ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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20話 ここで「僕は男です」って言っておけば良かったのに

【しかもこの感じあれか、初心者講習とかか】

【初心者なら仕方ない】

【こういうことを想定してのAI補正なのね】

【音声も映像も個人情報とかセンシティブって判断したのはオートでいい具合にしてくれるからなぁ】

 

【ああ……配られる配信機材、全部の設定でいちいち設定しないとめんどくさかったのってこのためか……】

【このためなんだろうなぁ……】

【繋がってしまったな……】

【ああ……】

【めんどくさくしなきゃいけない理由が分かっちゃいましたねぇ……】

【ユズちゃんみたいな子がワンタッチで解除しちゃったらやべーもんなぁ】

 

「なぁんだ……せっかくデビューできる機会だったのに」

「きゅいっきゅいっ」

 

さっきは困るって感じだったのに、映らないなら映らないで落ち込んで……おまんじゅうを撫でてる向日さん。

 

こういうところは光宮さんに似てるなぁ……この子の方がずっと子供だけども。

 

「向日さんと夢月さんは持ってこなかったんですか?」

 

「うん……ただのお勉強会だと思ってたから……」

「私は、配信する予定も今のところはないので……」

 

今の時代、ダンジョン攻略と言えば配信。

 

……だけど、いくら女の子は男に比べてすぐに人が集まりやすいとは言っても、そこは女の子。

 

セクハラコメントとかストーカーとか嫌がらせとか、果ては配信場所とかを割り出して直接会いに来たりされるから、結構リスキーだって言う。

 

だから、繁華街とか遊園地に行くときみたいに、安心できる男の人と一緒に。

 

そうじゃなきゃ、大人数でパーティー組むのが普通らしい。

 

「そういうものですから!」って言って、よく買い物とかに付き合わされたもんなぁ……光宮さんに。

 

その途中に、よく服屋とかで光宮さんに着せられてたっけ……今日みたいに女の子な服を。

 

男手が欲しいから呼ばれたのに女の子の格好してたら意味ないんじゃないかとも思ったけども……ほら、僕、強く言えないから。

 

……僕だって男なのになぁ……。

 

「ねー、そういえばさー、ゆずきちゃんのユニコーンってどんな攻撃するの?」

 

「向日さん、今は配信……していないからセーフですね……ええと、幼体ですから体当たりなどの攻撃から……」

 

【名前が……名前が全部別のに変換されてる……】

【よく見たら、名前呼ぶときだけ口の動きと違うもんなぁ】

【ユズちゃんの名前だけは合ってるっぽいけど……】

【ゆずきちゃんって呼ばれてる!】

【ゆずきちゃん……ユズちゃん……なるほど】

 

【しかしユニコーンなのは確定か】

【ユニコーンだって!?】

【冗談じゃなかったのか】

【おう、ユズちゃんの抱っこしてるのはユニコーンだってよ。 協会員の人が居るんだ、確定したんだろ】

【マジか……つまりユズちゃんは……!】

 

【お前、この天然っぷりで男、居ると思うか?】

【天然だからあっさりってパターンあるだろ】

【確かに】

【ちょろそうだもんなぁ】

【「そういうもんだぞ」って言われたらあっさり堕ちそうだしなぁ、ユズちゃん……】

 

【やめてくれ……あの子は良い子だったんだ……】

【どうして……ぽっと出のヤツなんかに……】

【あああああもっと早く好きって言っとけばああああ】

【草】

【視聴者が勝手にダメージ受けてて草】

【ああうん、かわいくて警戒心がなかったりすると……都会も田舎も関係なく、ねぇ……】

 

【かわいいのに彼氏いないとか希少種すぎるもんなぁ】

【田舎なんて、彼氏彼女が居るのが当たり前だし……】

【それどこの田舎? 俺、そんなの聞かれたことなんて……聞かれたことなんて……】

【ぶわっ】

 

【だが大丈夫、ユニコーンがいるあいだは確実に……いや、これまでもこの先も、ユニコーンがユズちゃんといる限りは男は居ないぞ】

 

【じゃあもし、ある時期からユニコーン居なくなってさ? 「ユニコーンさんは……野生に帰りました」とか言われたら?】

 

【え? 破壊される】

【木っ端みじんになる】

【うっ……幼馴染みのアイツとの……】

【なんで……将来は結婚しようねって……】

【大量虐殺やめてくれない?】

【人の心ってものがないの?】

【草】

 

「体当たりかぁ……大丈夫そう?」

「きゅい?」

 

分からないらしい……って言うか僕が分からないからマネしてるだけか。

 

白くて丸っこくてころころしてて、額から尻尾までのたてがみはふさふさで……なんかやっぱ伸びてるよね……体毛もそこそこふさふさ。

 

足の裏だって硬くはないし……馬なはずなのにね……ほんとに体当たりなんてして大丈夫なのかなぁ。

 

「痛かったら攻撃しなくて良いからね。 おまんじゅうのこと、いじめたいわけじゃないから」

「きゅい!」

 

ふんすっ、って感じでなんだか元気になったみたい。

 

「ふふ、かわいっ」

 

【あっ(尊死】

【おまかわ】

【ユズちゃんって本当に純真なんだな……良くも悪くも】

【お前ら、セクハラコメントはNGだぞ】

【でもユズちゃん、配信してるって気づいてないよ?】

【そうなんだよなぁ……】

 

【ま、まぁ、どこの誰か分かんないんじゃ大丈夫でしょ……】

【とは言っても地域は絞られちゃってるけどな】

【時間の問題かぁ】

【ユズちゃんお願い……気づいて……】

【協会員さんでも誰でもいいから、ユズちゃんがオンラインで配信しちゃってるって……お願い……】

 

「じゃあ! 今日は私が守るから!」

「はい、お願いしますね、向日さん」

「ひなたって呼んでってば! ゆずちゃん!」

「はい、ひなたさん」

 

やる気満々な向日……ひなたさんに手を繋がれたから、片腕でおまんじゅうを抱きかかえる感じに。

 

……これ、いつもの光宮さんと一緒なときとおんなじ……。

 

【名字はぼかされたが、ひなたちゃんか】

【ロリがロリとおてて繋いで引っ張ってる】

【かわいい】

【尊い】

【これが尊いという感情……】

【しかもユズちゃんの方が引っ張られてるっていうね】

【話し方的にひなたちゃんの方が年上か】

【なるほど、ユズちゃんは小5以下、と】

 

「……ところで、私……魔法ってどう撃てばいいのでしょう……?」

 

「感覚が染みつくまでは『体から何かを出してモンスターに当てる』感じでしょうか。 みなさん、大体すぐに出せますから大丈夫ですよ」

 

後ろからはひそひそを止めたらしい2人。

 

……前には僕より小さい小学生、後ろには大学生さんと社会人さん。

 

全員女の子。

 

で、僕もスカート。

 

……男だって、最初に言っとけば良かったかなぁ……。

 

でも、今は向日……ひなたさんだって楽しそうだし、初めてのダンジョンの邪魔しちゃ悪いし……後でいっか。

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