ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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281話 3人と一緒に寝てたらしい

「ねぇ、理央ちゃん」

「なんですか? 柚希先輩」

 

「あやさん?」

「どうしましたか?」

 

「ひなたちゃんも」

「なぁに?」

 

「……みんなは、なんでここに居るの?」

 

ひと晩ぐっすり寝て、僕は思った。

 

昨日――あのダンジョンでのいろいろがあったあと、疲れてたからあんまり気にならなかったんだけどさ。

 

ぼーっとしてたから、ただお母さんの横で座ってただけなんだけどさ。

 

夜になって3人がおっきい荷物と一緒にやってきて、「お邪魔します」って言ってて、お母さんが「好きなだけ居て良いからね」って言ってて。

 

夜、お風呂に入ろうとしたら理央ちゃんが更衣室に堂々と入ってこようとしたからぺいって叩き出して。

 

お湯に浸かろうとしたらあやさんのシルエットが見えたから、一緒にお湯に入ってたおまんじゅうを突撃させて追い払って。

 

体洗ってるときに後ろから気配したから、チョコにお願いして――どんな感じでやったのか分かんないけど、追い出してもらって。

 

そのままぐっすり寝て、朝起きたら3人がベッドに潜り込んできてて。

 

起きたら起きたで、お母さんが体に違和感ないかとか、特におまたがどうとか言ってたけども「なんにもなかった」って言って。

 

お布団剥いで、僕の寝てたとこと、まだ寝てる3人の近くをじーっと近くで見て、ため息ついてて。

 

あ、このフロアって広いもんだから寝室も4つ5つあるんだって。

 

ならみんなおっきなベッドを独り占めしたら良いのにね。

なんでわざわざ僕のとこに来たんだろうね。

 

初めてのベッドが不安だったのかな?

 

それならしょうがないよね。

 

けどそれじゃ、なんで自分のベッド――自分の家で寝てないんだろ。

 

お母さんが肩落として出てって、3人が目を覚まして――そんな疑問が今、一気に吹き出してきた。

 

「……あ、ユズ様の魔力が」

 

「あ、おはようエリーさん」

「ええ、おはようございます」

 

振り返ると――なぜかまた痴女スタイルになってるエリーさん。

 

「………………………………」

 

「?」

 

じぃっと僕を――正確には、僕の中の何かを見つめている彼女。

 

「……ユズ様。 ユズ様の魔力量が――現在の魔力の基準量に届きました」

 

「?」

 

なんのこと?

 

「つまり?」

 

「我ら魔力を主食とする生物は、保有魔力量が少なくても多くても、正常に働かなくなります。 慣れていないと、考えることも動くこともできなくなるほどに」

 

「柚希先輩、あの戦いで何回も魔力切れになってましたし……」

 

「ええ。 最後こそ、これまで貯めていた魔力のおかげで強力な力を発揮してはいましたが、先ほどまでは……平たく申しますと、栄養不足、水分不足や寝不足のような状態に陥っていました」

 

ふーん?

 

「それ、人間でもなるんですね。 僕みたいに」

 

「いえ、ユズ様とお母様はもはや、半分以上はこちら寄りの存在ですので」

 

「?」

 

こちら寄り?

 

「特にユズ様は……生後の半分を越える時間を、ダンジョン経由で異界よりの魔力を直接浴びる生活でしたので。 お母様の方も、程度こそ違えど似たようなものです」

 

「よく分かんないけど、そうなんだ」

「そうらしいですよ、柚希先輩」

 

「? 理央ちゃん、知ってたの?」

 

「ええ、私たちは昨日に。 ね?」

「済みません、すっかり寝ていましたので」

「寝顔、かわいかったよ!」

 

ベッドで――なぜかパジャマで、なぜか理央ちゃんは着崩した格好で、3人が元気に返事をしてくる。

 

「……だから、夜勤明けみたいなへろへろの状態だったってこと?」

「そういうことでございます」

 

「そっかぁ……だからぼーっとしてたんだね」

 

ついでにお母さんともよく目が合ってたしお母さんもおんなじ感じだったんだろう。

 

「で、それと3人が居るのとは関係あるんですか?」

「ございません」

 

「そう、それでどんな――えっ」

 

関係ないの?

 

じゃあなんで今その話、ここでしたの?

 

「お義母さんには説明しました!」

「僕には?」

 

「ゆずきちゃんはいくら起こしてもよだれ垂らして寝てたからねぇ」

「えー」

 

「大変に可愛らしく……こほん」

「あやさんまで……」

 

みんな寝起きで、髪の毛ぼさぼさ。

 

お布団の中からは3人の匂い。

 

「………………………………」

 

……理央ちゃんを見てると、なんだかドキドキする?

 

「……???」

 

あれ、なんだろ。

 

こんなの初めてだけど……なんで?

 

お酒……は、飲んでないはずだし。

 

「……ユズ様、あや様を見てくださいますか?」

「え? あ、はい」

 

なんかエリーさんに言われたから、言われるままにあやさんを見上げる。

 

「……なんだか恥ずかしいですね……」

 

すっごくおっきいお胸で、浮いてるパジャマのシャツ。

 

「今度はひなた様を」

「えへへ……」

 

ひなたちゃん。

 

いつも結ってる髪の毛がほどかれてて、小さい体が際立っている。

 

「………………………………?」

 

……なんか、体が変。

 

どう言えば良いのか分からないけど、自然に汗がにじんでくるっていうか。

 

「……ありがとうございます」

 

「?」

 

どういうこと?

 

「……お三方。 ここはユズ様がいらっしゃいますし、あとで説明致しますが」

 

エリーさんは、僕をちらりと見てから――指でOKサインを作る。

 

「?」

 

「え……嘘……!?」

「……そう、ですか……」

「そっか。 魅力、ないんじゃなかったんだ」

 

「……?」

 

3人を見ると、なんだかすごく嬉しそう。

 

けど僕と目が合うとさっと逸らして、なんかもじもじしてる。

 

「…………?」

 

「ユズ様」

 

エリーさんが、すごい笑顔で僕の両肩に手を置いてきている。

 

「ワタシは、ユズ様の幸福を最大限にすべく、全てを捧げます」

 

「えっと……ほどほどにね?」

「有り難きお言葉……それでは、配信は朝食ののちに」

 

そのまま回れ右をして――ヒモのぱんつから尻尾がぴょこんと出ていて、その尻尾がふりふりしてて、背中の羽もぴこぴこしてる彼女が、部屋を出て行く。

 

「………………………………」

 

……なんか目が覚めてきたけどさ。

 

えっと……配信?

 

 

◆◆◆

 

 

次回作の用意があります。ですので以後、ハルちゃん&柚希くんは平日更新となります。

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