ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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261話 悪い魔王さんを、追い払うって決めた

「ゆず」

 

お母さんが、言う。

 

「ゆずが守ってくれるから、お母さんもずっと守られ続けてたけど……ゆずのおかげで元気になったんだし、今回は……ね?」

 

「……うん」

 

僕の、幼い記憶の中でしか元気じゃなかった、お母さん。

 

そんなお母さんが、今は――僕の横で、敵を、怒った顔で見ている。

 

「むす――めに頼り切りで、ずっと、辛かったもの」

「お母さん……」

 

なんか今、変な噛み方しなかった?

 

【ユズねぇ……】

【お姉ちゃん……】

【あの……ユズちゃんもユズねぇも、ユズねぇのことお母さんって認識してるんだけど……】

 

【うんうん、知ってる知ってる】

【お母さん代わりのお姉さんだもん】

【そうだよ】

 

【年齢のことは?】

【ユズワールドが時空を歪めたってことで】

【草】

【実際あり得るからなぁ……】

 

【ユズちゃんとユズねぇのぶっ飛び具合からして、それくらいありそうだもんねぇ……】

 

【ちょうちょだもんね……】

【ちょうちょだからね……】

【草】

【わーかわいいちょうちょだー】

【おお……もう……】

【雰囲気! 雰囲気ぶちこわし!!】

 

「それに、お母さんね? ゆずは知らないだろうけど」

 

お母さんが、年甲斐もなく屈伸とかストレッチを始めている。

 

「学生時代、お父さんを捕まえるまではね? 部活動でぶいぶい言わせてたんだから」

 

【    】

【    】

【    】

【    】

 

【視聴者達が】

【あーあー聞こえない聞こえない】

【あああああああああああああああ】

【草】

【だってユニコーンの末裔だよ?】

【もう夢も希望もない……】

 

【え、でも、ユニコーン、ユズねぇにも懐いてるぞ? 普通に】

 

【!?】

【もしかして:ユズパパ(仮)、妄想の存在】

【確かに……!】

【ユニコーンが懐くんだから間違いないな!】

【良かった……良かった……】

 

【危うく辞世の句を詠んで腹切るところだったわ】

【ひぇっ】

【ユニコーンの同類って危険なんだな……】

【だってセミファイナルするユニコーンのだもん】

【草】

【ああ、あの振動具合は末裔と同じなのか……】

 

「だから……ちょっとは任せて!」

 

「……うん」

 

お母さんまで、こんな危険な戦いに。

 

【柚希先輩の理央♥「柚希先輩は守られ系なんですから守られててください! 私たちに! いえ、私に!!」】

 

【理央様たち!】

【コメントできるようになったか】

【理央様! おしがまはおしまいですか!】

 

【あと名前欄がバカみたいです理央様!】

【嘘はいけません理央様!】

【そんなことしてるからいつまでも不憫なんです理央様!】

【草】

 

【あや「柚希さん。 見ているかどうかは分かりませんが……私たち、パーティーでしょう? 4姉妹パーティーでしょう? パーティーメンバーのこと、見捨てる訳がないでしょう? 地上からでも、応援しますよ」】

 

【あやちゃん……】

【お姉ちゃん……】

【ままぁ……】

 

【ひなた「この状況で『ゆずきちゃんのせいで』って言う人はいなくなったから心配しないでね  このあともそんな人はいなくなるからこわがらないでね 終わったらゆずきちゃんが困ることは消えてなくなるからね」】

 

【ひぇっ】

【あの……ひなたちゃんが……】

【もしかして:日向家、動いた】

【見るな  見るな】

【ユ、ユズちゃんのためだから……】

【そうそう、愛は重いくらいでちょうど良いって言うから……】

 

【月岡優「柚希さん。 そのエリア全域の民間人の避難は完了。 僕たちダンジョン潜りも、軍関係者も展開を急いでいる。 今、再突入している。 また、避難区域が拡大中だから、仮に地上にあふれ出してもしばらくは大丈夫」】

 

【月岡優「ダンジョン協会も、元々魔王軍襲来への対応で臨戦態勢のままだから、あと1、2時間で全国から人員を輸送できると言っている。 君たちは、君たちだけじゃないんだ。 無茶は、しないでくれ」】

 

【月岡……】

【きゅんっ】

【これはイケメン】

【月岡になら抱かれても良いわ】

【それな】

 

「――と。 抜粋ですが、ユズ様。 外で見守っていらっしゃる人間様方も……ワタシたちと同じ気持ちのようですよ?」

 

「……みんな……」

 

理央ちゃんとひなたちゃんのコメントがちょっとおかしかったけど、心があったかくなる言葉。

 

――もう1度、見回す。

 

今にも食ってかかってきそうなヘビさんたち。

 

その数は、今でも増え続けている。

無限に広がる空間のはずなのに、ぎっちりとしている。

 

それに向かうは……やってやるって顔してるワイバーンさんたちに、サキュバスさんたち。

 

「「わおにゃあん!!」」

 

ぐるぐる唸っている、お母さんのペット――テイムモンスターたち。

 

そして、地上には――みんなが、居るんだ。

 

「ユズ様。 ご命令を。 ワタシたちを、お使いください」

 

「いざとなったらユズたちだけは俺様たちが逃すからよ」

 

「――――……………………」

 

……ごしっ。

 

ゴミが入っちゃってたから、目をこする。

 

「きゅい」

「ぴ」

 

ぴょんと飛び込んできた、2匹と目が合う。

 

「……うん、みんな、ありがとう」

 

僕は――――――――見上げる。

 

「ヘビさん」

 

『残念だ。 汝らを無傷で捕獲したかったのだがな。 仕方が無い、我が眷属に相手をさせよう――修復可能な程度まで、痛めつければ言うことを聞くようになるだろう?』

 

「僕は、あなたの」

 

うっかり壊しちゃった、ここと似た空間で感じていた、高揚感。

 

魔力。

 

それを、体で感じる。

 

「そういうところが許せませんから」

 

きぃぃぃん。

 

おまんじゅうの角が、光り始める。

 

「――みんなで、追い払います」

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