ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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225話 【悲報・キャバクラとホスト開幕】

ただでさえ数の多いモンスターたちが、無限に広がるようにも見える空間。

 

上下左右あらゆる方向から攻撃が飛び交い、同士討ちもそれなりにあるほどの空中戦。

 

――つい先ほどまでは、単純な体力と火力での殴り合いだけだったのだが。

 

「ガアアアアア!!!」

 

目の前の敵――かつての同胞に加えて、際限なく湧いて来るモンスターたち――へ、その持ちうる通常のブレスを吐き出した、とあるワイバーン。

 

しかし、

 

「がんばれ♥ がんばれ♥」

「お兄さん、かっこいー♥」

「もーっとすごいの出してぇ♥」

 

……その左右の耳元で囁くのは肌色のヒトガタの雌。

 

「……ガアアアアアアアア!!!!!」

 

それに釣られての攻撃は――先ほどの5割増し。

 

「もうおしまぁい……?」

「もっと出してぇー♥」

「あ、右からの攻撃はバリアー♥」

 

「ガアアアアアアアア!!!!!」

 

彼の周囲に群がる数体のヒトガタ。

 

「彼女」たちは、ワイバーンを応援する担当、周囲からの攻撃を防ぐ担当、魔力を底上げする担当と、まるでワイバーンという戦車を効率よく操作する搭乗員そのもの。

 

【草】

【草】

【草】

【あーダメダメえっちすぎます!!】

【センシティブすぎて草】

 

【なぁにこれぇ……】

【えっちなお姉さんたちだよ】

【それに耳元でASMRされて強くなってるワイバーンだよ】

【もしかして:キャバクラ状態】

【なぁにそれぇ……】

【草】

 

【男は単純だからね】

【ばかばっかだから】

【なまじ言葉が分かる分、こういうのも効くんだな】

 

【なにしろ先日の魔族で実証済みだからな!】

【草】

【ああ、あれが伏線だったのね……】

【壮大すぎる気がするけどしょぼすぎる伏線で草】

 

痴女にしか見えない集団に囲まれ――人間の痴態に欲情するかどうかはさておき、良い気分になりながら明らかに強化されている、オスと思しきワイバーンたち。

 

――そして、一方。

 

「お姉さん? 貴女の魅力はこんなものではないはずだよ」

「ほら、もっとさらけ出して……」

「全部、僕たちに見せてごらん」

 

「ガアアアアアアアア!!!!!」

 

ヒトガタは男女どちらの種類も居るらしい。

そしてワイバーンもまた、雄だけではなく雌も居たらしく。

 

「子猫ちゃん……ああ、なんて美しいんだ」

「君がかわいすぎて他の子なんか眼中に入らないよ」

「君の本当の素顔……もっと見せてほしいな」

 

「……ガアアアアアアアア!!!!!!」

 

……メスのワイバーンと思しき個体はヒトガタのオス――ブーメランパンツ一丁の彼らから甘い言葉を囁かれ、結局同じ反応をしていた。

 

【女も大差ないじゃねーか!!】

【女の子は声に弱いの!!】

【イケメンに弱いの!!】

【あの股間の膨らみに弱いの!!】

【草】

 

【もしかして:ホスト状態】

【えぇ……】

【水着接客のキャバクラとホストか……】

【しかも全員美形っていうね】

【それは落ちるわな】

 

【もしかして:人類もばかばっか】

【ついでにワイバーンもばかばっか】

【お前は今まで何を見てきたんだ?】

 

【バカじゃなければ何だって言うんだ】

【え? 眷属】

【草】

 

【汚らわしい……】

【露出の多い男性に軽々しく尻を振るなんて……】

【淑女の癖に、殿方に気持ちよくしてもらうだなんて……嫌らしい】

 

【お嬢様方!?】

【女の子同士以外は吐き気がしますの】

【早く……早く柚希様……お願い致しますわ……】

【百合を……新鮮な百合をどうぞ……】

【草】

 

「……これ、良いのかしらぁ……」

 

「ぴ」

 

そんな戦いの中央は――攻撃する必要がないと考えたか、それとも柚希が寝ているために省エネモードになっているのか。

 

ハニカム構造になっているチョコの中で座り込んでいる柚希の母親と、すやすや寝入っている柚希。

 

「柚希、良い寝顔。 ふぁぁ……確かに眠くなってきたわねぇ」

「も、申し訳ありませんが、せめてお……姉様は起きていてくださいませ……」

 

「ねぇ、お酒持ってないかしら?」

 

「……柚希様のリュックにまだ残っているものが」

「あら♥」

 

口を開けて、実に気持ちよさそうに眠っている柚希。

 

彼に膝枕をしている彼女の手元へ、ため息をつきながらリュックを持ってくる「彼女」。

 

【あの、この痴女さん……】

【うん……】

【もしかして:苦労人】

【初対面でユズねぇとふたりきりってのがねぇ……】

【かわいそう……】

【ひどすぎる  こんなのってないよ】

【草】

 

【あの、この痴女、多分魔族なんですけど】

【そうなの?】

【おいたわしいよ?】

【草】

 

【明らかに人外だし】

【しゃべってるし】

【確かに】

【でも、他のえっちな美男美女たちも全員しゃべってるよ?】

 

【あれじゃね? 魔族としての格とかが高かったら、配下もたくさんしゃべれるとか】

 

【あー】

【おやびんでさえ何百匹言葉理解させてたしなぁ】

【痴女さんの配下……数千人、いや、数千体を……?】

【ひょっとしてものすごい痴女なんじゃ……】

【草】

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