ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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293話 【ユズちゃんのおこおこ緊急ゲリラ配信】2

「………………………………」

 

【フリーズ?】

【どうした?】

【ユズちゃんがじっと見てる】

 

【かわいい】

【かわいい】

【でも髪の毛、せめて撫でつけるくらいはしようね……】

【草】

 

流れていくコメントを見ていた。

 

するとどうやら、顔も洗ってない僕のことを、やれ「寝起きの女の子のインパクト」とか「かわいい」とか「良い匂いしそうなパジャマ」とか「かわいい」とか「怒ってる顔もかわいい」とか、そんなのばっかりだって気づいた。

 

僕は、怒りを改めて露わにする。

 

今日の目的を達成するためには、アピールしないといけないんだ。

 

「僕、怒っているんです」

 

ほっとくとすぐ消えちゃうのが怒ってる感情っていうもの。

 

怒りは怒り続けることで持続するしヒートアップするもの。

 

理央ちゃんが、小さいころ良く泣きながら――理央ちゃんのお母さんに怒られて、そんなこと言ってたっけ。

 

「本当に怒ってるんですよ」

 

きりっ。

 

僕は、僕ができる最大限の怒り顔になる。

 

【?】

【?】

【???】

【どうしたのユズちゃん】

【マジでどうしたんだ】

 

【ぐずってるだけじゃ?】

【草】

【ユズちゃんは真剣なんだよ?】

【これはなんかユズねぇがやらかしたパターンか】

【それだ】

 

【ユズねぇ! 出てきて説明しなさい!】

【ユズねぇ……なんでパジャマじゃないの……?】

【なんであのえっちな紐パンじゃないの?】

【お前ら……】

【羽は……ちょうちょはどこ……?】

 

む、まだ分かってない。

 

けど何か言いたいことには気づいたらしいから、もうこのまま行くんだ。

 

「みなさん、良いですか。 よく聞いてください」

 

【はい】

【はーい】

【お、これはマジだぞ】

【なになに? 何発表?】

 

「僕は、かわいい女の子なんかじゃありません」

 

よし、言ってやった。

 

「ふんっ……!」

 

【????】

【?????】

【何を言い出すかと思えば】

【なんか……どや顔してる……】

【草】

 

【どういうことなの……】

【あー、さっきユズねぇがお洋服ぐいぐい押し付けてたな】

【あー】

【なるほど、猫かわいがりされてたどっかでぷちんと来ること言われたか】

【あー】

 

「むふんっ……!」

 

言ってやった。

 

僕は女の子じゃないって。

かわいいって言うなって。

 

「いえ、あのー……」

「良いのよぉ。 あれでゆずだから」

 

近くで見てたお母さんに向け、言ってやったってアピールする。

 

「ふふんっ!」

 

ああ……こんなに楽しいだなんて、暴露配信……!

 

【かわいい】

【かわいい】

【なんでこの子、自分がかわいくないって言い切ったらこんな満足げなのぉ……?】

【腕組んで、実に嬉しそうなの……?】

【わかんなぁい……】

 

【ゆ、ユズちゃん的になにか引っかかるのがあったんだろうね……】

【肝心のそれが全ての視聴者たちに伝わってないところも含めてね……】

【草】

【草】

【ま、まあ、いいたいことは分かったから……】

 

コメント欄を見ると……あれ?

 

「僕、かわいい女の子じゃないって言いましたよね?」

 

あれ?

 

なんか雰囲気ちがくない?

 

僕はかわいくないし、女の子じゃないし、男だって言ったはずなのに?

 

【うん】

【言ってたね】

【かわいいね】

【自然に首かしげててかわいいね】

【これが天然ものだからな……】

 

「………………………………?」

 

え?

 

僕、暴露したのに?

 

男だって。

 

かわいい女の子じゃないって。

 

【ユズちゃんユズちゃん、たぶん言いたかったこと伝わってない】

 

【うん】

【1ミリも伝わってないよユズちゃん!】

【かわいいことしか伝わってないよユズちゃん!】

【あとパジャマが肩からずり落ちそうなのがものすごく心配なんだよユズちゃん!】

【草】

 

【お前! お前!!!】

【だって……】

【これ、ユズちゃん、ブラとか……】

【シャツくらい……着てるよね……?】

【着てなかったら?】

 

【最悪一瞬映りそうになってセンシティブ判定でモザイク&BANも視野】

【それはダメだ】

【惜しいがユズちゃん……! パジャマ、整えよう……!】

【うう……もったいない……】

 

【けどなぁ、マジもんのロリっ子の上半身がうっかり全世界ってのはあんまりだからなぁ……】

 

「……ロリっ子?」

 

「……ユズ様のことではないかと……」

「?」

 

エリーさんを見上げると、なんかすごく疲れた顔してる――理央ちゃんに似てるけど理央ちゃんなら絶対にしないような表情。

 

「……? 僕、違うって言ったよ?」

 

「いえ、ですから……ワタシとしましては恐ろしすぎて言えないのですが……」

 

【????】

【どうやらユズちゃんと俺たちのあいだで致命的な齟齬が発生しているらしい】

【らしいな】

【何が違うんだろう……】

【んにゃぴ……】

 

【かわいい女の子じゃない……かっこいいって言ってほしいってこと?】

 

「!!!! そう!! かっこいいんだよ僕は!!!」

 

流れていくコメント、そこで一瞬、僕の動体視力が捉えた貴重なその感想に、僕は思わずカメラさんを掴んで――

 

ごんっ。

 

「あ゛ぅっ」

 

【草】

【草】

【草】

【なぁにこれぇ……】

【ユズちゃんだよ】

【かわいい】

【かわいい】

 

【よくわからんがかわいい】

【おでこでカメラと衝突とかかわいすぎひん?】

【何を言いたいのかさっぱりだったけど、とりあえずかわいかったからもうなんでもいいや……】

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