ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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198話 救援隊の休息

「……ふぅ。 みなさん、今日はここまでにします」

 

「え、でも」

 

「理央さん?」

「……分かりました」

 

「みなさんも、よろしいですね? 救助は、まずは自分たちの身の安全が第一ですから。 きちんと栄養と休養を摂って、万全の状態で明日、再開しましょうね」

 

「はーいっ」

「分かりました、みなさんとお夕飯の支度ですね」

 

不承不承という感じで従う理央、ひなたはその幼さで、あやは体力の低さから疲れ切っていたから素直に返事をし、荷物を下ろし始める。

 

【はーい】

【はーい】

【視聴者たちが小学生になっている】

【ユズちゃんとひなたちゃんに汚染されたからね】

【草】

 

【しかし安心して見ていられる配信だな……】

【ほんと、これで人類初のアンノウン領域に突入してるだなんて……】

【だって……】

【ああ……】

【比較対象が……なぁ……?】

 

【ユズワールドが盛大に展開されてるからな!】

【ユズちゃんだけでなく、まさかのユズママっていう本命が登場するとはな……】

【ユズワールドでちょうちょしてボスモンスターをたくさんテイムするとかな……】

【なんでぇ……?】

 

【大丈夫、ユズちゃんはモンスターたちの目の前でお鍋ぐつぐつしてただけ……やっぱユズちゃんのせいだわ】

 

【草】

【うん、ユズママがやらかしたのも、元はと言えばユズちゃんのダイナミックキャンプよねぇ……】

【ま、まあ、無事だったから良いじゃん?】

 

【良くない】

【良くないが?】

【視聴者たちの情緒が崩壊したが?】

【全世界の、特に有識者たちの方こそが崩壊したが?】

【知識と常識持ってた人ほど発狂してそう】

【おいたわしい……】

 

「……それにしても、人数がそろえばここまで行けるのね……後は、とても高い士気に連携が。 学生は、すごいわ」

 

最前線を突っ切っていた教官は、数人の救護班に取り囲まれて治療を受け始める。

 

「教官さんが、あんなに強かったからですよ!」

「そうです! あんなに傷つきながらも次々と……!」

「臨時編成なのに、すぐに実力と役割で班分けしたからスムーズに来れたんです!」

 

「私は……中級者より先に行けなかった人間よ。 モンスターがこれ以上強くなってきたら、こうは行かないわ」

 

【お姉さん……】

【きゅんっ】

【なるほどな、この歳で新人の育成のお仕事してる理由が謎だったが】

【学生時代にダンジョン潜り、んで良いとこまで行ったけど限界を感じて後進の育成か】

 

【ママ……?】

【これで経産婦……いや、止めておこう……トラウマが蘇る……】

【草】

【ユズママの被害者が居て草】

【大丈夫、ユズワールド展開できる経産婦はそんなにいないから】

【あんなのがこれ以上いてたまるか!?】

 

現在、暫定での通称である「ダンジョン・ユズワールド」(視聴者命名)。

 

そこの17階層と……通常なら中ボスの居るフロアを目前に、時刻も夕方だからと攻略を停止。

 

一泊するのに適した地形があったため、今日1日の疲れを取ろうと、リーダーになっている教官の指示で、先遣隊35名、そして追いついて来た理央たち……合わせて100名ほどが腰を下ろし始める。

 

「3時間後、新たに400名が合流予定です」

「必要な資材はありますか?」

「じゃ、この薬品と……あと、救護班の人も……」

 

各自散開し、仕事の残る人――特に協会の人間は気を張ったままだ――も居るが、理央たちは近場の岩に腰をかける。

 

「今日も大変だったね!」

「ええ、もう慣れっこになってしまいましたね」

「ごめんなさい……柚希先輩が絡むと、毎回必ず……」

 

【ぶわっ】

【理央様なかないで】

【本当、理央様がかわいそうで】

【おいたわしい……】

【理央様が煤けている……】

 

「しかも柚希先輩の配信じゃ、想像できなかったことばっかり起きてて……こうして命がけで攻略してる今とごちゃごちゃになって、頭がときどきおかしくなりそうだし……私、何でここに居るんだろ……柚希先輩、どこにいるんだろ……?」

 

【理央様! お休みくださいませ理央様!!】

【理央様でも耐えられないのか……ユズワールドが……】

【ただのユズワールドじゃないもん、ダブルユズワールドだもん】

 

【しかもユズママに生えて飛んでステイさせたんだもんなぁ……】

【草】

【昨日までは絶対理解できないはずのいろいろで草】

【やっぱ固有能力だって、しかも今は2人分だって】

 

「……はい、では、名簿はこちらに……」

「ありがとうございます。 3時間おきの見張りは……」

「すいませーん、男女の寝るとこなんですけどー」

「少ないですけどごはんですよー」

「トイレはこっちに設置しますから……」

 

フロアのあちらこちらで元気な声が響き合う。

 

その主たちは、通常のダンジョン攻略配信――とは同年代。

 

だが、その数は大規模な攻略並みであり、さらに真剣度はそれに劣らない。

 

練度もレベルも低めで即席であっても、目的も連携も完全に一致しているのが、彼らの強みだ。

 

【ダンジョン協会&ユズちゃん親衛隊&有志の学生たちっていうすごすぎるメンバーだな】

 

【所属とか以前に装備とかレベルもばらばらで】

【でも、仲間割れとかしないで統率取れてるんだよな】

【ダンジョン適性がなくって、荷物持ちとか飯炊きだけの子とかすら来てるレベルなのにすごいよな】

 

【特に親衛隊と有志の学生たち、ほとんどが近くの学校のメンバーだからお互い顔も知ってるっていう、これ以上ない条件が整ってるしな】

 

【まあな、ユズちゃんがお世話になった教官さんに、ユズちゃんがほしいけど絶対に意識されない系おいたわしい系不憫系理央様が司令塔だからな!】

 

【ひどくない?】

【お前には人の心ってもんがないのか?】

【理央様……不憫な……】

【不憫だから、みんなの同情と応援が集まるんだよ?】

【草】

 

「配信をご覧のみなさんも、明日の朝まで休んでいてください。 ……ダンジョン化したり、あふれたダンジョンから、いつモンスターが押し寄せてきて緊急避難や戦闘になるか分かりませんから」

 

【はーい】

【教官せんせー】

【年下の女子に命令される……ふぅ……】

【うわぁ……】

【とりあえずちゃんと風呂入ってご飯食べて寝ようぜ  ユズちゃんを応援するためにも】

 

【そうだな!】

【明日も絶対何かやらかすからな!】

【間違いないもんな!】

【草】

【ユズちゃんに対するこの信頼よ……】

【だってユズちゃんだもんねぇ……】

 

 

◆◆◆

 

 

次回から新章です。

巻き込まれた柚希くんたち。その前に、遠い遠い場所からやって来た……?




すっぽ抜けている171話、ナンバリングミスで179→180→179→180→181話になっている部分を修正しました。途中が気になる方はちょっとだけ戻ってみてください。
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