それでも私は相棒の為に   作:積みポケが好き

4 / 4
体調不良には、気を付けよう!あとエナドリは飲み過ぎないようにしよう!()


私は間違ってないはずだ

鉄の爪がしっかりと地面をつかみ、細い触手からは考えられない巨体を支えている。

鈍く光る身体は磨き布や錆を防止する薬剤の塗布を欠かさずしている賜物だ。

最大サイズ…ナットレイの中で最も大きい個体で、私の相棒。

 

「おはよう、ナットレイ」

 

「ナッド」

 

鈍重な動きでこちらを見下ろす姿は正に城塞と言えるほどだ。私が150cm行くか行かないかなのに相棒は通常個体1mをはるかに超えた1.8m。その分パワーも飛びぬけている。

 

性格:のんき。特性:てつのトゲ。持ち物:食べ残し。すばやさ最遅の努力値HP252、防御252、特防4振り。

「ボディプレス」「てっぺき」「やどりぎのタネ」「ジャイロボール」構成。

私の最初のポケモンであり、チャンピオンロードまでの艱難辛苦を打倒した切り札。

 

…私のせいで満足にバトルができなくなってしまった……相棒、ナットレイ。

 

ひんやりとした身体を撫でる。ナットレイは撫でられるのが好きだ。こうして撫でると、控えめに身体を近づける。自分の巨体を分かっているのか(体重110kg超え)自己主張が控えめなのが玉に瑕だ。もっとグイグイ来てもいい。相棒の為なら押しつぶされることだって厭わない。全身を使って撫でては、頬を顔に押し付けて冷たさを感じる。このひんやり感がいい。

 

すると、触手を巻き付けてそっと離してくるのだからそんなところも愛おしい。触手を撫でて声を掛ける。

 

「迷惑をかける…だが大丈夫だ相棒。お前の為に私はパルデアに来た。お前がまたもう一度、思う存分バトルできるまで…私は一緒だ」

 

「……ナド」

 

「…またお前の戦ってる姿が見たいだけさ。心配するな」

 

心配そうな目で見つめられるとどうにも堪える。私のせいでこうなってしまったはずなのに、いつだって相棒は私のことを心配する。まるで親みたいだ。母さんもよくナットレイに言い含めていたから、それも影響しているんだろうが…。

 

「おぉ、ごっついなぁ…。確か…くさ・はがねですっけ?ポピーちゃん好きそうやなぁ」

 

私達の邪魔をしないように、単純に興味のためか周囲から観察するチリさん。

 

「えぇ、イッシュ地方でも特に大きな個体です。普段は洞窟等の天井や岩壁に張り付いて獲物を待ち伏せますが、実は岩壁や地面からも栄養を吸収します。植物に近い生態を持ち合わせていますね」

 

ナットレイは植物と動物のあいの子みたいなポケモンだ。触手が根の役割をしていて、足の棘を使って地面を掘り、そこに触手を伸ばして栄養を補給する。相棒の場合、それだけだと足りないからポケモンフードやご飯なんかを食べさせてるわけなんだが…。

 

「ほーん…この子が…。どうも、元気そうに見えるんやが…」

 

「体調面で大きく左右されることが多いんです。今日は大丈夫な日のようですが…」

 

相棒の不調は原因不明だ。怪我らしい怪我もなく、病気らしい病気もない。一度大きな病院に掛かったことがあるが問題なかった。

 

「ふむふむ…怪我とかではないんやな?」

 

「えぇ、大きい怪我はすぐに治療してますし小さい怪我も見つけ次第手当しています。それでもとなると病気や体調しか考えられず…」

 

「…この大きさやからなぁ。単純に自重ってのもあるかもしれへんけど」

 

「…相棒が太ってると?」

 

半目で見てしまったが相棒に限って太りすぎというのはない。これでも女の子だぞ。出されたものはしっかり食べるがそれでも体重は標準のはずだ。

 

「こわ…ちゃいますって。この子、種の中でとびきり大きな子なんやろ?なら通常なら支えられる身体も支えきれなくて負担がかかってるってのもあるんやないの?よーあることやで。身体がおっきな子はそれだけ維持するエネルギーもばかにならんし、かといって食べ過ぎれば自重を支えきれず足に負担が掛かる。…おいで!ドオー!」

 

「この子は…」

 

「チリちゃんの相棒のドオーや。じめん・どくタイプのパルデア地方特有のウパーが進化するとこの子になるんや。この子も一時体調崩した時があってな。この子の場合太り過ぎで足に負担が掛かってただけなんやけども…」

 

こげ茶色の寝そべったヌオー…ドオーが現れた。のんびりとした性格らしく初めてみるナットレイにも物怖じせず挨拶している。初めて見るな…。じめん・どく…鈍足の耐久型か?欲しいな…。あぁいやタイプ被りはご法度か。

 

近寄って来たドオーを撫でる。可愛い。ひんやりもちもちしてる。

 

「案外食生活ってのはバカにならへんで、ポケモンゆーても生き物。たべるモンにも気ぃ付けんとな…って元チャンピオン相手に何言ってんねんやろ。たはは…失礼しました」

 

「いえ…肝に銘じておきます。」

 

耳が痛い話だ。ナットレイは地面からも栄養を補給する。知らず知らずのうちに栄養過多になってるときもあるだろう。いや…逆か。足りないから地面から栄養補給していた線もある。正直なところ、相棒の食生活は手探りだ。たべる時と食べない時の差が激しいし、偏食の気もある。色々試しているが…負担になっている線もあるか。

 

いつもいつも…バトルばっかりでそのあたりを気にし始めたのはチャンピオンになってからだったな…。本当に、情けないトレーナーですまない。

 

「チリ…時間が」

 

「あー…すいませんトップ。…ほなヒツキさん、学園の方に案内します。そこの先生寮で生活してもらうことになります」

 

「四天王の仕事は追々ということになります。まずは学園でこの地方のポケモン等に慣れていただけたら」

 

「わかりました。改めて、よろしくお願いします」

 

憂いは隠す。これ以上相棒に要らぬ心配はさせたくない。それに、やることは変わらない。スパイスを手に入れて相棒を元気にする。それだけだ。

 

「行こう、相棒。私たちの新生活だ」

 

やはり、心配そうにこちらを見下ろす相棒が、どこか引っかかった。




感想欄でも指摘されたんですが(エルフーンのタイプ、BWだとくさ単タイプだけど、SVだとくさ・フェアリータイプ等)、ポケモンBWとSVでのタイプの変更やらは頑張って設定に落とし込んでいきます。そのため、タグに独自設定を付け足しますのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。