ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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125話 2回目のレベル測定

休憩室を出たらわらわらと人が居て騒々しいゲート前。

 

……なのに僕たちが出てきたらぴたっと静かになって、しんとして足音すらしなくなって。

 

「?」

 

「あ゛っ」

「ん゜っ」

 

なんか変な声、呻き声みたいなのがそこかしこに。

 

「あ……先輩先輩、髪の毛髪の毛」

「あ、寝ぐせついてた」

 

なんか横にぴょこんって飛び跳ねてる毛束が……そのせいで笑われたのかな。

 

眠くてまぶたも下がってたし……恥ずかしいなぁ、もう。

 

「……失礼します、星――柚希さん、でしたね」

「あ、教官さん」

 

立ったままじっとこっち見てきてる、重装備の人たち……あれって上位陣とかそういう人たち?……とか軍隊の人とか白衣着た人たち。

 

彼らをかき分けて来たのは、もうおなじみの教官のお姉さん。

 

「他の方たちにはうかがいましたが、柚希さんは寝ていらしたので……お時間、少しよろしいですか?」

「え、はい、僕は別に……」

 

光宮さんを見ると、こくりとうなずく。

 

なぜか両手を光宮さんとひなたさん、後ろから肩をあやさんにっていう状況で、僕たちは彼女の後ろ姿を追う。

 

「あれが……」

「ああ……」

 

……なんか居心地悪い?

 

気のせい?

 

 

 

 

着いた先は、廊下の奥の……普通の部屋。

 

「……ふぅ。 楽にしてもらって構いませんよ」

 

ぱたりと閉じてがちゃりと締められたカギ。

人が多いと緊張するからほっとするね。

 

「改めて3人とも、先ほどは事情聴取の方、ありがとうございました」

 

「いえ、大したことも話せなくて……」

「ひなたたち、途中でこっちに来ちゃったから……」

 

「いえ、あの場で戦闘できるおふたりが居てしまった場合、柚希さんのためにと戦っていた可能性があります。 そしてあの威力でしたから……戦闘を避けようと考えていたらしい魔族の思惑通りで正解かと。 結果的に、ですけどね」

「……そうですね」

 

「あれは、柚希さんに悪印象を持たれないように。 その様子でしたから、親しいおふたりにもひどいことはしなかったはずではありますけど……」

 

「どう転ぶか分からなかったんです。 被害が皆無だったのが奇跡なんですよ、夢月さん。 ……あなたも連れ去られてもおかしくはありませんでしたし」

 

「?」

 

用意されてるイスに座りながら話してる3人。

僕は何のことだかさっぱりだ。

 

それにまだ、なんかぼーっとするし眠い気もするし。

 

んー?

 

寝ちゃうほどじゃないけど……なんかぼーっとする。

 

「さて、星野柚希さん、どうぞこちらへ」

「あ、はい」

 

もう何度目、さすがに名前覚えられちゃってるらしい僕。

久しぶりに、学校で先生に呼ばれるような感覚だ。

 

僕と一緒に眠いらしいおまんじゅうもチョコも、もぞもぞしてるだけ。

 

お姉さんのことも気に入ってた記憶のあるおまんじゅうも、ちらりと見るだけでまた僕の肘の内側に鼻をうずめちゃう。

 

よっぽど眠いんだね……僕とおんなじだ。

 

「……さて、まずはレベル測定を」

「え? 今ですか?」

 

「ひなたたちもさっきやったよ!」

「ええ、ほんの少しで上がっていました」

 

「あ、そうなんだ」

 

テーブルの上には、この前見たのよりでっかい水晶の玉。

 

なるほど、確かレベル測定器はいいやつほどいつもあっちこっち貸し出されてるって言うし、たまたまここにあったからってことなんだろう。

 

……それに、僕自身のレベルも全然分からなかったし。

 

男だもん、自分のレベルはちゃんと知っときたいよね……いや、女の子でもおんなじか。

 

「では、テイムしたモンスターたちを他の方に。 このレベル測定器なら、それであなたの正確なレベルが出るはずです」

 

おー、すごい。

 

とりあえずでおまんじゅうをあやさんに、チョコを光宮さんに預けた僕は教官さんの前に。

 

「……どのような数字が出ても驚かないでくださいね」

「え? ……あー、せめて5は超えてると良いですねぇ」

 

この前は変な数字出たけども、結局は新しくテイムした、元野良のチョコのせいだったんだろうってことだったし。

 

……僕、どのくらいになってるのかなぁ。

 

「きゅひぃぃぃ……!」

「ちょ、ちょっとおまんじゅうちゃんっ」

「ぴ、ぴ?」

「あははっ、ゆずきちゃんが気になるって!」

 

後ろを振り返ると……なんか振動してるおまんじゅうとチョコ。

 

おまんじゅうはいつものことだし、チョコもわりと震えてるからいつものことな気がする。

 

……モンスターさんたちって、普段はこうなのかなぁ。

 

それだったら……別に襲ってこないなら、みんなで仲良くできそうなのにね。

 

だって、テイムしたら敵じゃなくなるんだもん。

 

それこそ、「魔物をまとめてる存在をテイム」しちゃえば――――――――

 

「あ、そうだ。 配信は」

 

そういえば、僕、途中で寝ちゃった?から視聴者の人たちに挨拶してない。

 

あと、この前もレベル測定のときは配信してたから……って思ったんだけども。

 

「申し訳ありませんが……ただでさえあなたたちは、その……」

 

「……そうですね。 私たちのも配信しませんでしたし、無事ということは伝わっているはずですから」

「そうだねぇ……ニュースとか今すごいことになってるから、多分誰も見ないだろうしねぇ……」

 

「ぴ。 ぴ。 ぴぴぴぴっ」

「――きゅっきゅきゅきゅきゅきゅ……」

 

チョコとおまんじゅうが聞いたことない声を上げてる。

 

でも、普通に光宮さんたちの腕の中で振動してるだけだし……多分光宮さんが好きだからなんだろう。

 

ちょっと嫉妬しちゃうけども、仲の良い子は多いほど良いからがまんがまん。

 

【ん?】

【お?】

【なんだこれ】

【文字化けしてる配信……って、ユズちゃん!?】

【あ、アカウントは確かにユズちゃんのだわ】

 

【もしかして:ユズちゃん】

【ああ……】

【だろうなぁ……】

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