ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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26話 光宮さ……理央ちゃんが僕のプロデューサー兼パーティーメンバーに

「柚希先輩。 柚希せんぱーい。 ゆずせんぱーい。 ……反応しないなら押し倒しちゃいますよー?」

 

目の前が真っ暗になってた僕は……気が付くとなぜかベッドに仰向けになってて、なぜかふとももがすーすーしてて。

 

真上に光宮さんが乗っかっててのぞき込んでるっていう……僕が寝ちゃったあとにいつもなってる光景で目が覚めた。

 

この子、甘えんぼだよね。

 

寝てるときとか抱きついてきてるみたいだし……眠いからほっといてるけど。

 

そのおかげか、ちょっと落ち着いた気がする。

やっぱり人肌って良いよね。

 

「……光宮さん?」

「はい、こういう大切な相談のときには?」

「……理央さん」

 

「もうひと声」

「……理央ちゃん」

「よし」

 

何が「よし」なのかは分からないけども、困ったときの彼女は必ずこう呼ばせてからいつも解決してくれるんだ。

 

「これくらい良いでしょ? おまんじゅうちゃん」

「きゅい」

 

何が良いのかは分からないけども、とにかく名前を呼ばせたからには……きっと素敵な解決策を考えてくれるんだ。

 

「それで光み……理央ちゃん。 僕、どうすればいい?」

「そりゃもちろん、配信でしょ」

「はいしん」

「そう、配信」

 

え?

 

このままうまーくフェードアウトする方法じゃなくって?

 

「でも」

「柚希先輩。 お金、ないんですよね」

「え、あ、うん、でも」

 

「今は若いから何とかなってますけど、こんな生活……10年も続けたら、体、ぼろぼろになっちゃいますって前から言ってますよね?」

「あ、う」

 

光宮さんが怖い。

 

「これまでは口出ししませんでしたけど。 でも、こうなったら押せ押せにしたいと思います」

「押せ押せ……」

「きゅいきゅい」

 

しかもなぜかおまんじゅう取られちゃってるし、おまんじゅうも僕のことじっと見てるし。

 

「あと1ヶ月も休んだらもう、留年で私の同級生。 ……それも良いですけど、幼なじみの下級生ポジも気に入ってるんですよ」

「きゅ」

 

下級生ポジ?

なにそれ?

 

「正直ですね。 柚希先輩ってば、柚希先輩のお母さん譲りでめっちゃ幼く見えますし、って言うかそもそも身長も私より」

「身長の話は止めて……」

 

「とにかく、そんなわけです。 このままだと高校中退で中卒……そんなんじゃフリーター一直線で、柚希先輩の青春がもったいなさ過ぎるんです」

 

ばっさばっさと辛口な光宮さん。

 

……何で今日は機嫌悪いの?

血の臭いはしないけど……?

 

「それもこれも柚希先輩がネット上で盛大にお漏らししちゃってるからですけど、詳しく1個1個説明します?」

「きゅい?」

 

「ごめんなさい」

 

そうだった……僕、このままじゃダンジョンで配信とかやばいことになるんだった……。

 

「……ふぅ。 まぁこの辺はいくら言っても曲げないって知ってますからこれ以上は言いませんけど」

 

「あ、これから話すことは柚希先輩のお母さんにも相談済みですからね?」って前置き。

 

「ダンジョン配信、やりましょっか」

「え、でも、僕、もう……」

「大丈夫です。 私がプロデュースしますから」

「え? ぷ、プロデュース……?」

 

プロデュース。

プロデュースって何だろ。

 

「……私、ダンジョン潜れるって知ってますよね」

「あ、うん。 小学校のころからちょくちょく潜ってるって」

 

光宮さんは普通に、小学校のときの、通称「ダンジョン遠足」で適性があるって発覚。

 

で、友達とかとパーティー組みながら「まぁ、それなりに?」は潜れるって……僕が諦めて、そういう話を嫌がるまでは良くしてくれてたっけ。

 

「なので、私もパーティーに……さっきのダンジョン配信観ちゃったんで言いますけど、あの3人でのパーティーに無理やり入ります。 柚希先輩の友人の女子だから……あの人たちなら多分NOとは言わないでしょうし?」

 

段々しゃべるのが早くなってくる光宮さん。

 

……僕、こうなった彼女にはいつも着いてけなくなって「うんうん」って返事するしかなくなるんだ。

 

多分わざとしてるんだとは分かってるけども、これされるのは大抵僕が悪くって助けてもらいたいときだから我慢するしかないんだ。

 

「柚希先輩ってば、正直、人とのコミュニケーション苦手ですよね?」

「う、うん……こう、理央ちゃんとか田中君みたいに良く知ってる人じゃないと……」

 

「……そこで田中先輩の名前出すのが柚希先輩ですよね……だから安心できるんですけど……」

「?」

 

「はぁ……良いです」

「きゅいきゅい」

 

光宮さんのことが気に入ったらしいおまんじゅう。

 

まるで「分かるよ、その苦労」とでも言うように、彼女へぐりんっと首だけ振り向いて鳴いている。

 

……懐いてる。

 

おまんじゅう、もしかして取られちゃう?

 

「で、人に遠慮しすぎるせいでうまく話せなくなって、何か言われてNOって言えませんし、頼まれごととか何も考えずにほいほい受けちゃってから泣きながら『どうしよう』とか言ってきますし」

「うぅ……」

 

「……でも肝心なところじゃ頑固で絶対曲げない柚希先輩は、田中先輩とか私とかの援助とか無しで、柚希先輩のお母さんの介護したいのと生活費を稼ぎたいんですよね」

 

「……うん。 親戚の人とかお役所の人も、何とかしてくれるって言ってはくれたんだけど……でも、お母さんは僕のただひとりの家族で……」

 

「そーゆーのって本当は良くないんですけどねぇ……でも、おかげでこうなったって思えば。 ね? おまんじゅうちゃん」

「きゅい!」

「?」

 

どうなったの?

 

「ゆず先輩」

「はい」

 

「ゆず先輩のダンジョン配信。 ここからどーやってうまいこと普通に配信できるようにするかとか、ここから先のマネタイズとか、身バレとか身の安全とかその他もろもろ。 それを、パーティーメンバー兼プロデューサーの私がやるって言ってるんです」

 

「……それしか無い、かなぁ」

「や、ゆず先輩が、ここから華麗に解決できるんなら」

「お願いします」

 

「お、ネットでやらかしてるって知ってるからか素直ですね。 良いでしょう」

 

どうやら僕は、光宮さんプロデュースでダンジョンデビュー……しちゃってたけど、改めてすることになるらしい。

 

でも、ちょっと安心。

光宮さんなら何でも任せても大丈夫だから。

 

「ふふ……いずれはゆず先輩をこの地方でいちばんの有名人に……!」

 

……大丈夫だよね?

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