ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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214話 夢の中で、おやびんさんと雑談

ぼーっとした頭で、僕はぽけーっと座りながらとめどない会話を人外の存在としている。

 

それは認識してるし、それがおかしいことなんだって理解もしてるし思ってるけども……何しろ眠いし疲れてるから、特におかしいとは感じない。

 

これ、夢の終わりあたりでふと思うやつだよね。

 

だからやっぱりこれは夢なんだ。

夢なら適当にしゃべってれば良いよね。

 

【とろんとしてるユズちゃん】

【●REC】

【もそもそ荷物整理してる】

【なんでぇ……?】

 

【酔ってるからな、奇行くらいするだろ】

【ユズちゃんだしな】

【草】

 

「しっかし……はぁ、疲れたなぁ。 何回も世界を渡るのは」

 

夢の中で、でっかい羽を生やした爬虫類さんがため息をついている。

 

「おやびんさんたちのところ、遠いんですか?」

 

「おうよ、魔族になったから使えるようになった、遠くの世界へ渡れる力。 これを飽きるくらい使いまくってようやくだぜ」

「へー」

 

世界を渡る力。

なんかすごいなぁ。

 

【遠いのか】

【らしいな】

【んなやつらがわざわざ来るって】

【ユズちゃん、よっぽど良い匂いするんだね……】

【異世界へ拡散するユズフレグランス】

 

夢の中って、話だけはおもしろいよね。

 

多分起きてたらはちゃめちゃなんだけど、だからこそおもしろいっていうか。

 

「だが、やっぱ魔力で溢れてる空間は良いな! ああ、ここは良いぜ! 何回か寝て起きれば俺様も元気になれそうだしな!」

「あ、やっぱりここって魔力がすごいんですね」

 

きらきらと果てしなく広がる、紫とかピンクとか緑に輝く空間。

 

まぁいかにも魔力とか不思議な力があふれてそうではあるよね。

 

「ああ、こんなに濃いのはなかなか無いぜ? ていうか、この場所も取り合いになりそうだな」

「へー」

 

【なにそれこわい】

【あー、おいしい場所なんですねぇモンスターにとって】

【まぁ普通のダンジョンじゃないしな、ここ】

 

【それ……やばない?】

【そのうち魔王軍も来そう】

【フラグ立てるのやめろって!】

 

ちらばってる荷物をひとつひとつ拾う僕の手に顔を近づけて、ふんふん匂い嗅いでるおやびんさん。

 

……なんか犬みたいでかわいいかも。

 

「ここでなら俺たちも上位種族に……いや、アイツらも魔力使いたい放題になるからムリか」

 

「おやびんさんたちより強い人……魔族さんって居るんですね」

 

「おうよ。 残念だが、この体で産まれた以上には種族差があるのは仕方ねぇ」

 

「そうですね。 僕たちだって、頭も体も器用さもみんなばらばらですからよく分かります」

 

僕は、その中でも何にもできない部類だからね。

 

たまたま僕の学年がおとなしいだけで、そうじゃなければ小さい頃みたいにいじめられるしかないもん。

 

【ワイバーンだもんなぁ】

【ユズちゃんだもんなぁ】

【草】

【ワイバーンはまだ分かるけど……ユズちゃんて】

 

【ま、まあ、ますこっとなりに思うところはあるんだろう……】

【ますこっと扱いで喜ぶ女の子は多いだろうけど、それが嫌な子ってのも居るだろうしなぁ】

【あー】

 

【あれか、子供のときに知らない大人からもいきなりタメで話しかけられるとか、ああいうのが嫌って感じるのに似てるのかな】

【あ、それめっちゃ分かる】

 

「ちょうど、お前が人間……人間?」

「……なんでそんな目で見るんですか」

 

【草】

【草】

【とうとうツッコミが】

【まぁ、羽がひらひらしてるし……】

【気を抜くと尊死させてくるし……】

【草】

 

おやびんさんのでっかいおめめが僕を何回も上から下へと見て……首をかしげている。

 

……夢の中の存在だからって、そうやってえぐってくるんだ。

 

へー。

 

僕が、人間じゃないって?

僕が、男に見えないって?

 

へー。

 

「だってお前、羽生えてる人間なんて初めて見たし」

「人間だって生えることくらいあります」

 

【?】

【???】

【無いと思うよ?】

【それは無いぞユズちゃん】

 

「そうか?」

「そうですよ、ほら、僕たち2人、生えてるじゃないですか」

 

【ユズ姉妹が特別なんだよ?】

【ほら、視聴者の大半がご先祖にモンスターとか魔族が居るだろうって思ってるし】

【あるいは存在そのものが妖精さんとか】

 

突然変異とかあるでしょ?

 

同級生たちはぐんぐん背が伸びていくのに、僕は小学校の途中からぴたっと止まっちゃってるとか。

 

同級生たちのおなかの下とかふとももとかあごにもさっと毛が生えていくのに、僕にはぜんっぜん生える気配がないとか。

 

その代わりに羽が生えたとしても、不思議はないよね。

 

「そうか……人間には生える個体もあるのか……精霊族とかじゃなくて……」

「僕は生粋の人間です!」

 

【え?】

【え?】

【what?】

【???】

【え? ちょうちょがなんだって?】

【言動で否定できないよユズちゃん!】

 

「雌なはずなのに乳も無いし……」

 

「は?」

 

【ひぇっ】

【!?】

【トーンが下がってる】

【こわいよユズちゃん!?】

【おこおこユズちゃん】

 

何言ってるのこの人……僕、男だよ?

 

「何が――言いたいんですか?」

 

【もしかして:ユズちゃん、お胸の話が地雷】

【……そういや今まで、ユズちゃんのお胸の話題はそんなにしなかったよな】

【ぺったんこからどたぷんまでたくさんあったからなぁ】

【お前……】

 

【俺たちは、たまたま地雷を踏み抜いていなかっただけなのか……?】

【理央ちゃんへのコンプレックスとかあるだろうしなぁ】

【あー】

【幼なじみの後輩だからこそっていうね】

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