第3話。
少し短くしたぜ!!
木村の服装は道着でもなんでもない。全身黒一式に髪は下ろし、サングラスをかけていた。
「ほーう。見たかったぞ。その姿」
「許さねぇからな?」
コージは木村の格好を見て、嬉しそうに手を叩いた。
木村は拳を強く握ると、コージを睨みつけた。
「試合ならいつでもいいぞ! さあ、こい!」
木村は構えを取ると、腰を低く落とした。
コージも慌てて構えを取ったが、どこか腰が引けていた。
「うぉぉぉ!」
先に仕掛けたのは、意外にも木村だった。素早い動きで一瞬で距離を詰めると、正拳突きを打ち込んだ。
「はい……っ!」
木村の攻撃は軽く、あまり衝撃もなかった。しかし甘く見るのは束の間。木村の左手に握りしめられていたのはナイフだった。
「っつ……あぶねえよ!」
コージは腰を抜かし、そのまま後ろに倒れてしまう。木村の攻撃が効果的だった証拠だ。
「……このままでは……」
物陰から声が聞こえた。
真夏の夜のトゥルーエンド
第3話<多田野と淫夢の破滅>
「あ?誰だ?」
木村は後ろを振り向いた。
「君が木村。君が田所……いや、淫夢の破壊者、野獣」
何者かが物陰から飛び出す。
「な、なんだ?お前」
コージは木村の目の前に立ち塞がった。そして、その何者かに指差した。
「アンタは……多田野」
「……え?」
木村は困惑した。
「多田野だと?」
「今こ↑こ↓で野獣がやられてしまってはシナリオ通りには行かない。淫夢の破滅は防げない」
淫夢の破滅。
木村はその言葉に反応した。
「……何のことだ?」
「この世界もそのひとつさ」
多田野と呼ばれた男が取り出したのは、人の画像がついているカードだった。しかしそれは怪しく光り、見たものを虜にしてしまう様な魅惑を漂わせていた。
「なんでそんな嫌な予感がするんすか」
木村は多田野の手からカードを奪い取ると、地面に叩きつけた。
「自分から召喚するのか……」
多田野は半分困惑していたが、もう半分には笑顔が隠されていた。
そのカードは怪しく光り、木村の足元から『何か』を呼び出した。
「何すか……あれ」
木村が召喚した『何か』は、淫夢ファミリーの1人だった。背広姿に大きなネクタイ。その目は木村とコージを睨みつけていた。
「なんだこの男……」
木村は腰を抜かし、その場に座り込んでしまった。
そして服装は白いシャツに、髪は上がり、気弱な後輩姿に戻ってしまった。
「NKTDKSG、こいつを始末しといてくれ」
多田野はニヤリと笑い、姿を消してしまった。
タイミングを見計らい、命の危機を感じたコージも逃げてしまった。
「やはり……何なんすか……」
木村は震えて動けない。
「……」
NKTDKSGと呼ばれた男は、ゆっくりと木村に近づき始めた。
「う、うわぁぁっぁ!」
木村は悲鳴を上げながら走り出してしまった。
しかしその悲鳴も虚しく、NKTDKSGに捕まってしまう。そして組み伏せられた。
「ぐ……離せっ!」
「……」
NKTDKSGは一言も発さない。
召喚されただけだからなのだろうか。
木村が考えている間にも、NKTDKSGは木村の体を触り始めた。
「き、気持ちわりぃ……!」
木村は必死に抵抗するが、NKTDKSGに押さえつけられ動けない。
抵抗している間にも、NKTDKSGの手は木村の顔へと移り……
「……はっ」
目を覚ませばそこはいつもと変わらぬ空手部だった。
近くには何も書いていないカードが落ちていた。
「……ん?」
右の手の平に『(首)』という紋章がついていた。
⭐︎⭐︎⭐︎
荒廃した土地。
爆発と、高熱の炎のあと。
異臭が漂っている。
地面にはところどころ、黒く炭化した何かが転がっている。
「うおあああ」
叫び声と共に数々の淫夢ファミリー達が殺し合いをしている。
巨大ないんじゅうくん達が飛び交い、みな息の根が止まっては爆散していく。
かつて共演者だった者も、小学生も、おじさんも。
みな殴り合いや剣の振り合い、銃の打ち合いをしては死んでいく。
「やめて……」
YMNはその惨禍に嘆くことしか出来なかった。
背後で巨大な爆発が起きた。
爆風で転び、砂埃や土で汚れた顔を上げるとそこには、上空に浮かぶ男の姿があった。
「……野獣……先輩……」
感想よろしくナス!!
リクエストとかもくれよな〜