ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

206 / 597
204話 褒めればがんばれるおまんじゅう

「おまんじゅう、お願いっ」

 

魔力消費を気にしなくなってからは、全力を出す意識でおまんじゅうをぎゅっ。

 

ぴーっ。

 

見慣れたレーザーが、見慣れてきたら綺麗に見える謎の空間へ拡散していく。

 

「きゅいーっ! ………………………………ぜぇぜぇ」

 

「おまんじゅう? まだやれる?」

「……き、きゅい……」

 

胸の中でもぞもぞしているおまんじゅうからは、「もうむり」「ちょっと休みたい」「匂い嗅ぎたい」とかいつも通りの反応。

 

まだまだ行けるね。

 

じゃ、また応援してあげてがんばってもらお。

 

「ふーっ……おまーんじゅう♥ がんばれ♥」

「おまんじゅうちゃーん♥ がんばってー♥」

 

お母さんに習った「男の人はこういう感じに褒めると効くのよ」っていうのをマネながら、おまんじゅうの耳元でぼそぼそと囁いてみる。

 

最初は恥ずかしかったけども、何回かやるとなんか楽しくなってくるね。

 

なんていうか、こう……「ちょっとおだてるだけでこんなにがんばるんだなぁ」って思えるあたりが、かな?

 

うん、今度理央ちゃんとか田中君にやってみよう。

 

なんかおもしろいし。

 

「きゅ、きゅひぃ……きゅい――っ!!」

 

ぴーっ。

 

取り囲もうとしてくるたくさんのモンスターたちが、普段の何倍ものレーザーでぐるりと結晶に変わっていく。

 

地面にがちゃんがちゃんって落ちる音は、もはや聞き慣れたもの。

場所によってはそれなりに積み上がってきて、倒した実感が湧いてくる気がする。

 

「きゅ……? きゅひぃ……?」

 

肩で息をしながら……肩なんてもふもふの毛で隠れて分からないけどね……普段よりもつぶらな瞳で見上げてくるおまんじゅう。

 

「もういい?」「疲れた」「吸いたい」。

 

そういうこと考えられるあいだは、まだ大丈夫だね。

 

「おまーんじゅ♥」

「まだできるでしょー? 男の子なんだからがんばってー♥」

 

「「……ふーっ♥」」

 

お母さんに教えられたように、耳元で優しく囁くのと同時に、ふーっと優しい息も耳の中へ。

 

「きゅひっ、きゅ、きゅひひ、きゅひぃ――――――っ!!」

 

びーっ。

 

敵の包囲がまた少し遠のく。

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

 

「あ、お母さん、ちょっと休ませた方が良いみたい」

「そうねぇ、さっきからがんばっているものねぇ」

 

「きゅ……」

「ぴぴぴ、ぴぴっ」

 

【草】

【さっきから酷使され続けてるユニコーンで草】

【明らかにひどい扱いで草】

【ていうかあれ、ASMRなんじゃ……?】

【ダブルユズのASMRとか最高すぎない?】

 

【普段のユズちゃん、もっとおまんじゅうちゃんのこと優しく扱ってるよな……?】

 

【あれじゃね? この前も襲われたとき、ひっくり返ってただけで何の役にも立たなかったから】

 

【草】

【ああ、それはしょうがないわな】

【ユズちゃんでも怒るのか……】

【怒るぞ? 魔族のとか忘れたのか?】

【草】

 

【あれは魔力酔いだろ!!】

【酔ってああなるなら、理性失うとああなるってことだ】

【なるほど……】

【つまりユズちゃん、怒るときはウザ絡み系……?】

【なにそれかわいい】

 

【ユズちゃんだから本気で怒れなさそうでかわいい】

【ユズちゃんに怒られたい】

【この場面、絶対あとで有志がASMRに加工するよね……】

【だって、ユズちゃんのがんばれ♥がんばれ♥だもん】

 

【それにしても明らかにユニコーンが疲れ切ってて草】

【なんかいつもよりひしゃげてて草】

【でもユズちゃんに抱きつかれてるから同情されないっていうね】

【ユズ姉妹から実にいかがわしいかけ声を耳元で……許せないもんな!】

 

【大変にやらしくて大変によろしい】

【分かる】

【これが生きがい】

【分かる】

 

【お前ら……】

【これで、本人たちはやらしさなんてこれっぽっちも意識してないってことがさらにかき立てるんだ……!】

【分かる】

【えぇ……】

 

【え? でもユズママは】

【ユズねぇだ、良いな?】

【経産婦ではなくユニコーンに好かれる処女だ  良いな?】

【あっはい】

 

【コメント欄がさっきからひどすぎる】

【こいつら、とうとう歴史を修正しに来やがった】

【仮にユズママが本当にユズねぇだとしたら、ユズちゃんの産みの親はどこにってことになるし……】

 

【もうコウノトリさんが運んできたってことでよくね? 2人ともセットで】

【異議なし】

【草】

【いちいち失礼すぎて草】

 

「ほんと、すごいよねー、おまんじゅー」

「ええ! こんなにすごいのなんて初めて見たわぁ!」

 

「ぜぇぜぇ……きゅっ、きゅひっ、きゅひひひぃぃー!!」

 

びーっ。

 

あ、まだまだ大丈夫そう。

 

「わー、すごいよぉおまんじゅー♥」

「そうねぇ、今の、今日でいちばんすごかったわー♥」

 

疲れてるけどなんか元気が出て、またビームを発射するおまんじゅう。

 

結構行けるもんだね。

 

「すっごーい! おまんじゅうって何回もできるんだー♥」

「ええ、すごいわねぇ! おまんじゅうちゃん、かっこいー♥」

 

「きゅひっ、ひっ、……きゅひぃ――――――っ!」

 

「わ、まだ出るんだ」

「すっごーい♥ 男らしーい♥」

 

【草】

【ちょろすぎて草】

【ユズ姉妹とユニコーンの相性が良すぎて草】

【これは天性の才能だな】

【男を喜ばせる才能……ふぅ……】

 

【これはもうサキュバスだよ】

【サキュバス姉妹だって!?】

【もはやユズパパの存在が抹消されてて草】

 

【というかユズちゃん、セリフひとつひとつがなんかいかがわしいんだけど……これで素?】

 

【逆に訊くけど、ユズちゃんが計算できるような頭持ってると思うか?】

 

【ごめん、馬鹿な質問したわ】

【そうだよな、万が一にもないよな】

【全ては教えたユズねぇが悪い】

【ユズねぇはいかがわしい知識も……ふぅ……】

【草】

 

【コメント欄の流れがひどすぎて草】

【でもユズちゃんだよ?】

【ごめん、間違ってたわ……】

【草】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。