ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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10章 【サキュバスユズちゃん爆誕】
280話 起きたらすっぱだか、気がついたら服着てた僕


「はぇぇぇぇ……」

「あらあら、素敵なホテル」

 

「ええ……申し訳ありませんが、お二人には当分こちらで過ごしていただくことになるかと」

 

せっかくダンジョンの入り口をかわいくしたのに、あやさんとひなたちゃんに捕まって連れてかれて。

 

途中で来た車に乗って、眠くて寝ちゃって。

 

んで起きたらすっぱだかになってて――ひなたちゃんとあやさんが、じーっと見てきてて。

 

ああいや、なぜかまたチョコが張り付いてたから僕の裸じゃないし、恥ずかしくはないけどさ……同じ女の子の裸なのに、なんであんなに真っ赤になってたんだろうね。

 

しかもふたりとも、おっぱいとおまたに食い入るようだったし……女の子同士なのにね。

 

や、僕は女の子じゃないし、しいていえばチョコの裸だけど。

 

ちなみに僕が起きたらエリーさんは復活してて、普通に周りの人と話してた。

 

なんでも、僕の中に居ると魔力使わなくて済むし居心地良いんだとか……疲れてるしって、おやびんさんは僕の中で寝てるままだとか。

 

「ゆずは何も気にしなくて良いからね」とか「後のことは全部任せてね、ゆずきちゃん」とか「ユズ様の利益を最大化するために交渉して参ります」とか「いざとなったら柚希先輩と逃避行します!!」とか……みんなが言ってくれて、僕は――眠かったこともあって、ぼんやりしてた。

 

そうしていつの間にかうとうとしてたら、物理的にも金額的にもお高いホテル、そのフロア丸ごとらしいところに来てたって感じ。

 

……ここ、どこぉ……?

 

「ゆず、怖くない?」

「え? うん、別に?」

 

「ご安心ください。 このホテルはダンジョン協会も警備を担当しています。 何かあれば、必ず私たちが」

 

目の前で頭を下げているのは、さっきまで熟練潜りって感じの装備着てたのに、今はまた見慣れたスーツになってる教官さん。

 

「ま、この状況で柚希さんたちをどうにかしようってことはないはずですよ。 世論的にも……ええ、あの配信のおかげで、特に柚希さんの無害さは世界中に知れましたし……なにより、11年前に世界を救った女神が柚希さんたちと直接会話をしていたんです、何かあれば彼女が来ると考えるでしょうから、そう簡単には……」

 

優さんも――私服なのか、ぱりっとしたシャツとズボン姿。

 

今は女の人ってことを隠す理由が無いのか、普通に髪の毛も解いてるしお胸もきつそうじゃない。

 

「……あのあと、どうなったんだろ」

「テレビでも観る? ほらゆず、あのすっごく大きいテレビ!!」

 

「ちょっとお母さん、恥ずかし……わ、すっごきおっきい」

「ね! すっごぉくおっきいわぁ!」

 

ぴょんぴょんしてるお母さんをたしなめようとしたけども――なるほど、床から天井まである、電気屋さんとかに行かないと見かけないサイズのテレビ画面が黒く光ってるね。

 

「……ふぅ、お待たせ致しました」

「あ、エリーさ……ん」

 

かちゃりとドアから入ってきたエリーさん。

 

あれ、角と羽と尻尾がない……?

 

「……エリーさん……ですか?」

「ええ、この世界の人間様たちの風俗は学習しましたので。 あと、威圧的になりますので角などは収納してあります」

 

理央ちゃんが好きそうな、繁華街ですれ違う私服の女子たちが着てそうな、お洒落な服装になってるエリーさん。

 

これじゃ痴女とか感じないし、わきのしたとかおへそとかふともものあいだをじっと見ちゃうのもないから安心だね。

 

「どうなったのぉ? 私はいいけど、ゆずは?」

「ご安心くださいませ。 お母様も同様の権利を獲得して参りました」

 

「権利?」

 

「……とその前に、先輩方、警戒は解いて構いませんよ」

 

「きゅいー」

「ぴぴっ」

 

「! おまんじゅう! チョコ!」

 

天井からぬるんと落ちてきた2匹が、すぽっと僕の胸元へ。

 

「チョコ様が防衛を、おまんじゅう様がいざというときの反撃を……と、お願いしていました。 勝手な真似を、申し訳ございません」

 

「ううん、ありがとうエリーさん」

 

ぐりぐりって頭をこすりつけてくるおまんじゅうとチョコ。

 

……うん、あのときみたいに綺麗な白馬になってるのもかっこ良かったけど、やっぱり僕が好きなのはお人形みたいなおまんじゅうだ。

 

ついでにチョコはなんかすごい形になってたけど……チョコだもんね。

 

「さて。 ……ユズ様のためにも、端的に申し上げます」

 

さりげなく促されて座った、すっごくふっかふかのでっかいソファ。

 

対面に座った……贅沢にも2個あるんだね、このホテル……で、エリーさんと教官さん、優さんが僕を見てくる。

 

「ユズ様、お母様。 お二方は――『人類に友好的な種族』『けれども同時に、この星のこの国で生まれ育った同胞』と認定されました」

 

「……?」

「……?」

 

お母さんと目が合う。

 

「簡単に言ってしまえば、これまでとなにひとつ変わることはございません。 この国の国民としての権利と義務――の方は消失しましたが、とにかく人権など、全てがこれまでのままです」

 

「ということは、要求は全て通ったんだね?」

 

「はい、優様。 お二方がこれまで通り――になるべく近い生活を送れるよう、脅は――威あ――こほん、誠心誠意、ワタシどもの種族のことも含めて、対話をして参りました」

 

「それは対話とは……いえ、こちらだってきっと、当面は24時間体制で監視するでしょう国連軍などの戦力をちらつかせたでしょうから、文句は言えませんね……」

 

「ご配慮感謝致します。 人間様方の事情も理解していますから問題ありません。 それに……ええ、対話とは互いの価値と力により実現するもの。 ですが、務めて平和にとは意識しておりました」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

 

お母さんと、一緒に首が傾く。

 

「……難しいみたいだから、違いだけ話してくれるかな」

「畏まりました。 ……ユズ様、お母様」

 

「!」

「!」

 

僕たちに話が向いて、お母さんと一緒に顔を戻す。

 

「まずは――引っ越しをご検討くださいませ。 いえ、可能であればあの家と土地はそのままですが……その」

 

ちらり、と目を逸らし――なぜか勝手に点くテレビ。

 

『――ご覧ください! こちらが「楽しいユズワールド」の入り口です! 周囲には規制線が――』

 

「……僕たちの家だね」

「ゆずが飾ってくれた、かわいい看板が素敵ね」

 

「……というように、あの地はもはや、ただの田舎ではなくなりました」

「ええ……恐らくはこの県で……いえ、この国どころか世界有数に有名になってしまった、最新のダンジョンですから」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

 

もう1回お母さんと目が合う。

 

「……あの、エリーさん? おふたりは……」

「ユズ様は度重なる戦闘で……そしてお母様は、かの女神に魔力の相当を譲られましたから。 当面は思考能力が、著しく……」

 

「……つまりちょうちょか」

「ちょうちょですね……」

 

あ、エリーさんと優さん、教官さんが3人揃って頭抱えてる。

 

どうしたんだろ……僕たちのせいで疲れてるのかな。

 

僕たちが休んでるあいだ、ずっとがんばっててくれたんだもんね。

今度、お礼しなきゃな。

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