ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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223話 【朗報・えっちなお姉さん登場】

『――――――――承知しました、主様』

 

僕の手が、さらさらした誰かの両手に包み込まれる。

 

『今は、仮契約を。 ――後のことは、お任せくださいませ』

 

「ん……」

 

――ちゅっ、って。

 

誰かの、あったかい唇が――僕の手の甲を、軽く吸った気がした。

 

 

 

 

何もない空間から出現した「彼女」が、柚希が延ばしていた腕を取り――跪きながら、その手の甲へと口づけをした。

 

そのあまりの衝撃に、一瞬止まるコメント欄。

 

「……あら……え? あなた……?」

 

柚希を抱きしめていた母親が振り返ると、そこには――

 

【「わぁぁぁぁぁぁん!!!! 私の柚希先輩! 私の柚希先輩がぽっと出の痴女に取られ――――――――」】

 

【悲報・理央様、NTR】

【草】

【どう見ても草生やしてる場合じゃないのに草】

 

【なにこのえっちなお姉さん】

【えっち】

【えっち】

【お前ら……】

 

【だって、ほぼ全裸だし……】

【センシティブ! センシティブです!】

【あーダメダメエッチすぎます!!】

 

「主様のお――姉様。 とお呼びしてよろしいでしょうか」

 

「え……ええ」

 

そのあまりの見た目――ほぼ全裸、均整の取れたしなやかな体つき。

 

年齢は高校生ほどで、理央よりは高い背丈に理央よりは小さい胸。

 

さらにはその裸体を必要最小限――「配信でBANされないギリギリを攻めた」ほとんど紐で構成された格好は、扇情的に過ぎ。

 

あまりにも白い肌に、ふくらはぎまで伸びる豊かな金色の髪、そして整いすぎた顔は、どう見ても人間からはかけ離れており。

 

なによりも――腰から伸びる黒い羽、こめかみの上からぐるりと生えているツノ。

 

――――そして、同じ格好をした男女が、彼女の後ろに数百人、跪いており。

 

【あーダメですえっちすぎます!!!】

【何この天国】

【俺……もう死んだのかな……】

【尊死で?】

【尊死で】

【草】

【なんてことだ、ここは天国だったのか……】

 

【大丈夫? BANされない?】

【なにこの痴女集団】

【男も居るぞ!】

【男のブーメランパンツなのにイケメン過ぎる】

【なぁにこれぇ……】

 

【俺……もう男でも良いや……】

【きゅんっ】

【えぇ……】

【かっこ良すぎて正直……】

【分かる】

 

【<URL>】

【しっしっ】

 

「ぎゅいぃぃぃぃ……!」

 

柚希が眠気で取り落としたユニコーンは、ツノを光らせながら柚希を母ごと守るようにして立ちはだかり。

 

「ぴ! ぴ!!」

 

ぽいんぽいんっと跳ねてきたシルバースライムが――ぺしっと、自分の体重で柚希とその「適性存在」との繋がりを断ち切る。

 

「――先輩方。 先日は、大変失礼致しました」

 

「きゅ?」

「ぴ?」

 

両手で柚希の手を包んでいたのをシルバースライムにはたき落とされた「彼女」は、すぐに頭を下げる。

 

「罰はいかようにもお受けします。 ……が、主様がワタシたちを、まだまだ離れていた世界から引き上げたように、状況は悪いと推測いたします」

 

【痴女がしゃべってる!!】

【草】

【言葉話してるから……この痴女も魔族か……】

【なんてことだ、魔族は痴女だったのか】

【草】

 

【あの……しゃがまれると、なにもはいてないようにしか】

【えっち】

【ていうか……増えてない?】

 

【数秒おきに数十人……いや、もっと……?】

【あっという間に地面が埋まっていく……】

【なぁにこれぇ……】

【大丈夫、誰にも分からないから……】

 

【「ねぇどいてお願いどいてひなたちゃん離してくださいあやさん教官さんあの泥棒猫を殺せないの今すぐ行かないと私の柚希先輩がぽっと出の紐女にNTRれるの何あの格好私がどれだけはだかで迫ってもぴくりともしてくれない柚希先輩を誘惑しようとしてるんですかこの泥棒猫」】

 

【「ねとられ? ってなに?」】

【「理央さんへ強めの治癒魔法を」】

 

【「理央さん、冷静に  ……そもそもまだ理央さんのものでも、ありませんからね」】

 

【草】

【ひなたちゃんいけません! そんな言葉覚えちゃ!】

【もはや事務作業してるようにしか見えない教官さんとあやちゃん】

【おや? あやちゃんの様子が……?】

 

【※理央様のせいで、現在月岡が敵陣ど真ん中で孤立しました】

【草】

【月岡……お前はいいやつだったよ……】

 

【理央様が叫ぶ→ひなたちゃんとあやちゃんが離脱のいつも通りのループ→今回はやばそうだから教官さんと救護班さんたちも離脱→救護班さんたちの護衛で10人くらい抜ける→月岡、大ピンチ☆】

 

【「俺たち、またこんな役回りぃー!?」】

 

【「もう慣れてるでしょ」】

【「あの子たち、個性が強すぎるから……霞むわね」】

【「持って産まれたものはねぇ……」】

【「とにかく動いて! また血だらけになりたいの!?」】

 

【草】

【さすがに可哀想な月岡】

【ハーレム要員の子たちもなんか悟ってて草】

 

【ま、まあ、おかげで月岡へのヘイトコメント、消失してるし……】

【もはやどうでも良いまで進んじゃったしなぁ】

【なるほど、嫉妬を上回る何かがあれば、あんなハーレム野郎でも……】

 

【だけど理央様? 今、明らかに上級者ダンジョンの難易度を中級者の物量だけで攻略中なのよ??】

 

【寝取られるかどうかの瀬戸際なんだ……そっとしといてやれ……】

 

【そもそも寝てないじゃん、理央様  そもそもユズちゃん、理央様と付き合ってもないし、好意すら理解してないじゃん】

 

【お前に人の心はないのか?】

【ひでぇ】

【ひどすぎる】

 

【私が最初に好きだったのに……】

【あああああああ!!!!!】

【どうして……どうしてあの人は初対面で告白してきた泥棒猫に簡単に堕ちたの……】

【あの子、仲良かったのに……気が付いたら大学生に……】

 

【いつもの】

【末裔の群れだからな、発狂もするさ】

【理央様がWSSしてるからな、似たようなやつが集まるんだ】

【知ってる? 想い人が取られるとね? 末裔になるんだよ?】

【何その恐ろしい展開】

 

【え、でも、その想い人、あなたたちが告白とかしたわけじゃないんでしょ? なのに取られたとか……告る勇気がなかっただけでしょ? 違わない?】

 

【お前に人の心はないのか? マジで】

【親衛隊の皆様……どうか今のコメントの発信者を襲撃してください……】

【誰だって良い  天誅を】

【お前……】

 

【ああ、人が増えると痛みを知らない人間も増えるんだな……】

【あの、だから、今、こんなどうでも良いことで盛り上がってる場合じゃ……】

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