ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

107 / 597
107話 大部屋を制圧!

「なんとか抜けた! ……けど」

 

「やっぱり、多い……です、ねっ!」

「ひなた、まだまだ大丈夫だよ!」

 

【抜けたか!】

【大部屋……】

【予想はできてたけどな……】

【多分このフロア、大部屋2個のパターン  で、1部屋の大部屋モンハウが分割されてるだけなのか】

【湧きが両方で、かえって危険なやつー】

【階段は……まだ見えないか】

 

通路を抜けた先は、大きな部屋。

 

そこには――また、わんさかとモンスターたちが。

 

「……おまんじゅう?」

「きゅ、きっきゅきゅ」

 

「うん、分かった……あやさん!」

「……無茶は、しないでくださいね」

 

さっきのでぐいって魔力を吸われちゃったせいで、まだ頭がぐるぐるし続けてるからほとんど目をつぶってる僕。

 

でも、あやさんはそんな僕の意図を汲み取ってくれて。

 

「……みなさん! 私が合図しましたら、後ろへ! おまんじゅうちゃんの一斉射です!」

 

「先輩、魔力は!」

「……いや、俺たちもかなり疲労してる。 ちょっとでも休めないと……柚希さんには負担をかけるけど……」

 

【ユズちゃん……】

【無茶しちゃって……】

【どっちもレア過ぎるモンスターたち……すっかり使いこなしてるな】

【テイマーだからな、なんとなくで意思疎通できるらしいぞ】

 

【けどほんとチョコちゃんすごいな、廊下の先からモンスター、1匹も来ない】

【何分も敵を完全に足止め  単純に強いな】

【なら、ここで見えてる範囲をちょっとでも削れたら】

【1方向だけになれば、さっきの半分の戦力でなんとかなるか】

 

僕の体は、冷や汗だけで汗だく。

 

きっと、僕を抱きかかえてくれてるあやさんも気持ち悪がってる。

 

でも、あとちょっと。

 

意識を失わないぎりぎりまでおまんじゅうに戦ってもらって、ぎりぎりまで起きてチョコに支えてもらって。

 

階段が見つかるか、そうでなくてもこの部屋を制圧しきって、あやさん1人でなんとかなるくらいになれば。

 

そうしたら、僕が寝ちゃってても……なんとか、なるよね。

 

「柚希さん」

「……あやさん」

 

汗で、お互いの肌がくっついちゃってるような感覚。

 

きっと、あやさんのシャツもべっとりしちゃって……僕の顔に押し付けられる感じになってる胸まで気持ち悪いに違いない。

 

「……こういうときの柚希さん。 かっこいいですよ?」

「……あやさん」

 

【ガタッ】

【!!!】

【ユズちゃんの可能性は無限大か……】

【ああ……】

【おねロリ、かつロリがリードするパターンが来ましたわ】

【稀少なおねロリ……いえ、ロリおねですわ!】

【お嬢様方!】

 

僕をのぞき込んで、優しくほほえんでくれてるあやさん。

 

そんな彼女の顔は、慈愛ってのに満ちてる感じで。

 

「……おまんじゅう……あやさん」

 

「――――みなさん! 後ろへ!」

 

前の方で3人が走る音。

 

それに合わせて視線をあげて――「65匹のモンスターに、ポップしかけてる21の召喚陣」が、ロックオンされているのを感じて。

 

「……きゅーい――――――――――!」

 

ぴーっと、薄くて平たい光が少し前に。

 

その光はいつものおまんじゅうの角から出るやつで、それは目線くらいまでを一瞬で上下する。

 

ちょうど、透明な下敷きをばさっと扇いだみたいに。

 

それは、あっけないほどにモンスターたちを貫通して――。

 

【えっ】

【なぁにこれぇ……】

【……レーザー光線が……範囲攻撃……】

【それも、一瞬で大部屋の奥まで……】

【え? 何十メートルあるの?】

【いや、そもそも横幅も何十メートル……】

 

【あの、モンスターたち……一撃……】

【数十匹……それも、中級者ダンジョンレベルの……】

【何このユニコーン……こんなことできたの?】

【そういや最初の講習でも、おまんじゅうちゃんのレーザーって……】

 

「……な、何が」

「……モンスター、全部結晶に……」

 

おまんじゅうからの光は、多分、1秒とか短いあいだのもの。

 

それから一瞬静かになって――モンスターたちが固まったまま、順番にころころと結晶になって落ちていく。

 

「……あやさん……撃ち漏らしは」

 

「え? ……ええ、無い様子ですが……」

「そうです、かぁ……」

 

さっきまでよりも明らかに眠気――いや、目の前が暗くなってる。

 

まだちょっとだけ意識はあるけども、眠くなる前に落ちそうな気配。

 

「……良かったぁ。 ポップするとこも、ぜんぶ潰したから……こっちはあんぜんだぁ……」

 

「……え? 柚希さん、今、何を……」

 

【ポップしない?】

【ユズちゃん、そんなことまで分かるの?】

【いや、でも、ポップする部屋ならするもんじゃ……】

【あ、寝てる?】

【寝ちゃったか】

 

「――廊下の方に敵だ! ……いや、あれは」

 

「銀色の壁……チョコちゃんですね」

「まだ、壁になってくれてる……」

 

「あ、モンスターさんたちがどすどすぶつかってる音ー。 チョコちゃん、だいじょうぶー?」

 

【ひなたちゃん優しい】

【シルバースライム……お前……】

【ユズちゃん寝ちゃったのにがんばりやがって……】

【あのシルバースライム、多分自分の魔力と根性でがんばってるぞ】

【しゅごい】

 

【普通なら、テイマーの意識がなくなったらモンスターたちは待機状態でそばに戻ってくるだけのはずなのに……】

 

【でも、おかげで……】

【ああ……】

 

「……では、チョコさんがガードしてくれているあいだ、私たちは休ませてもらいましょう。 ほら、座って体を休めて。 でないと、柚希さんのがんばりが……ですよ?」

 

【あやちゃん】

【ままぁ……】

【こういうときこそ年長者の威厳よね】

【威厳っていうか癒やし……】

 

【!! ユズちゃんとくっついてたとこが透けてる!】

【ちょっといやらしくなってる!!】

【お前ら……本当に……】

【おっと、そういうのは理央様の配信以外じゃコメントNGだからな!】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。