ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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114話 【朗報】【悲報】【速報】ユズちゃん、精神攻撃系で魔王軍幹部(仮)撃破

「ぐ、お、おお……!」

 

鼻血という液体となって放出されていく、魔族の魔力。

 

それはもはや、血の池を作るほど。

 

そんな魔族を目にしている柚希は……やはりまだ魔力切れの影響が強いのか、これだけ盛大に血を流している姿を見ても――寝ぼけている感じで、そこまでは心配しておらず。

 

「……柚希さん!?」

「危険だ! そいつは何をするか分からない――」

 

その光景にあっけにとられていた優とあやから、いつの間にかに立ち上がると……とことこと歩いて行ってしまい。

 

【え、ちょ】

【悲報・ユズちゃん、自分からのこのこ歩いてる】

【とことこかわいい】

【いやいや、ギャグ展開になって忘れてたけど、こいつはユズちゃんのことさらおうと】

 

「おねつは……もうっ、あるじゃんっ」

 

――ぴとっ。

 

普段は片目を覆うまでに長くなっている前髪をすくい上げ、魔族のそれもすくい上げ……おでこ同士をくっつける暴挙に出た。

 

しかもつま先立ち、しかも上目遣いで。

 

「     」

 

ぴしっ。

 

魔族の肉体に、満遍なく亀裂が入る。

 

「ちゃんとねてなさい! りおちゃんみたいにねるまでなでてあげるから!」

 

「     」

 

ぴしっ。

 

その亀裂は、深くなる。

 

【あ、ユズちゃん、これ魔力酔いもしてるわ】

【魔力酔い!?】

【いや、ほら、魔力を大量に使って寝ちゃって……寝てるあいだに魔力回復するんだけどさ、ここってばダンジョンの中なわけで?】

【あっ】

 

【……あー、この魔族がいらんことしたって言ってたな】

【どゆこと?】

【つまり、だ  ここには、この魔族の魔力が充満してる】

【で、ユズちゃんは寝てるあいだにそれを吸収しちゃった】

【えぇ……】

 

【で、多分かなり濃度の高い魔力を吸っちゃったから……おしゃけ飲んだみたいな感じになって……】

【……酔っ払ってるのか!?】

 

【魔力を思いっきりぶっ放してもなるし、多分それと魔族のやつを吸収したのと、なによりあのぐずりっぷりだった寝起きのせいだと思うぞ☆】

 

【草】

【朗報・ユズちゃん、酔っ払うとかわいい】

【普段でさえかわいいのに、さらに上があったのか……!】

 

ぷんすこと――とろんとした目つきで怒る柚希。

 

柚希が近くに居るからか鼻血を両手で押さえつつも、もはや白目を剥いて久しい魔族。

 

【というか、理央様……】

【言ってやるな、発狂してるだけだから】

【すんげぇ声で絶叫してて、ひなたちゃんとか周りの人が……】

【大丈夫大丈夫、WSSしてるだけだから】

【草】

 

「げんきになったら、またあそぼ。 ね?」

 

「      」

 

――ぶしっ。

 

魔族の全身の亀裂から血が噴き出したかと思うと、その血は魔力のエフェクトをまき散らしながら霧散し――。

 

「……きょ、今日のところは撤退します……しかし」

 

「おにいしゃん、またね♪」

 

「み゜っ……」

 

言葉にならない言葉を放ち……さらさらと、灰のようになって消えてしまった。

 

 

 

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

 

【あの……】

【えぇ……】

【無言の数十秒】

【そらそうよ……】

 

「……んぅ?」

 

あれ……これ、夢じゃなかった?

 

なんか意識がはっきりしてきて、ちょっと良い気分。

 

あ、でもまだ夢だ。

だって、目の前に居たはずのお兄さんが居ないんだもん。

 

それにまだ、なんかぽわぽわするし。

やたら嬉しくって、やたらむずむずするんだ。

 

【あやちゃんも月岡も、膝ついたままの姿勢で固まってる……】

【多分何が起きたのか必死に理解しようとしてる】

【でも多分意識の中の冷静な部分が拒否してる】

【草】

【だって……なぁ……?】

 

【魔王軍がいよいよ攻めてきたって思ったら……】

【絶体絶命のピンチだって思ったら……】

【ユズちゃんが起きなくって……】

【ようやく起きたと思ったら……】

【ユズちゃんのロリロリ攻撃で撃退だもんなぁ……】

 

【草】

【もしかして:魔王軍、弱い】

【いやいやさすがにないだろ……ないよな?】

【そうであってほしいけどそうであってほしくないこの気持ちは一体……】

【これがギャグ展開……ある意味最強のやつだこれ】

【ユズちゃん……バグキャラだったのか……】

 

「あ、おはよぉ」

 

でも夢じゃない?

あやさんと優さんが居るもん。

 

でもぽわぽわする。

 

やっぱ夢だ。

 

「    」

「    」

 

「………………………………?」

 

「おはよ?」

 

「お、おはよう……」

「ご、ございます……?」

 

【かわいい】

【かわいい(思考停止】

【かわいい(白目】

【もうかわいければ何でも良いや……】

 

夢でもご挨拶。

大切だよね。

 

「んぅー……ねむい……」

 

眠いとろれつが回らないからやなんだよなー。

中学まではみんなにばかにされたもんなー。

 

学校で寝ちゃって起こされると「赤ちゃんみたい」って笑われてなー。

先生にも「お母さん」って言っちゃったりするしなー。

 

でもそういえば途中から先生に起こされなくなったし、寝ぼけて起きても誰も怒らなくなったからしあわせー。

 

なんかみんな顔真っ赤にしてたりぷるぷるしたりするんだけど、りおちゃんみたいなのが普通だって女子から言われたからふしぎじゃないんだもんなー。

 

でも僕だって男なんだ、疲れててもがんばらなきゃ。

そうだ、僕は男なんだぞ。

 

男……あ、そうだ。

 

「…………あやしゃん」

「は、はいぃぃい!?」

 

【草】

【あやちゃんの声】

【完全に裏返ってて草】

【そらそうよ……】

【画面越しでもこの破壊力だもん、あやちゃんの母性もくすぐられっぱなしだもんな!】

 

【あやちゃんの母性だって!?】

【ガタッ】

【そういやユズちゃん、あのでっかいのに……ああ、まだよだれが光ってる……】

【草】

【ほんとだ、あやちゃんの服の胸元】

【でもそれに気づく余裕もないあやちゃん……】

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