ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
【悲報・ユズちゃん、魔族?に狙われる】
【魔王軍(仮)の四天王(仮)に狙われるユズちゃん】
【ユズちゃん……良い匂いしそうだもんなぁ……】
【確かに】
【本人もそう言ってるし、本当に異世界にまでユズちゃんの香りが……?】
【異世界に拡散するユズちゃん……】
【ああ、それに理央様もメロメロなのか】
【幼なじみって言ってたし、もう中毒になってそう】
【ユズちゃんの匂い……】
【どうにかして吸いたたたたたた】
【!?】
【あ、ごめん、押しっぱにしちゃってただけ】
【草】
【びびるだろうが!! やめろ!!!】
【ユズちゃんにはもうこれでもかとまとわりついてるんだ……別のも召喚するのはやめて……】
【ダンジョン協会「ただいま隣の大部屋と思しき場所で第1陣が戦闘中です。 第2陣も間もなく到着します。 また、先に転送された2名はゲート前にて無事を確認しています」】
【助かる】
【公式が張り付いてる配信……】
【だって……ねぇ?】
【リストバンド使えないとかいうやべー状況、からのやべー存在登場だもん】
【あ、さすがにネットニュースのトップに上がってら】
【でもなんでユズちゃん、こう毎回トラブル続きなの……?】
【トラブル続きって言うか、トラブルが向こうから来るって言うか】
【もしかして:いい香り】
【草】
【さすがに比喩だとは思うけどなぁ】
【まぁそもそもユニコーンとかシルバースライムとかいうレア過ぎるのを立て続けにテイムしてるし……】
【テイマーって言う適性自体も影響を……?】
【ユズちゃんのかわいさ……だけじゃ、ないよな?】
【ありえない……って言いたいけど、まさかの展開だからなぁ】
【そもそもユニコーンとかシルバースライムに好かれるって時点で、普通じゃないしな……】
「……ふむ、ほんの少々の時間でこれだけの会話が。 この世界の人間は、特殊な方法で念波を使えるようですね。 ええ、概ねそうだと言っておきましょうか」
【は?】
【念波!?】
【……もしかして、コメント見られてるのか?】
【あの、コメント見てくる人外の存在とか……やばくない?】
【やばい】
【ヘタしたらダンジョン配信そのものが、魔王軍?にいろいろ教えちゃう手がかりに……】
にや……と、「ちょうどフロートウィンドウがあれば」見るだろう場所を眺めつつ、彼は羽をばさり。
「彼女――ユズは、大変に魅力的です。 それはもう、異なる世界に居るワタシたちが、種族の総力を挙げてこの世界を探し出したほどに。 ――ええ、狂おしいほどに」
かつ、と、魔族の足が前に出る。
「止まれ! 止まらないと――」
「勇ましい青年の風貌をした……望めばキミも歓待しましょう。 しかし、先ほどの威力を見たでしょう?」
レイピアを構え、走り出そうとしていた優を……腕を向けただけで牽制する魔族。
「アナタたちこの世界の人間とワタシたちとでは、位階があまりにも違う。 ――ワタシは、ユズに嫌われたくはない。 だから、ワタシから攻撃はしません……が」
ひゅんっとその腕が横になぎ払われる。
その瞬間に強風が吹いたかと思うと、爆音とともに地面が揺れる。
「っ!」
「――そちらから攻撃してきてしまうのなら、こうなりますよ? ワタシ自身の、自衛のために」
【何が起きた!?】
【土煙が……】
【!?】
【ひぇっ】
【あの、……地面がえぐれてるんですけど……】
【あ、壁まで貫通してる……】
その腕の先は――先ほどと同じように、「壊れるはずのないダンジョンという構造」を、一部とはいえ破壊していた。
「さぁ、力の差はお分かりでしょう。 彼女を、渡してください。 ……ああ、もちろん絶対に傷つけないことは補償します。 意にそぐわない形で手を出さないことも誓いましょう。 何しろ彼女は――」
魔族は、思わずと言った調子で舌なめずりをし。
「ワタシたちの種族にとって、何物にも代えがたい香りと味をもたらす存在。 彼女が望むものを全て与える代償として――ワタシたちと供に、永遠の美を維持しながら生きて貰いますから」
【悲報・ユズちゃん、やっぱお姫様属性】
【お姫様抱っこの次は攫われるお姫様か】
【けど、こんなことになってもすやすやユズちゃん】
【ユズちゃん……さすがに起きよう……?】
【むりだよ、ユズちゃんだもん】
【草】
「………………………………っ」
「……あやさん、動かないで。 何をされるか……」
ダンジョンの壁や床を、破壊できるほどの力。
それを行使しつつも「こちらから手を出さなければ攻撃をしない」と、わざわざ説明しながらこちらを見ているだけの魔族。
「……多分、こいつの言っていることは本当なんだろう……じゃなければ俺たちはとっくに……」
「でも、それでは柚希さんを……」
人外の脅威――それが対話という名の交渉――という形での脅迫で、柚希を渡せば2人を害することはないと言う。
【ユズちゃんを渡すのか!?】
【そんな……まるで生贄みたいに】
【でも、この状況で他にいい手は……】
【俺たちがいろいろ言うのですら筒抜けなんだ ここはあやちゃんと月岡に任せるしか……】
【ねえユズちゃん、起きて……? なんとかできる可能性あるのはユズちゃんだけなんだよ……?】