ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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242話 【悲報・ユズちゃん名字住所バレ】

【表札……】

【うん……】

【あのときはそれどころじゃなかったけどさ……】

 

【星野、って……】

【はっきり映ってるよねぇ……】

 

「良かった、お家残ってた」

「良かったわねぇ」

 

広かった空間は、今や何十のワイバーンさんに数百の人たち……に、もっと多い数の薄着の魔族さんたちで埋め尽くされている。

 

あのとき戦ってたモンスターさんたちは居なくなってて――あ、お母さんのテイムモンスターたち、ワイバーンさんたちの足で掴まれてきてたんだ――敵が居なくなってるのにぎっちぎちだ。

 

「……柚希先輩?」

 

「理央ちゃん、もう大丈夫?」

「はい、全部吐ききったので」

 

おやびんさんから降りた僕たちのところへ、ワイバーンさんから飛び降りてきた理央ちゃん。

 

【草】

【この百合少女……けろりとしてやがる……!】

【つよい】

 

「……ちょっとダンジョン用のスマホ、いいですか?」

「あ、うん。 どうぞ」

 

そういえば結局、ここに閉じ込められた日は電波通じなかったから使わなかったし、昨日もおやびんさんたちと一緒に寝てたから使うこともなくって。

 

「電源切ってたけど……うん、着いた」

「何で電源を!?」

「いや、だって命綱だし……」

 

なんかびっくりしてる理央ちゃんはほっとこう、どうせ大したことじゃないだろうし。

 

「……今、お拭き致しますね……」

「おう……助かるわ……」

 

彼女の後ろでは……げろろろろって吐かれたのを拭かれてるワイバーンさん。

 

【かわいそう】

【かわいそう】

【サキュバスさんが健気】

【元凶の理央様は?】

【気づいてない】

【草】

 

【え!? ユズちゃんでさえ気づいてるのに!?】

【ユズちゃんですら見てるのに!?】

【それは大問題だな……】

【草】

【ユズちゃんが判断基準で草】

 

「……ゆずきちゃあああん!!」

「わっ……ひなたちゃん」

 

大変な状況から解放されてぼーっとしてたらぶつかってくるひなたちゃん。

 

「大丈夫だったぁ!? 心配したんだよー!?」

「う、うん……ごめんね? 大丈夫だから」

 

ぽんぽん、ぽんぽんってあっちこっちを叩いたり揉んだりして来てる……けど、うん。

 

心配させちゃったからね。

 

「柚希さん」

「あやさん」

 

2日ぶりくらいのあやさんも歩いてきて――。

 

「わぷっ」

「……ご無事で……良かったです……!」

 

【キマシ】

【塔】

【ユズちゃんがサンドイッチされてる】

【いい……】

【ユズちゃんの顔はあやちゃんのおっぱいに】

【それに気づいて後ろから抱きついてるひなたちゃんが……】

【ふぅ……】

 

【理央様は?】

【スマホに夢中】

【草】

【理央様……】

【ま、まあ、さっきコメント見てたから……】

【あー】

 

「柚希先ぱ――ずるいです!!」

「ぷはっ、どうしたの理央ちゃん」

 

あやさんのお胸で蒸れ始めたところで、なんか真っ赤な顔して怒ってる理央ちゃんに引き剥がされる。

 

「さぁ!!」

 

「?」

 

理央ちゃんが両手を開いてる。

 

「……さぁ!!」

 

「?」

 

【草】

【草】

【「さぁ!」じゃないんだよ理央様……】

【理央様?? ご自分で抱きつかれないので??】

【もしかして:それができないチキンハート】

【草】

【ああ……】

 

【口では好き好き言ってても、強引なことはできないのか】

【だから認識が友人止まりなのでは??】

【かわいそう】

【理央様? ユズちゃん相手だと受け身じゃダメよ??】

【ヘタレ理央様かわいい】

【かわいい】

 

「……柚希さん」

「あ、優さん」

 

振りかえると、

 

「……大丈夫ですか? そんなに激戦でしたか?」

「………………………………何でもないよ……」

 

……すっごくげっそりして、せっかくのかっこいい顔が煤けてる優さんが居た。

 

【かわいそう】

【かわいそう】

【月岡……】

【安置が消滅し、ことごとくに反転ファンになった月岡よ】

【完全に被害者だもんねぇ……】

 

「まずはご無事で何より。 で、私も同じ件です」

「あ、教官さん」

 

いつもよりもぼさぼさになってる教官のお姉さんが、優さんを気遣うようにしながら話しかけてくる。

 

「柚希さん。 ……いえ、星野さん」

「はい」

 

「……優さん」

「はい……配信で、聞こえてしまっていますね……」

 

「?」

 

【聞こえたねぇ……】

【なぁんでぇ……?】

【確かさ、ユズちゃんの自己紹介事故配信ではぼかされてたよな?】

【設定した個人情報以外はAIの自動処理のはずなんだよね】

 

【そうじゃないと、うっかりパーティーメンバーの名前とか最寄り駅とか言っちゃって身バレになるからね】

【なのに……】

【うん……】

 

「教官さん……優さん……やっぱでした」

 

「そうですか……はぁ……」

「普通は触らない箇所なんだけどなぁ……」

 

「?」

 

理央ちゃんが僕のスマホを彼女たちに見せている。

 

「柚希先輩?」

「?」

 

「配信設定……いじりましたよね?」

「? 特に何もした覚えはないけど」

 

ぐいっと来てる理央ちゃん。

ちょっと怖い。

 

「……おまんじゅうちゃん?」

「ぎゅい」

 

気が付いたら近くに立ってたサキュバスさんのお胸で喜んでたおまんじゅうが、理央ちゃんのジト目で必死に抗議。

 

「チョコちゃん……は、そういうのはないよね」

「ぴ」

 

チョコもやっぱりサキュバスさんたちの手のひらから抗議。

 

「?」

 

「……エリーさん?」

「可能性としましては」

 

そんな2匹を抱き上げ、歩いてきて渡してくれるエリーさん。

 

「先ほどの戦いの最中、ユズ様は――おやびん様、そしてワタシを経由し、極大魔法に到達する規模の魔力を行使しました。 それも、炎に闇と2種類も」

 

 

極大魔法?

 

「そもそも、この配信システムというものは、人間様たちがダンジョンのシステムへ介入して――ハッキングをして構築したもの。 ですので、そのダンジョンそのものへ影響を及ぼすほどのユズ様でしたら」

 

「あり得なくはない……ですか」

「はぁ……柚希さんだからね……」

 

「?」

 

ダンジョンのシステム?

 

ハッキング?

 

「……?」

 

【さすがはちょうちょだ】

【これがバタフライエフェクトか……】

【草】

【うまいこと言ってんじゃねぇ!!】

【繋がってしまったな……】

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