ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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278話 かわいいダンジョン

「………………………………」

 

あ、なんかまだおなかに力が残ってる?

 

……うーん。

 

出さないと落ち着かないのかな。

出しちゃった方が良いのかな。

 

「うーん……」

 

【おや? ユズちゃんが悩んでいるぞ?】

【かわいいね】

【かわいいね】

【もうこれでいいや……】

 

【他の人たち、次々撤収し始めてるし……】

【ダンジョンは撃破、魔王も取り巻きも討伐完了だからな】

【他の地域も、無事戦闘機とか戦車とか到着し始めてるしな】

 

【それぞれの地域のダンジョン潜りたちがパーティー組んで戦闘中だし】

【これ以上は増えないって女神様が明言したからな】

【あとは討伐するだけだし、たぶん大きな被害は無し】

【ダンジョン化の時点でみんな臨戦態勢だったのが功を奏したな】

 

【あのさ  ダンジョン化でそんな事態になった元凶って……たしかユズちゃん……】

 

【草】

【ま、まあ、ユズちゃんたちが起こしたわけじゃ無いから……】

【11年前のせいだから……】

【これ、配信されてなければユズちゃんたちがマジで討伐対象とかなってない??】

 

【良かったね、配信されてて  おかげでみんな無事ユズワールドに飲み込まれたよ】

【草】

【草】

 

【あ、女神様、そこの近所に出没してめぼしいお酒かっさらってってる】

【草】

 

【すげぇ……坊さんたちがめっちゃ笑顔で酒を次々奉納してる……】

【神父さんとか牧師さんとかまで総出でまれにも見ない光景になってるよ】

【草】

【ユズちゃんを救ってくれた女神様だからね、感謝してもしたりないもんね】

【俺たちがついでって扱いになってて草】

 

「うーん……?」

 

首をかしげてみる。

 

「ゆずきちゃん、どうしたの?」

「なんかね、残ってる感じがするんだ」

 

「そっかぁ、不思議だねぇ」

「不思議だねぇ」

 

一緒に傾いてるひなたちゃんと問答。

 

僕、魔法とか使ったことないからさっぱりなんだ。

 

【不思議だねぇ】

【不思議だねぇ】

【ユズワールドに……歪められる……】

【ひなたちゃんも加わって最強だな!】

【なぜだろう  すべて終わったはずなのに緊張感が】

【奇遇だな……俺もだよ】

 

「あやさん?」

「? どうされましたか?」

 

「あやさんはどうしてます?」

「どう、とは?」

 

「はい、えっと……おなかがむずむずしっぱなしでそわそわしちゃうようなときって。 かゆいって言うか、こそばゆいって言うか、熱くなるって言うか?」

 

うーん、表現の難しいこの感覚。

 

魔法使えるあやさんなら何か知ってそうなんだけどな。

 

「そわそわ……おなか……? ――――――っ!?」

 

きょとんとしてたあやさんが、急にぶわっと真っ赤になる。

 

「?」

 

「な、なんでもありませんっ! わ、分かりませんからっ!」

 

「?」

「?」

 

思わずひなたちゃんと顔を見合わせる。

 

……何であんなに慌ててるんだろうね?

 

【●REC】

【ふぅ……】

【ユズちゃん! ダメでしょそんなこと聞いちゃ!!】

【いや、今のは反応したあやちゃんの方がって言うか】

【そうか……大学生だもんな……】

 

【素人でも……ふぅ……】

【なんでこんなタイミングでこんなことになってんだ草】

【だってユズちゃんだよ……?】

【このぐだぐだっぷりはまさしくユズちゃんの仕業】

【固有能力の代償だからね】

【草】

 

「とっ、とにかく! 事態は収束しましたし、一度みなさんで」

 

「あ、そうだ」

 

【ステイ】

【ユズちゃんステイ!】

【理央様! 理央様!】

【何が起こるんだ……】

【総員総ショック体制!!】

【もうだめだ……】

 

僕はおなかの中に残った感覚を、全部解放する。

 

――ユズ様!?

 

おなかの中でエリーさんが叫んでるけど、もう止まらない。

 

「――警報器が!?」

「一体何が!?」

「上級者ダンジョンが溢れるときでもこんな魔力の数値は――!!」

 

急にけたたましいサイレンが鳴り響く。

 

けども、もうそんなのは些細なこと。

 

「僕、思ってたんだ」

 

体の前にもやっとピンク色の魔力が集まってくる。

 

「ダンジョンの入り口ってさ」

 

それを、まだ黒い光が真四角に空まで続いてる、僕の家のあった場所に向ける。

 

「ちょっと怖いじゃん」

 

【?】

【???】

【なぁにこれぇ……】

【んにゃぴ……】

【あの、真っピンクな魔力が】

 

【もしかして:サキュバスの権能】

【えっちな展開!?】

【草】

【ユズちゃんだからないとは思うが】

【どっちにしろもう遅い】

 

「柚希先輩、待っ――――――」

 

「だから、せめて」

 

理央ちゃんが抱きついてきたけども、僕はその力をそのまま黒い光にぶつける。

 

「入り口だけでもかわいかったら、もっと楽しいのにって思ってたんだ」

 

 

 

 

【速報・ユズちゃんの家、復活】

 

【※ただしお家の前にでかいダンジョンの入り口出現】

【なぁんでぇ……?】

【ダンジョン化、女神様が解消されるって言ってたのに……?】

【さぁ……?】

 

【その入り口が……】

【うん……】

 

【どう見ても夢の国的なポップな感じになっててさ  極めつけは「楽しいユズワールド」って書かれてるんだが……】

 

【草】

【草】

【もしかして:ユズちゃんが作った】

【作ったー!?】

【えぇ……】

【なぁにこれぇ……】

 

【ユズちゃんをフリーにさせちゃいけないって言っただろ!!】

【大丈夫、さっきみんなに羽交い締めにされて連行されたから】

【草】

 

【あの、流れ的にユズちゃんは敵対勢力じゃないから優しく迎えようって】

【大丈夫大丈夫、理央様たちが全力で引っ張ってったから】

【ああ、月岡と教官が吐きそうな顔して……】

【かわいそう】

【かわいそう】

 

【あと、あのダンジョン……】

【ユズちゃん家のど真ん前に……】

【これ、どうするのぉ……?】

【えっと……普通の住宅街の道を思いっきし塞いでますねぇ……】

【あとユズちゃんたち、お家の玄関入れなくない?】

【草】

【盛大なやらかしで草】

 

【あ、上空の映像  庭にすげえ量のお野菜こんもりなってるわ】

【あれ全部売ったらいくらになるんだろ……】

 

【草】

【草】

【そういや忘れてたわ草】

【何しろ怒濤過ぎたからねぇ……】

 

【そういやこれってさ……各地でダンジョン化が起きて、みんなで救出活動してて、んでなぜかダンジョンの中で魔王軍が出現して、それが空中に突如として出現して、みんなで撃退した後なんだよな……】

 

【最後がね……】

【すべてはユズちゃんに始まりユズちゃんに終わるんだよ】

【もうそれでいいや……】

【ま、まあほらさ  まだ女神様、そのへんほっつき回ってるし……】

【いざとなったらまたお願いすれば良いって言うか……】

【草】

 

【ユズちゃんと言い女神と言い、人類に友好的な上位存在がことごとくクセ強すぎるのはなぜなんだ……?】

 

 

◆◆◆

 

 

この「女神様」の登場するハルちゃんの小説は――明日が発売日です。

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