ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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239話 【悲報・ユズちゃん、やらかした】

火の玉。

 

それにどんどん集まっていくモンスターたち。

 

……なんだか、綺麗だ。

 

【ぽけーっとしてるユズちゃん】

【自分の仕業だとすら……もう……】

【おおぅ……(顔を覆う)】

【ユズちゃん……みんなにお世話されてね……】

 

「あれのおかげで……モンスターの大半は無力化できているのか。 もう俺たちには見向きもしていないな」

 

「あれだけの魔力の塊ですので、我先に取り込もうと本能的に……まぁあまりにも巨大なので吸い込まれるのですが」

 

【誘蛾灯か】

【なぁにこれぇ……】

【おやびんのブレス……のはずだったんだがなぁ】

【違う……これブレス違う……】

【炎系魔法の極大魔法だって言うからな……】

 

「なら、俺たちがワイバーンに乗って残党を刈っていけば」

 

「ええ、そう遠くないうちに、殲滅できるかと。 あれに吸い寄せられない個体はどれも強力ですが、逆に申せば――それだけを倒せば」

 

【なるほど】

【ユズちゃんすごいね!】

【問題はなにひとつ理解していないことだがな!】

【草】

【ユズちゃん……】

【ユズちゃんは何してるのかな?】

 

ごおおおお。

 

すごい音。

 

おかげで、隣に来てエリーさんと離してる優さんの言うことも聞こえない。

 

することもないし、手でも握ってよう。

 

なんだか分からないけども、こうやってると何かがほわんってなるんだ。

 

【おててにぎにぎ】

【にぎにぎ】

【ずーっとにぎにぎしてるおてて見てるぅ……】

【草】

 

【ユズちゃん……】

【ちょ、ちょうちょするよりはマシだから……】

【そうだね! おやびんとエリーちゃんがホールドしてくれてるからね!】

【なるほど……ユズちゃんがやらかさないためには、これくらいのフォーメーションが必要だったか……】

【草】

 

「……あの、モンスターたち、無限に湧き出てきてますけど……?」

 

「大丈夫です。 あの極大魔法のあたりにちょうど、大きな転移陣があるようですから、あれがある間は増えません」

 

「……柚希先輩のあれ、すごいんですか?」

「予想外かつ想定外ですが、結果的にはほぼ放置で片付きますね」

 

【しゅごい】

【もしかして:ユズちゃん、ファインプレー】

【ファインプレーもなにも、特大ホームランだぞ】

【モンスターの大半を無力化、さらに新規POP制限か】

 

反対からは理央ちゃん。

 

けどやっぱり聞こえない。

 

エリーさんの言うことなら半分くらい聞こえるけど……なんか聞き取りづらいんだよなぁ。

 

なんでだろう。

 

みんなの会話が「まるで外国語みたいに」聞こえるんだ。

 

【ユズちゃん、やることはすごいんだよなぁ】

【本人の意識しない形でな……】

【固有能力だからな……】

【代償は正気度か……】

【ああ、なるほど、それで……】

【草】

 

【ここまで来ると、無自覚で動いてもらった方が楽だから……】

【それ、まーた何かしでかしたときにもう一度言ってみろ】

【ごめんね】

【いいよ】

【草】

 

『――――――――――――――――』

 

声。

 

「はっきり聞こえないけども、みんなの声よりもはっきり聞き取れる音」だ。

 

また、この声。

 

これまでとは違う声。

 

「………………………………」

 

【草】

【まーたきょろきょろしてる……】

【ユズちゃん? そこにはなんにもないよ??】

【なぁんでこの子はなにもないとこ探してるのぉ……?】

【なんかこわいよー】

 

【ま、まあ、猫が何もないとこじっと見る感じって思えば……】

【あーあるある】

【人間には聞き取れない音を聞き取っているんだろうな】

【草】

【妖精さんだもんね!】

 

「? ユズ様?」

「……ううん、なんでも」

 

……振り返ったけども、それはエリーさんからのものでもない。

 

「きゅ?」

「ぴ?」

 

2匹のでもない。

 

……じゃあ、これは誰のなんだろう。

 

もうちょっとでちゃんと聞こえそうなのに、音だけが聞こえて声が聞こえない。

 

そんな、もやもや感。

 

「………………………………」

 

「柚希先輩、なんで手を――」

 

なんとなく。

 

なんとなくで、僕は手を延ばす。

 

『――――――――――――――――』

 

僕の手がその声に触れ――

 

――――――――ずぅん。

 

「?」

 

その瞬間――世界が、きしんだ。

 

よく分からないけども――決定的な何かが、崩れた瞬間。

あり得ないことが起こったっていうのが、なんとなく分かるんだ。

 

「――退避します! ユズ様! 皆様! 眷属並びに人間様全てに通告します! 全力退避です!」

 

「へ?」

 

「今し方のものは、ワイバーンのブレスが最高までバフされての炎系極大魔法――止まりのはずだったのですが、本当にどうしてか闇系極大魔法になっています!」

 

【闇系極大魔法?】

【……なんかものすごくヤな予感するんだけど】

【奇遇だな、俺たちもだ】

 

【安心して? みんなだよ】

【ユズちゃん以外のな!】

【あとおやびんもな!】

【草】

 

「いえ、これは同時展開……!? 極大魔法の、二重展開……そんな、まさか……!?」

 

あわてた声。

 

だけども、あまり集中できないんだ。

 

【もしかして:魔王が女神に放った、あの魔法】

【ふぁっ!?】

【えぇ……】

【ブラックホールかよ!?】

 

【確かにビジュアルはそっくりだが……】

【魔王Gが女神を倒そうとしての自爆魔法と同じのをユズちゃんが!?】

 

「……ええと?」

 

振りかえると……汗だくになってるエリーさん。

 

……こんなに涼しい場所で、こんなに風吹いてる場所で、さらには紐しか身に付けてないのに、何が暑いんだろ。

 

「――吸い込まれます! あれは、魔力を吸い込んで世界ごとを瓦解させる極大魔法なので! ですから全力で、全力であの太陽から離れてくださいぃぃぃぃー!」

 

【は?】

【えぇ……】

【さすがユズちゃんだぜ!】

【ことごとくを固有能力でかき乱す精霊さんだもんな!】

【ああ、これでますます人外の可能性が高くなったもんな!】

【草】

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