたトップの無言の圧と同程度の威圧感やで。
その後、船から降りてくる女性。一歩一歩近づく度に背筋が凍るような気配を感じる。目にハイライトがなく顔も暗い。なんや…なんかしでかしたんか?
トップの背中に冷や汗が流れる。トップだけやない、ウチもや。チャンピオンの圧が怖いくらい伝わってくる。マリナードタウンの気温が体感2度くらい下がったような…
そのまま、こちらに気づくとゆったりとした歩調で近づいてくる。距離が数十、十数と近づいていってピタリ、立ち止まるとその尋常ならざる圧を纏った女性が口を開いた。
「ご足労いただきありがorrrr」
「ご丁寧にどおおおおおおお!?!??!?!??!?」
「………」
トップはしばらく無言だったが確かに安堵したのが感じられた。
なんやエグイ船酔いしてただけか…。エグイ威圧感で何言われるかと身構えて損したわ…。
〜〜〜〜〜
『まもなく…まもなく…マリナードタウン、マリナードタウン到着となります……』
「はぁ~……やっと、着いた」
船の上、甲板の縁に身体を投げ出し、ぐったりとして息を吐く。パルデアに入る道は限られていて、一部の認められた者はひこうポケモンを使った空から、それ以外の者は海から入る。なんでも、パルデアには空港がないのとはがね・ひこうタイプのポケモンを打ち落とすヤバいはがねタイプがいるかららしい。それを掻い潜れる猛者でなければ無理なのだろう。乗り物系全般に弱い私等論外だ。
絶妙な揺れが私の目のハイライトをさらに奪い、気持ち悪さから雰囲気が淀んでいく。幸先悪いスタートとなってしまったが、もうすぐ陸地。もうすぐ解放される。
相棒が揺れた。
「大丈夫だよ、心配するな…ほら見ろ、黄色と黒の体毛の鳥ポケモンが見える。なんかバチバチしてるぞ。でんき・ひこうタイプか?「ボルトチェンジ」や「おいかぜ」が使えるとしたら先発性能高いんじゃないか?お前との相性は多分悪いだろうが…ある程度の鈍足型を補うことができるのはいい」
「海を見ろ。高速で泳ぐポケモンがいる。身体が…分離できているぞ?どういう生態しているんだ?みずタイプだろうが…単タイプか?おい「サイコカッター」だ!「こうそくいどう」もしたぞ!エスパーか?みず・エスパー…?その見た目でスターミーと同じタイプなのか…?」
心配性で過保護な相棒に大丈夫なことを示すように声を上げる。
実際新たなポケモンに会える楽しさというのはいつだっていいものだ。どんな動きをするのか、タイプはなんなのか、どのポケモンと相性がいいのか。それを考えているときが自分がポケモントレーナーであることを実感できる。
頰を撫でる潮風に目を細める。私と相棒だけなんて、まるで最初の時みたいだ。
「始めよう、もう一度。あの時みたいに」
相棒がまだテッシードだった時、私がまだ一匹もポケモンを持っていなかった時、私達が出会って一緒にチャンピオンになることを決意した時みたいに。もう一度、私達の冒険を。
「あ、やっぱごめんムリ吐きそう」
はしゃいだことで押し寄せた吐き気の波に口を押さえて青くなりながら、私達は最悪なスタートを切った。
やっぱり相棒は心配そうに揺れていた。
チリちゃんの口調があってるかわからないし、オモダカさんがこういう時無言になるのかもわからない…。でもチリちゃんが濁点が付きそうな驚き方しそうだし、オモダカさんは急な事態になるとびっくりして機能停止するのは想像できた。
進行遅めでたらたら書いていきます。ちなみに、本編終了した後の話ですね。なのでぺパーくんはバトルが苦手(大嘘)ですし、ボタンちゃんはBP不正の罰を受けている感じです。