ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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219話 味方も敵も増えての再戦

「――ま、使役されたもんはしょうがないんだぜ!」

 

おやびんさんが後ろを向いて、手下さんたちへ語りかける。

 

「もともと俺様たちは、でかい面しやがる魔王率いるドラゴン――俺様たちが縄張りを広げるたびに襲ってきて奪いやがる、あいつらから逃げ続けてきたんだ!」

 

「おやびん……」

「おやびんさん」

 

「だからこの娘――ユズを手に入れて魔王になり、食っちゃ寝の生活を求めて来た! だがこの通り、よりにもよって俺様と上位の部下たちが揃って使役された!」

 

――じりじりと、おやびんさんたち以外のモンスターが範囲を狭め始めている。

 

「なら! ――俺様は、ユズの支配下で食っちゃ寝できる生活を求める方に切り替える! ついでにこの空間もユズの支配下になれば魔力も好き放題だし、何より楽だしな!!」

 

「さすがはおやびん、手下根性っすね!」

「でも分かるぜおやびん!」

「おやびん!」

 

「当たり前だ! わざわざ異世界へ来てまでイヤミ言ってきやがるドラゴンのやつらから、お前たち守ってきたからな!」

 

「それ、褒めて良いんですか?」

「おやびん……」

「おやびんはいいやつなんだよなぁ  バカだけど」

「ああ、すーぐおだてられるバカだけど」

 

【草】

【おやびん……】

【気持ちは分かる】

【え? モンスターと俺たちって同じメンタリティーなの?】

【あっ】

【ニート気質のおやびん】

 

【そう思うとなんだか急に親近感が】

【魔族に覚醒したから……って言ってたが】

【まぁ知ったところで、襲ってくる以上には倒すしかないんですけどね】

 

【おやびんたちみたいなのがもっと増えたら良いんだけどなぁ】

【せめて普通のモンスターは自我がなくてほしいけどなぁ】

【ま、まぁ、テイムされた以外のはほとんどしゃべってないし……】

 

「――群れの長、元・自称魔王として命ずる! 俺様の決定に文句あるヤツ、かかってきやがれ! 影でコソコソバカにして来やがるくせに顔色だけはうかがってくるだけのやつらは嫌いだからな!」

 

「「「………………………………」」」

 

「……いいの? ゆず」

 

「うん。 なんとなく、おやびんさんの気持ち、分かるから」

 

おやびんさんの気持ちが、流れ込んで来る。

 

――ああ、なるほど。

 

僕たちは――こんなにも似てるから、寝ているあいだにうっかりテイムしちゃったんだね。

 

「そ。 なら、今日もがんばりましょうか」

「うん」

 

「きゅ」

「ぴ」

 

「「「わぉん!!」」」

 

【草】

【50匹の次は300匹が】

【なるほど、ユズちゃんは強いの一点買い、ユズねぇは量で攻めるタイプか】

【なるほど】

【性格が表れてそうね】

 

【でも、魔力消費……】

【こ、この空間ならなんとかなるっぽいし……】

【まー、テイマーはテイム解除して野に返すとかできるし、何とかなるだろ】

【そうだっけか】

【仲間になってる手下たちなら、解除しても敵対的じゃない……といいなぁ】

 

【ワイバーンの3割未満をテイム……で、残りが全部敵か】

【最初よりはマシかな?】

【きっとな】

【結局戦うことになるのね】

【ちゃんと食べて寝たし、大丈夫だよきっと】

 

【あの……ユズちゃんのおトイレシーンは……?】

【お前……】

【配信用のドローンが離れてるときにこっそり……?】

【あー】

 

【なんだかんだユズちゃんも乙女だからな!】

【一応、そういうのが恥ずかしいとは思うんだな、ユズちゃんも……】

【乙女!】

【乙女(ユニコーンからワイバーンまでテイムしたちょうちょ】

【草】

 

 

 

 

「GAAA――――――!!」

 

「おやびん! こいつら、おやびんの枷から逃げやがりましたぜ!」

「おかげでせっかく細かい意思疎通できるようになったのにできなくなってやんの! ばーかばーか!」

 

「ばーかばーか!」

「ばーかばーか!」

 

「あの……バカって言う方がバカだと思いますけど」

 

「そうなの!?」

「マジで!?」

「ユズ姫、裏切るのか俺たちを!?」

 

「いえ……」

 

おやびんさんたちが僕たちに付くと知って怒った元手下さんたちが襲いかかってきて、すっかり乱戦状態。

 

「ユズよ! お前はどちらの味方なのだ!?」

 

「その、いちいちムキになってバカバカって返してると、バカじゃなくってもバカだって見られるんだって言ってるんです」

 

「……難しい!」

 

「バカって言う方が、バカなんです」

 

「なるほど!」

「さすがユズ姫、あったまいー!」

「俺たちのご主人だからな!」

「これはこれで」

 

【草】

【バカばっか】

【バかわいいとはこのことか】

 

【あー、こいつら、バカでワルだけど大人に叱られる程度のバカとワルしかしない系不良だわ】

 

【特に悪いことはしなくって、普通に話しかけたら普通に仲良くなれるタイプのワル……バカだわ】

 

【つまり?】

【単なるバカだ!!】

【ついでにちょろい!!】

【草】

【あ、しっくり来た】

 

【悪いやつらじゃないんだよなぁ】

【ただただバカだから、道を外しやすいってだけで】

【バカでつまはじきだからツッパって補導されてのループでってパターンか】

【あー】

 

【大丈夫、もうユズちゃんとユズねぇの支配下だから】

【え!? ダブルユズ番長だって!?】

【草】

【番長で草】

【マスコット番長……斬新だな】

【おやびんユズちゃん……】

 

結局昨日と同じように、全方位が敵だらけ。

 

違うのは、たくさん寝て元気になってるのと、なぜか魔力がもっと貯まってるのと――味方が、増えてること。

 

……なんとか。

 

なんとか、ここを突破して――理央ちゃんたちのところに、戻るんだ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ストックが尽きたので、以降は1日1話ペースになります。

 

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