ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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258話 でっかいヘビさん

「ねぇエリーさん……これって……」

 

「戦闘も逃亡も……無理、でしょうか……ワタシも、ここまでの規模だとは……」

 

周囲の壁がなくなって、あの逃げてきた空間みたいに無限に広がって。

 

――目に映る限りの空間に黒い渦ができたと思ったら、細長い生物――モンスター……ううん、魔王軍っていうのが出現。

 

みんなでどうしようって言い合ってる数分のうちに、僕たちの見渡す限りは埋め尽くされていて。

 

「群れ――という規模ではない数の、高位モンスターによる統率。 各世界でしのぎを削る、互いに自称の魔王軍で間違い、ありません……」

 

【まぁた魔王軍……?】

【ほんとどこでも出てくるな魔王軍】

【それだけ他の世界は修羅なのか……】

【モンスターの種類は……あれは何だ?】

【水龍とかじゃね?】

【あー】

 

【ドラゴンって言うよりも竜だよな……お寺とかによく描いてある方の】

【ほんとに飛べるんだね、羽もないのに】

【なまじ細長くて羽がない分、密集具合がやべー】

【ドラゴンたちの群れも怖いけどこっちも怖い】

【こわいよー】

【てかほんと、ユズちゃんも災難続きだよな】

 

【だって良い匂いまき散らしてるんだもん】

【餓えた獣たちの風上にとんでもなく良い匂いした女の子居たら……ねぇ?】

【汗すら良い匂いしそう  する】

【だよな!】

【草】

 

【そういえばそうだったわ草】

【今でこそエリーちゃんもおいたわしく親しまれてるけど、前回まではこいつらと同じ動機で襲撃してきてたわけだし】

【まぁ1回尊死したけどな!!】

【草】

 

【ま、まあ、それで2回目は助けてくれたから……】

【ユズワールドの源泉だからすさまじく強力なんだよ】

【認識阻害と精神操作を行ってくる魔法だからな!】

【精神攻撃は基本  子供でも知ってるもんな!】

 

最初は、本当はすごかったらしい僕たちの魔力量でがんがん攻撃すれば良いよねって話だった。

 

けども、そんなのは最初の数十秒。

 

「この数では、極大魔法でも撃ち負けます……いくらユズ様とおやびん様の攻撃がお強くとも、数で……」

 

「ゆずがやっちゃった、真っ黒なあれはどうなのぉ?」

「闇系極大魔法は……撃つと、先ほどのようにユズ様たちも飲み込まれますので、自爆かと……」

 

「私は? このダンジョン維持してる魔力を……って」

「お姉様は、まず先に魔法の使い方からですので……」

 

敵は全方位、逃げてきた空間に居たモンスターとは数も強さも比べものにならない。

 

対する僕たちは……おやびんさんと部下のワイバーンさんたち、それにエリーさんとサキュバスさんたちとインキュバスさんたち。

 

……うん、ワイバーンさんたちはともかく、サキュバスさんたちはどっちかって言うと後方支援だよねぇ……印象的にも。

 

「それに、ここで戦うと……」

「ええ、最悪このダンジョンごと――」

 

「僕たちの家が粉々になっちゃうよね」

「せっかくお野菜が取れるようになったお庭もおじゃんねぇ」

 

「お母さん、どうしよう……僕のせいで家がなくなっちゃう」

「お野菜、1個1個が大きかったからお得なのにねぇ」

 

「困ったねぇ」

「困ったわねぇ」

 

ねぇ。

 

お母さんと一緒に首をかしげる。

 

何でか知らないけども、お母さんとはよくこうなるんだ。

 

「いえ、あの、お二方? 今は財産の心配をされる場合では……」

 

【草】

【草】

【ユズねぇ……】

【ユズちゃん……】

【悲報・ダブルユズ、分かってない】

 

【いや、分かってはいるんだ  ただちょっと緊張感に欠けるだけなんだ……】

【草】

【ダメだ! ツッコミ役がエリーちゃんしか居ねぇ!!】

【かわいそう】

【かわいそう】

 

【かわいそすぎる】

【そんなのひどいよ、あんまりだよ】

【これだけ囲まれてるのにまったく実感していない】

【子供だからね……】

 

【ひなたちゃんでも分かるのにね】

【草】

【草】

【総ツッコミで草】

【急募・現場のツッコミ役】

【みんな地上に出ちゃったから……】

 

「……っ!」

 

「……魔王……が、来るようです……!」

 

ずぅん。

 

大気が震えるような感覚とともに、僕たちの正面の空間が歪む。

 

その周囲に居たヘビみたいなモンスターたちがいっせいに開き――――――

 

『――――――――成る程。 弱き者の中でも魔法に長ける、耳長族の魔王か。 通りで異質な魔力を感じた訳だ』

 

……ものすっごくでっかいヘビさんが出てきた。

 

【なんて?】

【耳長……?】

【もしかして:ユズちゃん、人間扱いされてない】

【草】

【あー】

 

【確かになぁ】

【かわいいロリだけど顔整ってるし、お肌白いし】

【何より……羽でふわふわ浮いてるからねぇ……】

【普通の人間は浮かないからねぇ……】

【草】

【あー、耳は髪の毛で隠れてるから分からないのか】

 

【まぁ今のユズちゃんたちを初見で見たら、精霊とかそっち系……エルフ?って評価はまだマシな方か】

【ユズちゃんたちの持ってる魔力もすごいらしいしな】

【それで余計にエルフと】

【なるほど】

 

何か不思議な声だけども、話しかけてきているのは分かる。

 

……これだけの武力で押し寄せてきてるけど、いきなり攻撃してきてはいない。

 

なら、まずは対話だ。

 

話して諦めてもらえるのなら、その方が良いよね。

 

「……僕たちの家へ押しかけて、何の用ですか? ヘビさん」

 

【えっ】

【は?】

【なんだって?】

【草】

【いきなり何言ってるのユズちゃん!?】

【ちょ、怒らせたらマズいって!?】

 

【ていうかユズちゃん、なんでこの場面であれ見て「ヘビさん」とか言うのよ草】

【ユズちゃんのセンスが壊滅的すぎて】

【お前ら、忘れたのか  ユニコーンが「おまんじゅう」で、シルバースライムが「チョコ」だぞ?】

【草】

【草】

 

【そうだった……】

【もうだめだ……】

【諦めよう……】

【草】

 

【諦め早すぎない??】

【だってユズちゃんに緊張感のかけらもないんだもん……】

【こんな状況なのにねぇ……】

【ち、ちょうちょだから……】

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