ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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276話 危機は去ったみたい

「だいたいお母さんさぁ、恥ずかしくないの? この配信、僕の同級生たちとか見てるんだよ?」

 

「女の子はいつまでも女の子で居たいの!!」

「母親がぶりっ子してるの見させられる子供の身にもなってよ……」

 

「良いの!! この前だって来てくれた新しいカウンセラーさんに『ごめんね、お母さんはどこかな?』って言われたもん!!」

 

「お母さん……」

 

ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う。

 

まったくもう、どっちが子供なんだか。

 

【悲報・ユズ姉妹、魔王討伐後の雰囲気ぶち壊し】

【草】

【ま、まあ、脅威は去ったし……】

【各地で大混乱真っ盛りだけど、ポップし続けてたのがストップしたからまぁ……】

【串焼きが居なくなって少しずつ落ち着いてきてるからな】

 

【あとは被害を最小限に現存戦力を叩くだけだから遠慮なく姉妹喧嘩しててねユズちゃん……】

【そうそう、ユズちゃんが動かなければなんとかなるから】

【草】

【ひでぇ】

【でも確かに、ユズちゃんが行動するとなぁ……】

 

「……ふぅん、そういうことになってるんだね。 大体分かったよ」

 

「そもそもお母さん、いい加減僕の……え? あの、何か」

 

「ああ違うよ、コメント欄とか見てたの」

「あー、エリーさんみたいなことできるんですね」

 

何もないとこ見てたと思ったらエリーさんみたいにネットを見てたらしい女神様。

 

今どきのすごい人たちってみんなそうなのかな。

 

【えっ】

【は?】

【草】

【悲報・俺たちの書き込みがバレた】

【いや、バレたっていうかなんていうか】

 

「どうやら私が出張らなくてもなんとかなるみたいだし。 あと君があのヘビさん追っ払ってくれたおかげで魔力にも余裕ができたし、帰るついでに結界も張り直しておくよ」

 

「結界……ですか……?」

 

「うん。 モンスターたちが地下のダンジョン、それも強さに応じた階層にしかワープできない結界。 魔力の流入に応じて階層が深く形成されたりするあのダンジョン構造。 あれ、11年前に張ったばっかだから、ちょっと手を入れればすぐに元通りなんだ」

 

「はへー」

「すごいわねぇ……」

 

よく分からないけども、女神様が大丈夫って言うんなら大丈夫なんだろう。

 

あ、そういや僕たち、ほとんど裸な格好だ。

 

【●REC】

【このすべてがことごとく分かってない顔が好き】

【分かる】

【これを見るためだけに配信に張り付いてるんだ】

【ひでぇ】

【ユズちゃんのチャームポイントだからね】

【ユズねぇもだよ】

 

【てか待って、今言ったの何気に爆弾発言】

【おえらいさんに投げとこ? ぽんぽん痛くなるし】

【そうだな……】

【そうだね……】

 

「お母さ……じゃなくて女神様」

「ゆず! 私のことも女神様って」

 

「この格好、どうやったら脱げるんですか? ちょっと痴女は困るので」

「えー、良いじゃないー?」

 

「僕はやだよ、特にお母さんがその格好なのがイヤ」

「ゆず!!」

 

【そのままの君で居て】

【そうそう、とっても似合ってるよ】

【ふぅ……】

【えっち】

【幼いユズちゃん、ちょっとだけ成長してるユズねぇ……うむ】

 

【けど理由が自分よりユズねぇなのが草】

【かわいいね】

【かわいいね】

【ユズねぇ、元気だとこういう性格の子なんだね】

 

【ユズねぇならワンチャンある?】

【ある】

【ユズちゃんは無知ロリすぎて罪悪感湧くし先約あるけど、ユズねぇはほどよくメスガキでほどよくフリーだもん】

 

【え、あの、ユズパパの存在は】

 

【何それ?】

【誰それ?】

【誰か知ってる?】

【さぁ……?】

【草】

 

【まぁ年齢的にあり得ないからね……】

【実の姉か親戚の姉が限界だからね……】

【むしろユズねぇの言ってることが全部正解だった場合のユズパパが】

【そうだぞ、もはや存在だけでお巡りさんがほっとかないゾ☆】

 

【だってねぇ、ヘタするとひとケタ歳でってことに……】

【逮捕待ったなし】

【なんなら服役中か釈放されても追放の身】

【草】

 

【だからユズパパなぞ存在しないしユズねぇはまだ子供だし経産婦でもないただのお母さん役 良いね?】

【アッハイ】

 

【一瞬で加速してて草】

【視聴者たち、今やユズちゃんは愛でる対象でユズねぇに賭けてるからな……】

【無理に決まってんだろ草】

 

「……なんだかすごいことになってるみたいだね、君たち……」

 

「?」

「まぁ、お褒めにあずかり光栄です♥」

 

「んで、おか――姉さんの方だけ理解してると。 ……まぁ良いんじゃない? 楽しそうだしさ、みんな」

 

ふいっと僕たちの周りを飛び回る女神様。

 

……僕よりも年下の小さな女の子が、まるで男の子みたいな落ち着いたしゃべり方してるって……こう、なんかなぁ。

 

「あ、でも脱ごうって思うなら屋内の方が良いよ?」

「そうなんですか?」

 

「うん。 だってその服、君の隷属下……支配下のお仲間のだし」

「そうなんですかぁ」

 

「そ。 だから。 ……脱いだ瞬間まっぱで空中に放り出されるからね?」

 

【!?】

【●REC】

【はよ】

【はよ】

【待機】

 

「いやぁ、BANされても良いなら望めば……?」

 

【やべえ、この女神様配信見て反応するタイプだぞ!?】

【草】

【タイプて】

【でもそうだよなぁ、去年来てた方のは……】

 

「あと、小さいほうの君。 君が脱ごうとするとお姉さんの方も脱げちゃうから気をつけてね」

 

「え、なんでですか」

「え、だってそりゃあ」

 

すぃーっ。

 

女神様が僕の前まで来て――上から下まで見て、うんうんと納得しながら言う。

 

「だって君、リリスだし」

「リリス?」

 

「うん。 サキュバスとインキュバスの王……的な」

「はぇー、僕、王様だったんだぁ……」

 

「そ。 性別と種族を越えた王様で女王様」

 

感心してる僕ぐっと近づいて――ぽそっと耳打ちしてくる彼女。

 

「――だって、男の子なのにサキュバスになれてるんだからさ」

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